昨今、ビジネス用語で「プロジェクトマネジメント」という言葉を耳にする機会が増えてきました。時と共に人々の働き方は変化しますが、コロナ禍でリモートワークが珍しくなくなった今日、プロジェクトの管理 (マネジメント) を効果的に行う方法に、より一層注目が集まっています。
この記事では、プロジェクトマネジメントのスキルを磨き、伸ばしていくことに関心があるすべての方向けに、プロジェクトマネージャーやプロジェクト管理者 (アドミニストレーター) として成功するために必要な 25 の主要なスキルに加え、これらのスキルを長期的に伸ばす方法もご紹介します。
更新: この記事は、プロジェクトマネジメントの定義とそのスキルを伸ばす方法に関するさらに詳しい記述を含めて 2022年 5月に改訂されました。
「プロジェクトを管理する人は、役職に関わらず、皆プロジェクトマネージャー」という考え方が、Asana の信条です。チームが効果的なコラボレーションと最良の仕事を行うには、プロジェクトマネージャーのリーダーシップが必要となります。しかし、すでに一つの、または複数のプロジェクトを管理している場合、プロジェクトマネージャーとしてさらにスキルを向上させるには、どうすればよいのでしょうか?この記事で紹介するプロジェクトマネジメントスキル解説を参考にしてみてください。
プロジェクトマネジメント (プロジェクト管理) とは、文字通りプロジェクトを管理し、コントロールすることです。そこには、仕事を効率的に整理して実行するだけでなく、自分やチーム、グループが行う仕事の進捗管理や工数管理も含まれます。プロジェクトの成功の鍵は、このプロジェクトマネジメントをいかに効率的かつ的確に進めていくかだと言えます。
プロジェクトを管理している人を、プロジェクトマネージャーと呼びます。従来のプロジェクトマネージャーは、複雑なプロジェクト管理の手法を学び、研修を受けたチームメンバーでした。従来のプロジェクト管理ツールは設定が困難で、正しく扱うには相応のスキルを学ばなければならなかったからです。
一方、現在のプロジェクトマネージャーは従来のそれとは異なります。なぜなら、企業やチームがプロジェクトマネジメントプロセスの民主化を進めたことで、誰もがその運営を担う可能性が出てきたからです。プロジェクトの立ち上げから目標達成までのすべてのプロセスを管理できるメンバーやリーダーの数は格段に増えたと言っていいでしょう。
前述のとおり、以前のプロジェクトマネージャーはプロジェクト管理手法を学び、複雑なプロジェクト管理ツールを扱うためのスキルを磨かなければなりませんでした。しかし昨今はチームメンバーの誰もがプロジェクトマネジメントを任され、事実上のプロジェクトマネージャーとなる可能性があります。それに伴い、プロジェクト管理ツールも進化してきました。最新のプロジェクト管理ツールは、誰もがどのようなプロジェクトにも対応できるように柔軟に作られており、すぐに使い始めることができます。
Asana のようなツールを使えば、従来のツールのように苦労することなく、作業の追跡、管理、整理を簡単に行うことができます。モダンなプロジェクト管理ツールを使えば、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを簡単に導入することができ、プロジェクトチームの明確さと可視性をレベルアップすることができます。
Asana を無料で試すプロジェクト管理ツールは、サイロを減らし、可視性を高め、部門間のコラボレーションを促進する強力なツールです。プロジェクトマネージャーは、これらのツールを使って、チームが最高の仕事をするために必要なインサイトをチームに提供することができます。優れたプロジェクトマネージャーになるために、複雑なスキルやツールを学ぶ必要はありませんが、マネジメントやコラボレーションのスキルを向上させるためには、ハードスキル、ソフトスキル、テクニカルスキルを身につける必要があります。
以下に紹介するそれらのプロジェクトマネージャーとしてのスキルの中には、自分に該当しないものや、すでに熟練しているものもあるかもしれません。5 つのプロジェクト管理フェーズと同様に、このリストにも柔軟な姿勢で臨み、最も関心があるスキルを伸ばすために活用してください。
記事: ハードスキルとソフトスキルの違い: Asana チームメンバー 14 名の例ソフトスキルとは、「非技術的」なスキル、つまり特定のツールや技術要件を伴わずに、仕事の質向上に寄与するスキルを指します。職場での人との協力や関わり合いを円滑にするため、同じ意味で「ヒューマンスキル」または「対人能力」という言葉も使われます。プロジェクトマネジメントにおいて最も重要な 10 項目のソフトスキルを以下に紹介します。
コラボレーションは、あらゆるプロジェクトマネジメントスキルの根幹を成すスキルです。どのようなソフトスキル、ハードスキル、テクニカルスキルも、コラボレーションという土台を要します。プロジェクトマネジメントにおいて、コラボレーションスキルがあると、チームワークにおける貢献度を高められます。効果的なコラボレーションは、チームとの円滑なコミュニケーションと仕事の優れた成果につながります。
コラボレーションスキルを伸ばすには、多様な会話を行う習慣をつけましょう。コラボレーションに基づくチームワークでは、コミュニケーションの風通しをよくし、心の壁をなくし、共に創造に取り組むことが必要不可欠です。コラボレーションスキルを伸ばす秘訣についてもっと読むには、チームによるコラボレーションに関する Asana ガイドをご覧ください。
効果的なコミュニケーションは、プロジェクトマネジメントの主要スキルの 1 つで、効果的なコラボレーションの基軸を成します。コミュニケーションスキルを伸ばすには、共に仕事をする仲間との率直かつ誠実な接し方を習慣づけましょう。これは、相互の大きな信頼を必要とします。オープンなコミュニケーションにより信頼関係を築くには、どんな考えも (自分の意見と合わない考えも) 話し合いで共有することを、チーム全員に対し奨励しましょう。オープンなコミュニケーションを習慣的に継続すれば、チームのコラボレーション能力が高まり、仕事の成果につながります。
コミュニケーションスキルを高めるには、チームと共にコミュニケーションに関するガイドラインを作成しましょう。メール、Slack、ワークマネジメントツールなど、利用中のコミュニケーション用ソフトウェアに関しても、その種類に応じたツールの使い分けを明確にすれば、チームのより効果的な意思疎通とコラボレーションにつながります。
職場におけるチームワークは、皆が (個人単位だけでなくチーム単位でも) 充実した仕事を行えるよう、互いにサポートし合い、励まし合うことを意味します。チームの全員が自分の得意なことを生かしてその力を合わせたとき生まれるチームの効果は、個々のチームメンバーが 1 人で達成できるものを上回ります。コラボレーションは、チームワークの一環です。全員が「自分の貢献は歓迎され、認められる」と実感できる環境をつくる上で、チームワークはコラボレーションよりもさらに大きい役割を果たします。メンバーにチームワークを促し、効果的なプロジェクトマネジメントを行いましょう。
自身のチームワークのスキルを伸ばすには、質問する習慣をつけましょう。そして、チームのブレインストーミング、1 対 1 の会話、チーム全員の考えのヒヤリングなどのコミュニケーションにより深く関わりましょう。自分自身に対しても、「最近声を聞かないメンバーがいないか」、「よいアイデアや生かせるスキルを持つメンバーがいないか」といった問いかけを行いましょう。
ダウンロード: チームワークの照準を組織のミッションに合わせる円滑なプロジェクトマネジメントには、問題解決スキルも必要です。このスキルはコラボレーションやイテレーションに基づき、問題を紐解きながら、最終的には解決するスキルです。問題解決スキルを伸ばすために、すべての問題に対し常に「正しい」答えを知っている必要はありません。むしろ、新たな視点から問題を分析し、系統的にソリューションを見出すのが、優れた問題解決スキルを持つ人の特徴です。
記事: 社会人基礎力とは?人生 100 年時代に求められるスキルを解説優れた問題解決スキルを身につけるには、自分の意思決定をより深く分析しましょう。ある決断を下した理由や別の選択肢の有無について、自分に問いかけましょう。その答えが「なし」でも、自分の内発的動機づけや解決策に関し、自分自身に対し問いかけを行うことで、問題解決スキルを習慣付け、今後の問題に対する対応を向上させられます。
多くのプロジェクトマネージャーにとって、整理スキルは一番苦手なソフトスキルかもしれません。整理スキルは、持って生まれた資質が「ある」か「ない」かで決まるという考え方もあります。しかし、この記事にある他のプロジェクトマネジメントスキル全項目と同様に、整理スキルも向上は必ず可能です。近藤麻理恵さんのような名人を目指すこともできるのです。
整理スキルを伸ばす最良の方法は、自分の仕事、そしてチームの仕事において、信頼できる唯一の情報源を設けること (そしてそれを維持すること) です。ワークスペースが乱雑な状態は、多くの場合、作業間のつながりが欠けていることにより発生します。一般的に、従業員は平均して 1 日 10 個のツールを切り替えながら使用しています。情報やデータが随所に分散している状態では、整理に悩むのも無理はありません。10 個のツールに時間を注ぐ代わりに、Asana を整理ツールとして使用すれば、信頼できる唯一の情報源が得られます。
時間管理と整理スキルは、切り離せない概念です。タスクを整理するスキルが上達するのに伴い、自分の全担当タスクの現状と各タスクの所要時間をより明確に認識できるようになります。
とはいえ、いざ仕事に優先順位をつけるといっても簡単ではありません。時間管理のスキルを高めて先延ばしの誘惑に打ち勝つには、各タスクの相対的な重要度を管理するワークマネジメントツールを活用しましょう。優先度の高いタスクが明確になれば、それにまず取り組むことができ、遅れや見落としもなくなります。
プロジェクトマネジメントを行う人は、プロジェクトマネージャーであり、同時にリーダーでもあります。本人が自覚していなくても、プロジェクトチームはプロジェクトマネージャーにリーダーシップや指導力、サポートを求めています。
リーダーシップスキルを身につけるには、どんな状況にも共感と理解をもって対応する訓練が必要です。よいリーダーは、チームを結束させ、チームワークとコラボレーションを育みます。自分はどんなリーダーになりたいのか、少し立ち止まって考えてみましょう。ここでは、主なリーダーシップスタイルをご紹介します。
サーバントリーダーシップ: チームへの貢献を使命とするなら、サーバントリーダーを目指しましょう。チームが成長して能力を最大限発揮できるように、サポートに徹するのがサーバントリーダーです。
参加型リーダーシップ: 「民主型リーダーシップ」とも呼ばれるこのタイプのリーダーは、プロジェクトチーム全員が協力して決定を行えるよう導きます。
変革型リーダーシップ: 変革型リーダーは、チームのためのビジョンを重視し、画期的な変化へ向けてチームメンバーと協力して取り組みます。
専制型リーダーシップ: 専制型リーダーはプロジェクトに関する決定を合理化し、プロジェクトチーム任せにすることはほとんどありません。これによりチームはプロジェクトの目標に集中して、すばやく判断を下すことができます。
放任型 (レッセフェール) リーダーシップ: このスタイルのリーダーは、プロジェクトチームが創造性や柔軟性を発揮することを奨励します。「レッセフェール」とはフランス語で「手放す」という意味で、放任型リーダーはこの姿勢を重視しています。
どんなプロジェクトでも、計画のどこかで変更が起きるものです。締め切りがずれたり優先順位が変わったりすれば、それに応じてワークフローの調整が必要になります。優秀なプロジェクトマネージャーは即座に方向転換して新しい状況に対応し、プロジェクトチームを正しい方向へと導き続けます。
プロジェクトマネジメントにおいて適応力を高めるとは、いつ、どのようにギアチェンジをするかを把握することに尽きます。コースを修正する、あるいは最適な方針を立て直すには、進行中のあらゆる仕事を可視化する必要があります。適応力を高める一番のコツは、稼働中のすべてを明確に把握すること。そのために、ワークマネジメントツールを使ったプロジェクト追跡が大いに役立つでしょう。
管理しているプロジェクトで、対立や問題が起こることは避けられません。どの成果物の重要度が高いかでチームメンバーの意見が割れたり、ステークホルダーがプロジェクトスコープを変更したり、プロジェクトマネージャーが予算や締め切りをオーバーしたりといったこともあり得ます。
対立の解決には、全員が自分の言い分を聞いてもらい、理解されていると感じるよう、両者に働きかけることが大切です。被害を被った人がいるなら、その人の話にしっかりと耳を傾け、全員に納得のいく解決策を見つけます。それが難しい場合でも、辛抱強く、共感をもって対話に臨めば、揉めごとに発展することなく、よりよい結果を引き出すことができます。
記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツ批判的思考には、問題解決のような「答え」はありません。批判的思考で何かに「勝つ」ことはできませんが、感情的に決断を下すのではなく、問題に論理的に取り組む訓練になります。批判的思考が得意な人は、ちょうどシャーロック・ホームズが謎を解決するように、目の前の情報を分析し、事実に基づいた結論を導きます。
批判的思考を実践するには、必ず一歩引いて、その結論に到達した道筋を自分に問いかけます。別の答えはあり得るか。事実以外の要素に影響されていないか。強い思いが最善の結果をもたらした例もありますし、感情に基づく決断が必ずしも間違っているとは限りません。しかし批判的思考は、正しい観点から事態に取り組むために有効な方法なのです。
ソフトスキルとは異なり、ハードスキルは学んで習得でき、測定もできる能力です。上記のソフトスキルはあらゆる場面で応用できますが、これから説明する 7 つのハードスキルは、プロジェクトマネジメントの場面でのみ有効となります。これらのスキルを身につければ、よりバランスのとれた、有能なプロジェクトマネージャーへと成長できます。
Asana のプロジェクトマネジメント機能を試すプロジェクトスコープとは、プロジェクトの規模、目標、範囲を意味します。プロジェクトスコープは一定の期間と予算内で達成できる内容を定義し、プロジェクトの成果物がプロジェクトスコープから外れてしまう「スコープクリープ」を防ぎます。
プロジェクトスコープを設定するスキルを高めるには、早い段階から、繰り返しプロジェクトスコープの設定を実践しましょう。設定したら、関係者と共有し、頻繁に提示することで、全員がプロジェクトの目的や範囲について一致した認識を持つことができます。詳しいヒントは、スコープクリープについてのガイドをご覧ください。
プロジェクトロードマップとは、プロジェクトの重要な成果物とスケジュールの全体をまとめた概要図です。プロジェクトの開始前からプロジェクトチーム全体で流れを把握できるため、プロジェクトロードマップは大勢の関係者が絡む複雑な大規模プロジェクトには欠かせません。
プロジェクトロードマップはガントチャート的なソフトウェアで作成し、プロジェクトの全体的なスケジュールは横長の棒 (バー) グラフで表示されるのが一般的です。Asana のタイムラインなどのツールを使用すれば、プロジェクトの大まかなスケジュールを作成し、さらに重要なマイルストーンや依存関係も設定できます。
プロジェクトロードマップを作成しない場合でも、プロジェクトの要旨は便利です。プロジェクトの要旨は、プロジェクトの目的の概要と、その達成までの計画を簡単にまとめたものです。今後の計画策定の際に、基準として利用できます。
特に覚えておきたいのが、プロジェクトの要旨は随時更新が必要な文書であることです。プロジェクト計画を作り、ステークホルダーの意見を取り入れながら、プロジェクトの要旨を調整し、更新しましょう。一般的には、(作成した場合は) プロジェクトのロードマップへのリンク、プロジェクトのステークホルダーとそれぞれの役割をまとめたリスト (RACI チャートとも呼ばれます)、その他の関連文書やファイル、さらにチームが必要とする全体的な情報が含まれます。
キックオフミーティングはプロジェクトのステークホルダーと意見をすり合わせるチャンスです。この機会にプロジェクトの目標とスコープを明確にし、用意してある資料、たとえばプロジェクトロードマップ、プロジェクトの要旨をはじめ、マーケティングキャンペーン用の資料リストやデザインチームが使用するクリエイティブブリーフなどを共有します。
キックオフミーティングを成功させるには、まずまとめた資料をプロジェクトの関係者と共有し、その上で、ブレインストーミングや Q&A セッションを行って、予算、リソース、最終成果物といった、それ以外の要素について意見をまとめます。
プロジェクト計画はプロジェクト憲章とも呼ばれ、基本的にはプロジェクトで成功させるべき重要ポイントをまとめた青写真です。一般的なプロジェクト計画には次の 7 つが含まれます。
目標
成功の評価指標
プロジェクトのステークホルダーとその役割
マイルストーンと成果物
タイムラインとスケジュール
プロジェクトのコミュニケーション計画
目標やマイルストーンなど、このうちの一部はすでにプロジェクトロードマップやプロジェクトの要旨で設定されている場合もあります。しかし、これらの要素をすべて組み合わせたプロジェクトの全体像を描くには、プロジェクト計画が必要です。プロジェクト計画の作成を始めるには、プロジェクト計画ガイドを読むか、Asana の無料のプロジェクト計画テンプレートをお試しください。
プロジェクトタイムラインは、プロジェクトのライフサイクルに発生するイベントの順序とその期間を表します。プロジェクトタイムラインを把握することで、プロジェクトの動きを追跡し、必要なアセットを期限通りに納品できるようになります。
適切なプロジェクトタイムラインを作成するには、プロジェクトの開始日と終了日、重要なマイルストーンを明確にします。続けて個々のタスクや成果物の計画を立て、タスク間の依存関係を設定し、各業務の開始日と終了日を決めます。準備ができたら、タイムラインツールを使用して実際に作ってみましょう。
プロジェクトが正式に動き始めると、プロジェクトマネージャーとチームの時間を適切に管理するために、タスク管理が必要になります。プロジェクトマネジメントを円滑に進められるよう、チームの現在の業務を把握し、効果的に仕事の優先順位を決め、実行できるようサポートしましょう。
プロジェクトで起きているすべてを把握するには、タスク管理ソフトウェアを活用します。タスク管理ソフトウェアは単なる To-Do リストではなく、プロジェクトで起きているすべての仕事を総合的にとらえて表示します。効果的にタスク管理を行うことで、チームの生産性や効率が上がり、効果的に業務に取り組めるようになります。
ソフトスキルは OK。ハードスキルもマスターしました。締めくくりはテクニカルスキルです。
テクニカルスキルとは、プロジェクトマネジメントにおける特定のツールやソフトウェアに関する知識を指します。すでに述べたように、最近のプロジェクト管理ツールは柔軟性が高く、使いやすく作られているため、習得するのは難しくありません。次の 8 つのスキルはプロジェクトマネジメントのポイントなので、必要なときに活用できるよう、ぜひ押さえておきましょう。
ガントチャートは、プロジェクトを横長の棒 (バー) グラフで表示します。各バーは業務を、バーの長さはその業務にかかる時間を表します。ガントチャートで示せるものは主に次のとおりです。
依存関係
プロジェクトのリアルタイムの進捗状況
開始日と終了日
従来のガントチャートは使い方が難しく、利用範囲が限られるため、Asana ではそのメリットだけを生かして、ガントチャートに似たタイムラインを作成し、仕事のピースを組み合わせた全体像を見られるようにしました。
視覚的にプロジェクトマネジメントを行う方法として、もう一つ人気があるのが、かんばんボードです。かんばんボードの各列は新規、進行中、完了など、業務のステージを表しています。個別の作業はカードで表示され、列を移動していき、最終的に「完了」に到達します。
かんばんボードツールは、製品、エンジニアリング、ソフトウェア開発チームなど、無駄を省いたリーンなプロジェクト管理に適した視覚的なツールとして広く使用されています。Asana では、チームが好みに合わせて仕事を表示できる、4 つのプロジェクトビューの 1 つとして提供されています。
記事: ビギナーズガイド: かんばんボードとは?その仕組みは?アジャイル管理は、特に製品、エンジニアリング、ソフトウェア開発やシステム開発チームに利用される、効率的なプロジェクトマネジメントメソッドです。改善を繰り返し、成果を積み上げていくシステムで、リーンなポートフォリオ管理やスクラム、かんばんなどのリーン手法もこれに分類されます。
アジャイルチームを管理するには、チームの機動性を高め、イテレーション (繰り返し) を通じて結果を出す柔軟性に優れたアジャイル管理ツールを活用します。
プロジェクトマネジメントにおけるコスト管理では、プロジェクトの各ステージで予算を考慮することが必要です。コスト管理はプロジェクトのリーダーの重要な役割であり、成功を左右する重要な要素でもあります。予算を守ることは、期日を守ることと同様の重要性を持ち、コスト管理がそのカギになります。
コストを効果的に管理するため、優秀なプロジェクトマネージャーはプロジェクトの開始時点でコストと予算を決めます。プロジェクトのステークホルダーとチームメンバー全員が予算を把握していることが重要です。プロジェクトの実施中は、常にコストと予算を念頭におき、予算を超えていないか、プロジェクト中に数回、支出を確認します。プロジェクトが完了したら、予測コストと実際のコストを計算し、コスト管理計画の有効性を検証します。これは将来のプロジェクトのベンチマークにもなります。
記事: コスト管理: プロジェクトの支出をモニタリングして収益性を高める方法組織全体の大規模な改革を実施した経験があれば、それがチェンジマネジメントです。チェンジマネジメントとは、一定期間内に新しいプロセスやツールなど、組織全体に影響する変更を導入して、そうしたツールやプロセスの利用を増やしたり、仕事上の摩擦を軽減しようとするプロセスです。チェンジマネジメントは一般的に、ワークフローの変更を段階的に組織全体に導入する、変革プロセスを先導する組織内の協力者を作るといった手法で構成されます。
Asana では、有効性が証明されたチェンジマネジメント戦略を取り入れ、Asana のカスタマーサクセスチームが開発した 6 ステップのプロセス、「Asana Way of Change」を活用しています。詳しくは、チェンジマネジメントのガイドをお読みください。
プロジェクト管理ソフトウェアは大きく進化し、もはや、かつての使いにくくてプロジェクトマネジメントの専門家でなければ扱いきれないツールではありません。しかし、たとえ使いやすいツールでも、ソフトウェアを学習してきちんとマスターするには時間がかかります。そこで、ツールを選ぶ際には、使い方を詳しく学べるガイド記事とわかりやすい動画が用意されているものを選びましょう。
もちろん、私たちのおすすめは Asana です。 Asana は組織全体にわたって計画、プロジェクト、プロセスを調整できるように設計されたワークマネジメントツールです。プロジェクトマネジメントでは個々のプロジェクトを明確に整理しますが、ワークマネジメントは、プロジェクト、イニシアチブ、チームを横断するプロセスの調整に最適です。ワークマネジメントツールを使えば、全員が自分にとって最重要の仕事を果たすために必要な情報を把握できます。
記事: ワークマネジメントとプロジェクトマネジメントの違いとは?プロジェクトマネジメントの経験がある方は、チームの誰が何をしているのかを明確に把握するのがいかに難しいかご存知でしょう。それを解決するのがワークロード管理です。これによって、チームの余力を測定し、作業量を適正に保ちます。チームとマネージャーの双方向のプロセスで、有能なプロジェクトマネージャーはチームのワークロードを継続的にモニタリングして、燃え尽き症候群 (バーンアウト) を防止します。
ワークロード管理ソフトウェアの使用は 2 つのステップで構成されています。まず、チームのキャパシティと現在の仕事量を把握すること。次に、各人の仕事量に基づいて人員配置を行うか、必要に応じて仕事量のバランスを調整します。
プロジェクトポートフォリオ管理を行うと、複数のプロジェクトを横断して、チームの業務を俯瞰できます。プロジェクトポートフォリオ管理ツールを使用すれば、チームの仕事すべてをリアルタイムで総合的に確認できるので、戦略をアクションに結びつけやすくなります。
ここで挙げた 25 ものスキルすべてをマスターする必要はありません。アジャイルのように、一部のチームだけに有効なものもありますし、整理整頓のようなスキルは、Asana のような便利なツールを使えば、ほとんど負担なく身につきます。
プロジェクトマネジメントスキルを育てるには練習が必要です。プロジェクトのたびに、たとえば「かんばん」のような視覚的なプロジェクト管理のスタイルを試す、初めてのプロジェクト計画を立てる、時間管理をマスターするなど、1 つか 2 つのスキルに絞って、課題にしましょう。
プロジェクトマネージャーとしてスキルをさらにアップしたいなら、書籍を参考にしたり、講座に参加したりしましょう。プロジェクトマネジメントに関する書籍として有名なのは Project Management Institute (PMI) の『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK® ガイド)』です。リスクマネジメントなどの知識エリアを網羅し、プロジェクトマネジメントに関して初めて出版されたガイドブックなので、一読することをおすすめします。
一方、PMI はプロジェクトマネジメントのハードスキルやソフトスキルを学べる講座も開催しています。コースや学習イベントなどを受講できるので、検討してみましょう。
また、プロジェクト管理ツールを選択したら、プロジェクトマネジメントのテクニカルスキルを学ぶために、ツールに関連したクラスを受講しましょう。Asana では、Asana アカデミーと How to Asana シリーズをご用意しているので、新しいプロジェクトマネージャーの皆さんは、ソフトスキル、ハードスキル、テクニカルスキルをオンラインで学んでいただけます。
プロジェクトを運営するプロジェクトマネージャー。必要なスキルや取得のための方法などをご紹介しました。あなたはもうすでにプロジェクトマネジメントのスキルをいくつもお持ちのことでしょう。優れたプロジェクト管理ツールを用いて、そのスキルを最大限発揮しましょう。プロジェクトマネジメントをする上で何よりも大切なのは、ビジョンを持ち、チームの声に耳を傾け、チームメンバーとコラボレーションすることです。それさえできれば、後はきっとうまくいくはずです。
起こりうるリスクを事前に想定して、その影響をできるだけ抑えるための対策を考えておく「リスクヘッジ」に関しては『リスクヘッジとは?意味、進め方、スキル向上のポイントを解説』をご覧ください。