優れたプランニングによりチームのキャパシティを拡大
人材管理とコーディネーションを改善するために、典型的なキャンペーンのベースライン期間を特定
ステータスミーティングを減らすことにより時間を節約
Wikimedia Foundation は、Wikipedia を運営するパワフルな非営利団体です。Wikimedia Foundation は、世界中の誰もが信頼できる中立的な情報に自由にアクセスできる未来のために、ボランティア活動や寄付金の提供に深く関与しています。Wikipedia は、インターネット上で最も訪問者数の多いウェブサイトのトップ 10 のひとつであり、非営利団体が運営するウェブサイトとしては唯一ランクインしています。
Wikipedia の 600 万人の寄付コミュニティからの寄付によって、財団の運営と、Wikipedia や Wikimedia Commons などの無料のナレッジウェブサイトの運営が行われています。Thea Skaff さんはグローバル資金調達キャンペーンのシニアマネージャーで、遠隔地にいるチームのために、国際的なオンラインでの資金調達キャンペーンのロジスティックスとタイミングを管理しています。ウェブサイトのバナーやメールによるキャンペーンは、Wikipedia の利用者に数ドルずつの寄付を促す大規模なものとなっています。
30 の国と 20 の言語で展開されるキャンペーンは、重複する部分が多く、いろいろな仕事を一度に並行して行う必要があります。これを成功させるには、複数のタイムゾーンにまたがる複雑なプロジェクトマネジメントが必要です。オンライン資金調達チームは当初、スプレッドシートだけでこの大仕事を管理していましたが、システムに問題がありました。
スプレッドシートでのプロジェクト計画はフレキシブルではなく、国際的なキャンペーンを回す際には適切に機能しなかった
キャンペーンのための標準的な計画ツールがなかったため、チームはリリースにどのくらいの時間がかかるかわからず、十分なリソースを準備することができなかった
タイムゾーンを越えて仕事をするには、プロジェクト計画と連動した非同期のコミュニケーションの場がないと困難だった
これらの困難は波及効果をもたらし、効率性を損なうものでした。Thea さんは、財団のコミュニケーションチームが Asana の非営利団体向けのプログラムの割引を利用して Asana を使い始めたことを知り、自分のチームにも導入することを検討し始めました。
カレンダーには多くのキャンペーンが含まれているため、多彩な機能を持つツールが必要でした。そして、他のツールとの相性がよく、ワークフローに簡単に組み込めることも必要でした。また、どんなに優れたプラットフォームでも、誰も使わなければ意味がありません。
Thea さんと彼女の同僚である Moska Shaver さん (オンライン資金調達チームのメールキャンペーンスペシャリスト) は、パイロットプログラムに Asana を選んだ理由として、その直感的なインターフェイスと柔軟性を挙げています。チームごとに必要な情報レベルが異なるため、カレンダー、リスト、ボードなどのプロジェクトビューを切り替えることができる点が気に入ったといいます。Asana の色分け機能は、複雑なプロジェクトを一目で理解できるため、チームのお気に入りになりました。Asana のカスタムフィールドを使えば、ミッションクリティカルなタスクを追加して絞り込んだり、目前のプロジェクトに合わせて仕事をセットアップしたりできます。
スムーズな移行のために、まずはチームがそれまでスプレッドシートで管理していたプロセスをそのまま Asana のプロジェクトにマッピングしました。その後、チームリーダーにワークフローに欲しいものやプロジェクトマネジメントについて思うことを聞き、彼らの洞察を Asana のワークフローに反映させました。
6 か月間のパイロットで、チームはプラットフォームの理解を深めました。彼らが「ハッ」としたのは、Asana が単にすべてを記録する場所ではなく、すべてのプロジェクト間の関係を明確に把握する場所でもあることに気づいたときでした。国や言語を色分けすると、キャンペーンがどのように重複しているかが一目瞭然になり、全体像を瞬時に確認できるようになりました。プロジェクトスコープやステータスへの理解を深めるための視覚的な手がかりを備えた Asana の優れたデザインは、導入の契機となりました。
オンライン資金調達チームは現在、グローバルなオンライン資金調達キャンペーンの作業をすべて Asana で管理しています。各キャンペーン (通常バナーやメール) は、Asana のタスクとして表されます。これらのタスクは Asana のプロジェクト内に置かれ、複数のキャンペーンがグループ化されて全体を把握できるようになっています。
たとえばフランスでのバナーキャンペーンのタスクをクリックすると、支払い処理、タイミング、言語などの詳細情報が表示されます。リーダーや部門を超えたチームメイトにとっては、全体的なタスクビューだけで十分かもしれませんが、制作チーム、技術チーム、ドナーリレーションズチームがそれぞれの役割を果たすためには、この詳細情報が不可欠です。また、Asana のタスクは複数のプロジェクトに追加できるので、部門を超えたチームが作業の重複を避けることができます。
メールキャンペーンの場合、タイムラインビューでは、展開した月と国が地域別に色分けされて表示されます。たとえば、日本でのキャンペーンとフランスでのキャンペーンが重なった場合なども一目瞭然です。詳細をクリックすると、正確なリリース時期とセグメントサイズが表示されるので、ドナーリレーションズチームはタスクを Google カレンダーと同期し、2 万通のメールが配信されたことをすぐに知ることができます。このシステムにより、寄付者からの質問に答えることができます。また、メールの作成や翻訳を担当するプロダクションチームも、より詳細な情報を得ることができます。
Asana を使うようになってからは、キャンペーンのタイムラインを簡単に作成できるようになりました。今ではキャンペーンの種類ごとにリードタイムが正確に予想でき、重要な計画決定に必要な数多くの詳細情報が、はるかに優れたビジュアルで表示されるようになりました。タスク、オーナーシップ、期限などの可視性が向上したことで、ストレスやリスクが軽減し、コミュニケーションが改善され、チーム全体のキャパシティが向上しました。
新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックが発生した際、財団は資金調達のアプローチ全体を再考し、何が適切かを慎重に検討する必要がありました。キャッチコピーを書き直し、すべてのキャンペーンのスケジュールを変更し、実質的に制作カレンダーを作り直さなければなりませんでした。スプレッドシートでこれを行うのは困難であったところを、Asana がサポートしてくれました。
Asana のおかげで、チームはカレンダーからステータス報告ミーティングの予定を消すことができました。実際のプロジェクト作業に時間を割けるようになり、グローバルの参加者が早朝や深夜に働く必要性を減らすことができました。これは社員のエネルギーと士気にとって大きな利益となりました。
オンライン資金調達チームに続いて、Wikimedia の他の資金調達チームも Asana を採用しています。このチームは、資金調達部門全体をより包括的に把握するために、Asana プラットフォームの使用を拡大したいと考えています。
今年、Wikipedia はサイトの 20 周年を迎えました。Wikimedia Foundation と世界中の Wikipedia 愛好家は、この機会に、このプロジェクトを可能にしている人々を祝福しています。Asana が安定したサポートを提供することで、Wikimedia Foundation はすべての人にとってより明るくより情報に満ちた未来に向けてさらに速く前進しています。