企業の価値観 (バリュー) とは、チームがどのように協力し合い、お互いに関わっていくかを示す基本的な理念のことです。強い企業の価値観は、その組織の特性に合わせて作られたものであり、多くの場合、チームメンバーの意見が反映されます。企業の価値観を生み出すための 5 つのヒントと、Asana での企業の価値観の設定方法を含む 15 の事例をご紹介します。
最高の会社を作りたいのであれば、優れた企業の価値観を醸成することが最も効果的な方法の一つです。
企業の価値観とは、単にあるといいものではなく、実際に変化を促し、定着率を高め、生産性を向上させるものです。しかし、その浸透過程には時間とエネルギーがかかります。まず、企業の価値観が重要な理由、そしてどのようにして企業の価値観を構築するのかについてご説明します。
仕事を最大限効率化し、チームの生産性を上げるためには、Asana のプロジェクトマネジメント機能をお試しください。日々の業務と目標をつなげ、「誰が・何を・いつまでに行うのか」を可視化します。
企業の価値観とは、会社がどのように仕事に取り組み、人と人とのコラボレーション関係を構築し、従業員の健康維持を実現するかを定義する基本原則です。会社のコアバリューは、組織内でどのようにコラボレーションし、仕事に責任を持つかを方向付けるものです。正しく設定すれば、これらの理念は、従業員が組織で働く際に役に立つ指針の役割を果たします。
企業の価値観を決めることで、社員の定着率や満足度を高めることができます。企業の価値観は、目的を生み出し、従業員が感謝されていることを実感し、チームがお互いにどのように接し、どのように接してほしいのかについて、明確な指針を与えます。効果的なビジョンステートメントがチームが協力して目指せる明るい北極星であるように、強力な企業の価値観は、チームがどのようにお互いに関わり合い、組織とやり取りするかについて、認識を合わせることができます。
企業の価値観とは、会社概要ページに記載されている聞こえのいい、ただのバズワードではありません。明確な企業の価値観を設定し、実行することには大きなメリットがあります。最近の調査によると、プロフェッショナルの 71% が、自分が信じるミッションと共通の価値観を持つ企業で働くためには、給料を減らしても構わないと答えています。
強い企業の価値観:
健全な企業文化を醸成する
部門間コラボレーションの基準を確立する
チームの賛同を得やすくなる
定着率と従業員のエンゲージメントを高める
チームメンバーに目的と目標を共有させる
意思決定力を高める
チームワーク能力を向上する
Asana では、企業文化を効果的に構築するには、時間、努力、投資が必要であることを認識し、製品へのアプローチと同様に企業文化にもアプローチしています。製品と同じように、企業の価値観も一度限りで完成するものではありません。Asana では、チームにとって最も適切なものとなるように、企業の価値観をどのように更新し、反復するかを常に考えています。企業の価値観は健全な企業文化を醸成する上で非常に重要なものですが、それは単にモチベーションを高めるポスターに載せて、終わりにするような言葉や内容ではありません。
強い企業の価値観を生み出すためには、チームメンバーの賛同が必要です。そのため、数年前に Asana で企業の価値観を刷新した際には、経営陣が主導するのではなく、個々のチームメンバーたちが中心となって、自分たちにとって重要な価値観の統一に取り組みました。その結果、以下の 9 つの価値観にたどり着きました。
ミッション Asana の社員は目的に突き動かされ、自分を超越する存在に尽くすことに専念しています。ミッションを私たちの価値観として具体化することで、私たちは常に信念を持って Asana の開発を継続できます。
素晴らしい仕事をすばやく成し遂げる: 私たちは最高の仕事を行い、かつそれを迅速に行います。どちらかが欠けることはありません。
明瞭さ: Asana の製品や文化は、誰が、何を、いつまでに、なぜ、担当するかをチームが把握できるようにすることを目指しています。それが最高の仕事体験と成果につながります。
共創: 偉業はたいてい 1 人ではなく大勢により成し遂げられるものです。私たちはベストを尽くし、エゴを捨て、お互いに共感と信頼を持って素晴らしい仕事を成し遂げます。
責任を負い、与える: 自分の責任に誠実でいることとは、胸が弾むような機会をつかむことでもあり、何かの優先度を下げなければならない場合にはその責任に基づいて決定するということでもあります。私たちは自分の責任が自分自身のものであることを完全に自覚し、同僚が責任を遂行する場合も彼らを信頼して権限を与えます。
マインドフルネス: 私たちは現在に焦点を置き、自分が学んだことを熟考して自分のものとするための時間と場所を確保します。これを実践することで、私たち全員が行うことすべてから学びを得て、自らの行動を改善し、Asana の企業文化を継続して発展させていくことができます。
見せかけのトレードオフに惑わされない: 私たちは好奇心を持ち、クリエイティブであり続け、新しい視点を進んで取り入れます。両極端のどちらかを選ぶと、どちらかの利点が失われてしまいます。両者の要素を統合する第 3 の方法を探すことに全力を尽くします。
自分にも他人にも誠実でいる: 最高の仕事とは偽りのない仕事であり、それが成長とチームワークを可能にすることを私たちは理解しています。私たちは自分らしく仕事に打ち込み、あらゆる人が安心して、ありのままの自分でいられるインクルーシブな仕事環境を構築することに取り組んでいます。
心のこもった態度: 私たちは、人間らしさや、遊び心をもって楽しむこと、素敵な時間を過ごすことを目的に意義のある体験を作り上げることを大切にしています。タスクの完了をマークしたら、ユニコーンが飛ぶのはなぜかって?だって、ユニコーンが飛んでもいいでしょう?
企業の価値観を定義、または更新しようと考えている方に、成功する価値観を策定するために留意すべき 5 つのポイントをご紹介します。
他社の価値観を見ると、それを真似したくなることがあります。しかし、企業の価値観は、その企業独自のものでなければなりません。これは万能な価値観ではなく、自分の組織が大切にしているユニークなことを反映したものでなければなりません。
企業の価値観とは、最終的には従業員に体現してもらいたい基本原則のことです。コアバリューを定義するプロセスでは、チームにとって最も重要な要素を考えます。たとえば、好奇心、誠実さ、信頼感、透明性などが挙げられます。
Asana の価値観のひとつに「共創」がありますが、これには理由があります。会社のコアバリューを見極めるには、みんなで一緒に考えるのが一番だと考えています。会社の価値観を押し付けるのではなく、チームでブレインストーミングを行います。幹部チームで選んだ価値観よりも、チーム全体で共創した価値観の方がより意味のあるものになるでしょう。企業の価値観を作るプロセスにチームを参加させることで、自動的に賛同を得て、チームの士気を高めることができます。
記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響企業の価値観が企業文化に含めるのはよい取り組みです。オリジナリティを加えるのもお忘れなく。そのためには、自分の会社の特徴を把握して、それを価値観として表現する必要があります。
Asana ではそれを実行しています。9 つ目の価値観である「ハーティトゥード (Heartitude)」は、Asana が作った造語です。しかし、この言葉には、「楽しみながら仕事をする」という考え方が反映されています。
ただし、奇抜であることが目的になり、無理に変わったテーマを設定するようになってはいけません。厳格な会社であれば (そして従業員がそのような職場を好んでいるのであれば)、「オリジナリティ」に富んだ価値観を設定することで、チームメンバーが居心地悪く感じてしまうかもしれません。
会社の価値観は、従業員たちがすぐに思い出せるものであることが理想的です。これを可能にするためには、あまり多くの価値観を作ったり、複雑で専門用語を多用したりしないようにしましょう。10 個以下の価値観を目指し、可能な限りシンプルでわかりやすい言葉を使いましょう。
自分の会社の価値観を書き始める前に、世界で最も成功している大企業の価値観を見てみましょう。
ここでは、これらの価値観を「ユニークな企業の価値観」「大胆な会社の価値観」「わかりやすい企業の価値観」の 3 つのサブカテゴリに分けてご紹介します。必ずしもこれらのカテゴリに当てはまる必要はありませんが、自分の会社の価値観を書く前に、どのようなテーマやタイプの価値観を作りたいのかを考えておくとよいでしょう。
ユニークな企業の価値観とは、ある特定の企業にしか通用しない価値のことです。たとえば、ダジャレや内輪ネタ、特定の製品の特徴を表現した価値観などが含まれます。
ミッションを体現する: 私たちはコミュニティと一体となり、誰もがどこにいても居場所のある世界を作ります。
おもてなしの精神を持つ: 私たちは、一緒に仕事をするすべての人に対して、思いやりがあり、オープンで、勇気づける存在になります。
冒険を楽しむ: 私たちの原動力は、好奇心、開放感、そしてすべての人が成長できるという信念です。
シリアルアントレプレナー (Cereal entrepreneur) になる: 大胆な野心を現実のものにするために、決断力と創造力を発揮します。
(Airbnb ではシリアルを連続起業家の「Serial」ではなく食べ物の「Cereal」と表記しています。ユニークな企業文化に沿った価値観ですね!)
メンバー第一
人間関係の重要性
オープンで、正直で、建設的であること
卓越性を高める
知的なリスクを取る
#OneLinkedIn のオーナーのように振る舞う
ダイバーシティ、インクルージョン、ビロンギングを実現する
正しく飛ぶ
フレンドリーな空の旅を提供する
一緒に飛行する
期待以上の空の旅を提供する
自由とオープンソース
すべての人に貢献する
透明性
説明責任能力
スチュワードシップ
力の共有
国際性
言論の自由
独立性
この 2 つ目の価値観で気づくことは、個人的なものであり、会社独自のものであるということです。中には、自分の会社で実践するとなると、賛否両論あるものもあります。しかし、それこそが、それぞれの企業のコアバリューたる理由であり、このリストに掲載した理由なのです。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
遅いより速いほうがいい。
ウェブ上の民主主義は機能する。
情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
悪事を働かなくてもお金は稼げる。
世の中にはまだまだ情報があふれている。
情報のニーズはすべての国境を越える。
スーツがなくても真剣に仕事はできる。
「すばらしい」では足りない。
情熱を育む
インクルージョンを実現する
野心的である
うまくコラボレーションする
質を求める
すべてを尊重する
リスクを取る
変化に対応する
祝う
科学を通して、ワオ!を届ける
変化を受け入れ、推進する
楽しさとちょっとした奇妙さを生み出す
冒険心、創造性、オープンマインドを持つ
成長と学習を追求する
コミュニケーションを通してオープンで正直な関係を築く
ポジティブなチームとファミリースピリットを築く
少ない労力でより多くのことを行う
情熱と決意を持つ
謙虚である
透明性
革新性
よい人材
粘り強さ
老舗企業や伝統的な企業は、わかりやすい企業価値を掲げている傾向があります。これまで見てきたものよりも奇をてらっていない、シンプルな価値観です。それがよいとか悪いとかではなく、その企業の文化を反映した価値観を定義しているだけなのです。
尊敬の念: 私たちは、他人の考えや感情、背景も自分と同じくらい重要であると認識しています。
誠実さ: 私たちは、正直で、倫理的で、信頼に足る人間です。
アカウンタビリティ: 私たちは、自分の判断、行動、結果に全責任を負います。
信頼
カスタマーサクセス
革新性
平等
夢と好奇心
多様性
高潔さと誠実さ
持続可能性
判断
コミュニケーション
好奇心
勇気
情熱
無私無欲
革新性
イノベーション
誠実さ
インパクト
好奇心旺盛
エンパワーメント
インクルージョン
アジャイル
企業の価値観の決定は始まりに過ぎません。企業文化は、組織全体でチームやグループの規範を確立するために必要である継続的な投資です。
さらに詳しく知りたい方は、強い組織文化を築くコツに関する記事をご覧ください。