この記事は、プロジェクト管理のメリットをわかりやすくまとめ、今後のプロジェクト管理に役立つ基礎知識を解説します。プロジェクト管理の必要性とその効果、今後のプロジェクト管理を効率化するためのヒントを確認しましょう。
更新: この記事はプロジェクト管理のメリットに関するさらに詳しい記述を含め、2024年 8月に改訂されました。
すべての会社やチームに確固としたプロジェクト管理プロセスがあるとは限りません。大企業でもベンチャー企業でも、事業の大小にかかわらず「プロジェクト管理」がまだ優先事項とみなされていないチームは存在します。そういったチームに所属していれば、仕事を適切に管理し、プロジェクトメンバーとコラボレーションすることが日増しに難しくなる状況も経験されているかもしれません。「プロジェクト管理がもしかしたら必要なのかも」と思いつつも、「うちは専任のプロジェクトマネージャーがいるわけではないし…」とあきらめていませんか?
あきらめる必要はありません。プロジェクト管理スキルは、あらゆるチームが効率的にプロジェクトを完了させるために役立つスキルであり、仕事を計画し、管理し、実行する方法を見いだすことは、どのチームや会社にも関連する要素だと考えましょう。従来のプロジェクト管理システムに完全に従う必要はありません。基礎を実践することで、チーム全体がプロジェクト管理のメリットを受けることができるようになります。
「もっと効率よくプロジェクトを進めたい」「無駄な作業をしている気がする」「チームメンバーの足並みが揃わない」
そう考えているなら、クラウド型ワークマネジメントプラットフォーム Asana のプロジェクト管理機能がおすすめです。Asana なら、スケジュール管理やタスク管理も効率的に行い、仕事全体の生産性を向上できます。
仕事を最大限効率化し、チームの生産性を上げるためには、Asana のプロジェクトマネジメント機能をお試しください。日々の業務と目標をつなげ、「誰が・何を・いつまでに行うのか」を可視化します。
プロジェクト管理 (プロジェクトマネジメント) とは、プロジェクト内の仕事を整理、追跡、実行しやすくするための手段です。ここで言う「プロジェクト」とは、特定の目標を達成するための一連のタスクだと考えてください。プロジェクト管理により、仕事を計画、管理、実行しやすくなり、顧客の要件を期限内に満たせます。
プロジェクト管理ツールを活用すれば、仕事のすべての詳細を 1 つの場所で管理し、フィードバックと進捗状況などの情報共有も効率的に行えるようになります。そうすることで、より効果的にコラボレーションができるようになるのです。
記事: チームに適したプロジェクト管理ソフトウェアを選ぶ方法仕事管理に Excel やスプレッドシート、メール、チャットツールなど複数のツールを使い分けて複雑化する代わりに、プロジェクト管理ツールを使用することで、次のような効果があります。
複数部門による作業をコーディネートする
プロジェクトの計画、詳細、ファイル、フィードバックを一元管理する
ステータス更新をすべての関係者と共有する
チームのコラボレーションを向上させる
プロジェクト管理は 1900年代初頭、複数の工学分野が合流した結果生まれましたが、現代のプロジェクト管理を特徴付けるツールと技術が現れ始めたのは、1950年代に入ってからです。その時点で、プロジェクト管理は独特の手法として認識され始め、特に工学プロジェクトにおいて頻繁に活用されました。1969年にはプロジェクトマネジメント協会 (PMI) が正式に設立され、その後数十年にわたり、プロジェクト管理の定義と強化において大きな役割を果たしました。PMI は、プロジェクトマネージャーの認定制度を設けたほか、1996年には史上初の「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (英語: A Guide to the Project Management Body of Knowledge)」(PMBOK) を出版し、現在も定期的に改訂し続けています。
従来、プロジェクトマネージャーは、その仕事を専門とするメンバーでした。多くの場合、プロジェクト管理の手法やツールに関する研修を受け、PMI のような組織の認定取得者も少なくありませんでした。プロジェクト管理ツールは設定や使用が難しく、特別な知識が必要なことが多かったため、プロジェクト管理プロセスの実行にはプロジェクトマネージャーが必要とされたのです。
しかし、現代のプロジェクト管理は一変しました。複雑な資格認定やわかりにくい専門用語は廃れ、今では誰もがプロジェクトマネージャーになることができます。たとえば Asana では、プロジェクトの種類にかかわらず、プロジェクトを管理する人がプロジェクトマネージャーだと考えます。プロジェクト管理があらゆる人に開かれた柔軟なプロセスになったのは、主として、改良を重ねて進化した現代のプロジェクト管理ソフトウェアに負うものです。古めかしく使いにくいツールに代わり、柔軟かつ視覚的で、ユーザーの使いやすさを重視したツールによって新しいプロジェクト管理が登場したのです。
記事: プロジェクト管理ツールの選び方: おすすめ 11 選 (最新版)一般的にプロジェクト管理プロセスには、以下の 5 つの主要なプロジェクトフェーズがあります。
立ち上げ: プロジェクトの開始フェーズでは、プロジェクトチームを招集し、プロジェクトスコープを設定します。複雑なプロジェクトや大規模なプロジェクトでは、プロジェクトロードマップを作成する必要もあるかもしれません。
計画: プロジェクト計画では、プロジェクトの要件をまとめ、「プロジェクト成功」とは何を指すのか、その内容を定義します。この段階では、プロジェクト計画の作成、主要なマイルストーンの決定、プロジェクトの費用とタイムラインについての認識共有を行います。
実行: プロジェクトの大半は実行フェーズが占めます。このフェーズでは、プロジェクトチームが成果物の完成を目指して作業します。実行フェーズでは、チームが足並みを揃え、無理のない仕事量で計画どおりにプロジェクトを進められるよう、仕事量の管理と時間の管理、タスクの管理が必要になります。
追跡・調整: レポートの作成は、実行フェーズの進行中と終了後に必要です。プロジェクトの進行中は、レポートを活用してプロジェクトの軌道修正、コラボレーション、複数部門による作業の確認を行います。
終結: プロジェクトが終了したら、プロジェクトの関係者とプロジェクトの振り返りを行い、そのプロジェクトでの学びを確認します。この作業は、チームに応じて、プロジェクトの振り返り (レトロスペクティブ) やポストモーテム、あるいはプロジェクト反省会といった形で行います。将来のプロジェクトに生かすべき改善点について、関係者とアイデアを交換することは非常に重要です。
普段からアジャイルプロジェクトを実施していますか?それなら、Asana で最大限効率化させましょう。プロセスとスプリントプランをシンプルにし、チーム内のコミュニケーションも効果的に行えるようになります。
Asana のプロジェクトマネジメント機能を試すここからは、具体的なプロジェクト管理のメリットと、それらのアイデアをチームの仕事の取り組み方に取り入れるためのヒントをご紹介します。プロジェクト管理の手法を取り入れるのに、特別な学位や認定書のコースを取る必要はありません。プロジェクト管理のメリットを明確に理解し、実行に移しましょう。
計画なしにプロジェクトを開始すると、プロジェクトの序盤から面倒なことになります。プロジェクトの進行中に重要な手順を踏み忘れたり、最後になって忘れていたタスクを急いで完了させようとしたり、「期日はいつ?次は何をすればいいんだっけ?」など、仕事の流れについての同じ質問に何度も答えるはめになる場合があったりと、例を挙げるときりがありません。そのうえプロジェクトを急いで完了させようとして、仕事の質が損なわれる可能性まで出てきます。
仕事を進めながら計画するのではなく、プロジェクトを開始する前に、必要な仕事とタスクの担当者、成果物、そして期日を、すべて綿密に計画しましょう。次に、タイムラインまたは分類別のリストで、プロジェクトの To-Do を視覚化し、誰が何をいつまでに行うかを明確に示します。
たとえば、イベントを計画する場合、メインイベントが開催されるまでのそれぞれのステップ、各ステップの担当者、いつまでに完了する必要があるかを前もってリストアップします。次に、共有のプロジェクトカレンダーを使って予定表を作成します。これにより、イベント直前に急いで招待を送ったり、2 人のチームメイトが別々のケータリングサービスに注文したりするような状況を避けることができます。
記事: より効果的なプロジェクト計画をわずか 7 つのステップで作成プロジェクトに関するすべての To-Do を明確に見える化し、期日、タスクの責任者、その他の必要な詳細を追加することで、乱雑で無駄が多くなりがちな実行プロセスを効率的なものに変えることができます。仕事の範囲やタイミングを明確に把握し、仕事を始める前から潜在的な問題を見つけることができます。事前の少しの考慮と計画で、誰もが望む時間やリソースの節約が実現するのです。
【タスクを整理して仕事を効率化】オンライン To-Do リストとはプロジェクトを始める前に必要な仕事をすべてリストアップします。 次に期日、タスク担当者、ステータス、関連ファイルへのリンクなどの詳細を追加します。チームにとって新しい種類のプロジェクトに取り組む場合、予期せぬ追加のステップや問題のために予備の時間を設けましょう。
共有可能な計画を使ってすべてを整理します。 簡単なリストやカレンダーを使用する場合でも、より視覚的なタイムラインやかんばんボードを使用する場合でも、誰がいつまでにどんな仕事を行うかをチーム全員が確認しやすくするために、計画を整理しましょう。次に、全員の足並みを揃えるために、その計画を関係者の間で回覧します。
繰り返し発生するプロジェクトをテンプレートに変換します。プロジェクトが何度も繰り返し行うものなら、次回の計画段階で時間を節約するためにテンプレートを作成して繰り返し使用します。
プロジェクト管理の準備作業が完了したら、実際の管理の段階に入ります。しかし、チームをゴールラインに導くプロジェクトオーナーが誰なのかが明確でない場合、チームメンバーの間でタスクの対応漏れが発生したり、誰かが詳細を見逃したり、質問があっても誰に聞いたらよいのかわからず疑問を抱え込んだりといったトラブルが、驚くほど起こりやすくなります。
記事: チームの仕事量を管理するための効果的な方法正式なプロジェクト管理組織がある会社にはプロジェクトを計画どおりに進める管理者 (プロジェクトマネージャー) がいますが、正式なプロジェクト管理方法が採用されていない場合は、プロジェクトを先導したり開始するメンバーが責任者となることがよくあります。たとえば、あなたが新しいシリーズの記事を発行する編集者か、ウェブサイトの移行を指揮するデベロッパーか、クライアントのレポートシステムを更新するアカウントマネージャーだとすると、ほぼ間違いなく、あなたがプロジェクトを進めるための調整役となるでしょう。
幸いにも、少しのコミュニケーションとコラボレーションさえ行えば、今までとまったく違う仕事のやり方を取らなくても、効率的にプロジェクトを管理できます。自分はプロジェクトの代表者だということをチームメイトに明確に伝えることで、関係者は質問や更新情報を誰に尋ねればいいかを知ることができます。また、プロジェクトに参加する全員の役割を明らかにすることで、チームメイトが自分に期待されることがわからないという混乱をなくすことができます。
それぞれの役割を明確化します。プロジェクトの計画段階でも、着手段階でも、プロジェクトリーダーや、他の関係者の責任は何かを明確に伝えましょう。
タスク責任者の進捗を確認し、質問に答えましょう。明確な計画が作成されたため、関係者はすでに自分の責任範囲を理解しています。そこで次は、各タスクオーナーの仕事の進捗を確認し、障害を取り除いて仕事を順調に進めるために必要なサポートを提供します。
定期的にステータス更新を共有します。プロジェクト進捗についての更新情報をチームと共有し、勢いをキープしましょう。全員に最新情報を伝えることで、ステータス更新についての質問を削減するだけでなく、関係者を励ましやる気を持たせるのにも役立ちます。
チームメンバーがプロジェクトの目標を把握していないプロジェクトは、成功しているとは言えません。明確な目標がないと、チームは内発的な動機付けが持てないだけでなく、間違った方向へ進んでしまったり、重要度の低い仕事に労力を費やしたりといったリスクも生じます。
プロジェクトの目標は前もって定義しておくことで、プロジェクトに参加するメンバー全員が目標に向かって足並みを揃え、その達成に必要な各ステップを最適化できます。たとえば、新製品を発表するためのプロジェクトで、「アップグレードを 20% 増加させる」という目標を設定するとしましょう。そうすると、この目標はプロジェクト進行中のリリースについての意思決定に影響を及ぼし、リリース後の成功を評価する測定基準にもなります。
プロジェクトチームの各メンバーにもメリットがあります。解決しようとする問題についてしっかりと熟考してから、チームに「北極星」となるゴールを与えてメンバーの足並みを揃えることで、目標に向かって効果的なタスクに集中することができ、方向性を見失って不必要な仕事に気を取られることがなくなります。
プロジェクトを開始する理由を検討します。なぜこの仕事を行う必要があるのか?誰に影響を及ぼすか?プロジェクトは組織の全体的な目標においてどのような役割を担うか?他のチームメイトがすでに取り組んでいる可能性のある仕事に適合するか?このイニシアチブからどのような結果が生まれると思うか?などと問いかけてください。
すべての関係者と目標を共有します。プロジェクトを計画する前に、そのプロジェクトに関わるべき人全員と目標を共有してください。チームの仕事の仕方によって、キックオフミーティングを行う、文書を配布する、プロジェクト管理ツールを使うなど、どのような方法で共有してもよいですが、イニシアチブの目標 (および目標から除外すること) を全員が理解できるようにします。
目標のモニタリングと報告のプロセスを設定します。設定したままほったらかしにはせず、目標を定期的に確認し報告するための計画を必ず作成してください。そうすれば、目標が達成できないリスクが発生したときには簡単にそれがわかり、目標を達成するために計画を調整できます。
プロジェクト「管理」という言葉が使われていますが、管理はプロセスの一部分にすぎません。プロジェクトを始める前に、チーム内でコミュニケーション計画を一致させる必要があります。チーム内でやり取りをする場合、メールツール、インスタントメッセージングツール、プロジェクト管理ツールなど、複数のコミュニケーションツールを使用しているのではないでしょうか。コミュニケーション計画では、各ツールをいつ使用するのかを決定します。
たとえば、Asana では、社外とのやりとりにはメール、社内で送信する簡単なメッセージには Slack、そしてすべての実行可能な仕事の管理には Asana を使用しています。
一般的な従業員は 1 日に 10 個のツールを使い分けています。いつどのツールを使用するのかという計画が確立されていないと、これらのツールを切り替える際に混乱が生じたり、その作業に参ってしまうこともあります。コミュニケーション計画があると、決断疲れが減り、チームメンバー全員が共通認識を持つことができます。
「仕事の解剖学」インデックス 2023 をダウンロードコミュニケーションのルールを確立する。最も基本的なルールとして、コミュニケーション計画はチーム間のコミュニケーションに使用するツールとその頻度を定義する必要があります。
フィードバックを共有する機会を設ける。コミュニケーション計画はチームメンバー全員が納得できるものでなければいけないので、すべての関係者がそれを理解しているようにしてください。関係者全員がこれならよいと感じるコミュニケーション計画が見つかるまでは、フィードバックを共有したり、ワークショップを開いたりする機会を設けてください。
プロジェクトの関係者と役割を明確化する。関係者への情報提供はどのタイミングで行うべきか?何かを開始する前に、いつもそれを知らせる必要があるプロジェクトの承認者はいるのか?プロジェクトの関係者とそれぞれの役割をコミュニケーション計画に盛り込んでおきましょう。
ステータス更新の頻度とスタイルを一致させる。 プロジェクトの進捗状況を共有する方法は、コミュニケーション計画の最も重要な要素の 1 つです。すべての実行可能な仕事をプロジェクト管理ツールに保管し、ステータス更新を簡単に作成、共有できるようにすることが理想的です。
プロジェクト管理のメリットを最大化するために、プロジェクト管理ツールを使用することを考慮に入れましょう。チームに合ったツールを選べば、プロジェクト管理がさらに効率的に行えるようになります。
何十ものツールが存在することは確かですが、従来のプロジェクト管理ツールは、昔ながらのプロセス向けに構築されており、設定やオンボーディングに時間がかかるので避けた方がよいでしょう。その代わりに、導入が簡単で、柔軟性があり、カスタマイズできるツールを探しましょう。その際、「実際に仕事をし、管理する場所」と「チームメイトとコミュニケーションを取る場所」が同じなら、なおよいでしょう (メールやスプレッドシートではこれらを実行するのが困難です)。
記事: チームの仕事の効率を向上させる 9 つの方法Asana はその条件を満たしているワークマネジメントプラットフォームです。導入が簡単でチームを成功に導く機能を備えたツールを活用し、プロジェクト管理をすぐに始めたいという会社に最高のオプションです。
Asana の活用方法を見る一元管理のツールで全員をオンボーディングします。すべてのチームやチームメンバーが異なるツールを使用してプロジェクトを管理する状況に OK を出すのではなく、全員で 1 つのツールを決めて、それを使用しましょう。そうすれば、コラボレーションがしやすくなり、重要な情報がどこに保存されているかについて混乱することが減ります。
ツールの使い方に対してルールを設定します。チームが新しいツールを正しく使用していると自信を持てるように、簡単なガイドラインをいくつか用意しましょう。たとえば、「タスクには必ず期日を設定する」や、「マーケティング関連のすべてのプロジェクトのタイトルに『マーケテイング』という単語を含める」「何らかの行動を求めるリクエストがあれば、メールを送るのではなく、プロジェクト管理ツールでタスクを作成する」などのルールを設定します。
ステータス更新やレポートを共有します。チームがツールの価値を実感できる最速の方法は、チームにプロジェクトステータスと進捗の可視性を高めることです。新しいツールでステータス更新を共有し、プロジェクトの進捗を表示することで、チームメイトが仕事がどの状況にあるかを把握しやすくなり、自分の仕事にもそのツールを使用してみよう、と普及を促進する効果もあります。
自分の組織のニーズに対応するツール選びには、『プロジェクト管理ツールの選び方: おすすめ 11 選 (最新版)』の記事を参考にしてみてください。
プロジェクト管理が発祥した時代には、「プロジェクト管理プロフェッショナル」と見なされるために、厳しい研修や認定が必要でした。しかし、その状況は変わり、現在のビジネスシーンでは、誰もがプロジェクトマネージャーになることができます。この変化の主な理由は、現在のチームにおける役割の民主化と拡大です。当初は、プロジェクトを「率いる」プロジェクトマネージャーが必要でしたが、自らのプロジェクトを率いるチームリーダーが増えることに伴い、プロジェクト管理は職業からスキルへと変容を遂げました。
Asana のような現代のプロジェクト管理ツールは、この推移を考慮した上で設計されています。「誰もがプロジェクトマネージャーになれる」というのが Asana の理念です。Asana は直感的で使いやすいツールなので、導入に時間はかかりません。ユーザーに負担を強いるツールではなく、ユーザー本位に設計されたツールを選ぶようにしましょう。
記事: ワークマネジメントとプロジェクトマネジメントの違いとは?プロジェクトマネージャーにとって、「プロジェクト管理ツール」と「ワークマネジメントツール」はプロジェクトマネジメントを行う際に大きな助けとなるツールです。両者について、詳しく見てみましょう。
プロジェクト管理ツールを使えば、視覚的な方法で情報を明確化し、チームと連携することができます。
自分のチームが現在どのような方法で仕事を管理しているか、考えてみてください。プロジェクト管理ツールを共有していない場合、チームのプロジェクト、タスク、ファイル、コミュニケーションがおそらく複数のツールの間に散らばっているかと思います。その状態が続くと、チームの可視性が衰え、足並みが揃わなくなります。信頼できる唯一の情報源がない場合、チームメンバーは自身が優先すべき作業が何かわかりにくくなるので、その答えを探すために、多くの時間を費やしてしまうのです。現に、「仕事の解剖学」インデックスによれば、私たちの時間の 60% は、スキルを要する仕事や戦略的な仕事ではなく、たとえば、文書を探したり、承認者を追いかけたり、ミーティングに参加したりといった「仕事のための仕事」に毎日費やされています。
オンラインのプロジェクト管理ツールを使えば、優先順位を伝え、誰が何をいつまでに行うか全員の認識を一致させるために最適な方法が得られます。あらゆるチームに明確性を実現する手段を与えるために、プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの仕事をリアルタイムで見える化するいくつかの方法をユーザーに提供します。その中で最も人気が高いタイプを以下に紹介します。
かんばんボードは、プロジェクトの進捗状況を示すための視覚的な方法です。かんばんボードでは、タスクの進捗が垂直方向の列で表され、個々のタスクが完了するまで各段階を通じて移動します。典型的なかんばんボードには、たとえば新規、進行中、完了を示す列があります。
ガントチャートとは、プロジェクトのタイムラインを視覚化するために使用される水平方向の棒グラフです。ガントチャートでは、タスクが水平方向の棒で示され、タスクの所要期間が棒の長さで示されます。
プロジェクトのタイムラインを Asana で設定するプロジェクトカレンダーを使えば、タスクがイメージとして目の前に現れたかのように、来週または来月のタスクを明確に視覚化できます。プロジェクトカレンダーは、たとえばエディトリアルカレンダーや SNS コンテンツカレンダーのように、それぞれ別個の期日を持つタスクがたくさんあるプロジェクト用に人気が高いビューです。
Asana を使ってチームカレンダーを可視化するスプレッドシート式のビューでは、誰が何をいつまでに行う必要があるかが一目で明確にわかります。このタイプの視覚的なプロジェクト管理においては、直線的なグリッド式のビューで、プロジェクトのワークフローをわかりやすく表示できます。
Asana で To-Do リストを構築するプロジェクト管理はワークマネジメントの一部です。プロジェクト管理では、プロジェクトを整理、計画、納入するための効果的なツールが提供されます。一方、ワークマネジメントを使用すれば、単一のプロジェクトにおけるプロセスを管理できるだけでなく、複数のプロジェクトやイニシアチブがどのようにつながり合っているのかについても、包括的に可視化できます。
上記で紹介したプロジェクト管理用の一般的なビューに加え、それを実現する主要なワークマネジメントツールが以下のとおり 2 つあります。
プロジェクトポートフォリオ管理は、1 つの場所ですべてのイニシアチブをモニタリングするための秘訣です。ポートフォリオは、すべての作業を捉える鳥瞰図を提供するため、すべてのプロジェクトを通じてチームの足並みを揃えることができます。ポートフォリオを使用すれば、日々の業務を経営戦略と連携させることができます。
ポートフォリオを使って仕事を整理ワークロード管理を使えば、チームの仕事とキャパシティについて明確なイメージが得られ、誰もバーンアウトしたり退屈を感じたりすることがないよう管理できます。それにより、働きすぎのリスクを未然に捉え、必要に応じてタスクを調整できます。
Asana でチームの仕事量を管理するプロジェクト管理には、専門用語や特有の言い回しがたくさんありますが、実際は見た目ほど複雑ではありません。プロジェクト管理が初めての方、あるいは「アジャイル手法」や「プロジェクトのスコープ (範囲)」といった言葉を理解したい方向けに、ここからはプロジェクト管理の種類と基本的要素について解説します。
プロジェクト管理とは、プロジェクトの要件を期限内に満たすために実行される仕事を追跡するための手段です。手段といってもその内容は一様ではなく多岐にわたり、そういった意味でプロジェクト管理とは広範なカテゴリであり、以下のような種類、手法、アプローチが存在します。
アジャイルとは製品開発、エンジニアリング、ソフトウェア開発の分野でよく使われるリーンなプロジェクト管理です。アジャイルでは、チームが共通の理念として、継続的改善、変化に対する柔軟な対応、改善サイクルのプロセス、段階的な進化に取り組みます。特に広く普及しているアジャイルの枠組みにはスクラムやかんばんがあります。
この電子書籍では、組織はどのようにアジャイルを導入すれば機敏性の高い効果的な職場を作れるのかなど、アジャイルについて深く掘り下げています。
ウォーターフォールモデルでは、滝の水が流れ落ちるように、タスクが上流工程から下流工程まで直線的なアプローチで進められます。タスクを 1 つ完了したら、次を仕上げる、といった具合です。このモデルは、要求、分析、設計、コーディング、テスト、運用の 6 段階から成ります。ウォーターフォール手法は、他のプロジェクト管理手法と比べ、状況の変化に対し柔軟性がないことが多いため、成果物と範囲が固定されているプロジェクトに最適だと言われます。
「PRINCE2」は、「PRojects IN Controlled Environments」(管理環境におけるプロジェクト) の略称です。PRINCE2 プロジェクト管理手法におけるプロジェクトは、プロジェクト開始、プロジェクト起動、工程間境界管理、工程制御、製品納入管理、プロジェクト終了の 7 つのプロセスから成ります。
クリティカルパス法 (CPM) とプログラム評価およびレビューテクニック (PERT) は、1950年代に開発された初期のプロジェクト管理手法です。CPM は、期間が定められ、互いに依存関係にある複雑なタスクを連結し、すべての工程の所要時間が最長となる経路、すなわち「クリティカルパス」を特定するアルゴリズムです。一方、PERT は、タイムラインと期間が不明な場合にもクリティカルパスを特定できます。PERT では、プロジェクト全体を完了する最短の所要時間を判断するために、クリティカルパスに限らず、完了を要するタスクをすべて特定します。
業務効率化を進めるなら、テンプレートを活用してくり返し作業を減らすようにしましょう。クリティカルパスを使って効果的なタイムラインを作るなら、クリティカルパステンプレートをご利用ください。
クリティカルパス法テンプレートを作成プロジェクト管理における要素を 1 か所にすべて網羅した正式なリストは存在しません。それはプロジェクト管理にはさまざまな種類があり、そのそれぞれが異なった要素、プロセス、形式から成るためです。しかし一般的には、どのプロジェクト管理手法やツールにも共通して以下の要素が含まれます。
すべてのプロジェクトには、定義された目標または目的が必要です。プロジェクト目標を描きだす際には、プロジェクトの成功を正確に計測できるよう、SMART な目標フレームワークを使って明確な指標と評価基準を設けるようにしましょう。
記事: 効果的なプロジェクト目標の書き方 (実例付)プロジェクト計画はプロジェクトの青写真としての役割を果たします。つまり、プロジェクトの目標を実現する上でチームが達成する必要のある主要な要素を示します。
記事: より効果的なプロジェクト計画をわずか 7 つのステップで作成ほとんどのプロジェクトにおいては、プロジェクト期間中に達成できることを制限し、定義する予算があります。
プロジェクトのリスクとは、予算や期日の超過など、プロジェクトにおいて発生しうるあらゆる問題を指します。プロジェクトリスク管理とは、こうした問題を最大限回避するため、プロジェクト開始前にリスクを特定する作業です。この作業には、リスク登録簿の作成も含まれます。
プロジェクト計画の過程では、プロジェクトの規模、制約条件、予算、目標を含むプロジェクトスコープ (範囲) も定義されます。プロジェクトの成果物や仕事がスコープを少しずつ超えて行き、プロジェクトの範囲がいつのまにか広がってしまうスコープクリープは、プロジェクトスコープを認識することで回避できます。
リソース管理計画とは、人員の余力、技術的なツール、予算などを含むチームのリソースをどのように割り当てるかを定める計画です。プロジェクト用のリソース管理計画を作成すれば、リソースの最適な管理と計画により、チームのリソースを最大限活用できます。
記事: リソース平準化とは? (テクニックと実践例)プロジェクト関係者とは、部門横断チームのメンバーから経営陣まで、プロジェクトに関与するすべての人を指します。
ほとんどのプロジェクトには、仕事が始動する開始日と仕事が完了する終了日を含むタイムラインがあります。
記事: 7 つの簡単なステップでプロジェクトタイムラインを作成する方法成果物とは、プロジェクトタイムラインの最後までに仕上がるアセット、ファイル、または製品を指します。成果物の例には、ブランドのキャンペーン広告から、製品発売でリリースされる新機能などがあります。
マイルストーンとは、仕事が完了したことや、新規の仕事が始動したことを示すチェックポイントです。製品や結果を指す成果物とは異なり、マイルストーンはある一時点を指します。
記事: プロジェクトのマイルストーンを設定し、達成し、祝う方法プロジェクトには、あるタスクが完了するまで別のタスクを開始できないという、タスク間の依存関係が存在する場合があります。依存関係が多いプロジェクトにおいては、タイムライン上で仕事を視覚化できるよう、ガントチャートを使うとよいかもしれません。
プロジェクト管理の過程では、プロジェクト関係者に進捗レポートやステータス更新を送る必要があります。効果的なレポート活用により、部門を超えた可視性やコラボレーションを促進できます。
記事: 効果的なプロジェクトステータスレポートの書き方200 以上のアプリと連携して仕事を一元化しデータを集約できる Asana では、進捗管理を効率的に実行できます。進捗レポートや日報も時短で作成できるので、時間の有効活用が可能に。まずは 30 日間無料で Asana の機能を試して、その有用性を実感してください。
無料トライアルを試してみるプロジェクト管理のメリットを中心に、今後のプロジェクト管理効率化に役立つ知識をご紹介しました。プロジェクトマネジメントの必要性は、昨今ますます注目されており、限られた勤務時間を有効に使うための手段として欠かすことができません。
会社や業界に関わらず、どのようなチームでも、プロジェクト管理とワークマネジメントの基礎を導入すれば、効果が実感できます。仕事を計画、管理、報告する方法に対し、まずは少数の簡単な変更を加えてみてください。チームの効率性と仕事の管理能力が高まり、一番優先度が高いことに対処できている自信を感じられるはずです。
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