ウォーターフォール型プロジェクト管理について知っておくべきすべてのこと

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2024年4月26日
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概要

ウォーターフォール型プロジェクト管理は、作業内容を明確なフェーズに分割し、上から順番に進めていくプロジェクト管理手法です。前のフェーズが終わらない限り、その次のフェーズを始められません。この記事では、ウォーターフォールプロジェクトマネジメントの各フェーズと、チームが目標を達成するためにウォーターフォール型プロジェクト管理がどのように役立つかをご紹介します。

プロジェクトマネージャーには、さまざまなプロジェクト管理手法の選択肢があります。その手法の中には、アジャイルプロジェクト管理、かんばんプロジェクト管理スクラムなどの反復的プロセスがあります。

しかし、もっと直線的 (リニア) なアプローチを必要とするプロジェクトの場合はどうでしょうか。ウォーターフォール手法は直線的なプロジェクト管理手法であり、タスクやマイルストーンを一つずつ達成していくことで、チームが共通の目標を達成できるようになります。

ウォーターフォール型プロジェクト管理とは?

ウォーターフォールは、作業内容を明確なフェーズに分割し、上から順番に進めていくプロジェクト管理手法です。前のフェーズが終わらない限り、その次のフェーズを始められません。

製造業や建設業では、各マイルストーンが完了しないと生産工程が進まないため、このようなプロジェクト管理手法が生まれました。たとえば、基礎ができていないのに家の壁を作ることはできません。

製造業から始まったウォーターフォール型プロジェクトマネジメントは、その後、ソフトウェア開発をはじめとするさまざまな業界のニーズに合わせて変化してきました。以下に、ウォーターフォール型のプロジェクトの例をご紹介します。

ウォーターフォールプロジェクト管理手法

ウォーターフォール手法は、多くの場合、フローチャートやガントチャートの形で見える化されます。この手法は、それぞれのタスクが、1 つのステップから次のステップへと流れ落ちていくことからウォーターフォール (滝) と呼ばれています。ガントチャートでは、前のフェーズが次のフェーズに「落ちていく」のがわかります。

ウォーターフォール型プロジェクト管理手法の 6 つのフェーズ

ウォーターフォール型プロジェクトマネジメントは、どんなチームでも導入することができますが、この手法は、一つ一つ段階的に進めていく必要のあるプロセスに最も効果的です。取り組んでいるプロジェクトに、同時進行可能なタスクがある場合は、アジャイル手法などの別のフレームワークを試してみてください。

ウォーターフォール型プロジェクト管理を始めるには、次の 6 つのステップに従って実行に移しましょう。

1. 要件定義フェーズ

これは、初期の計画プロセスで、プロジェクトを成功させるために、チームができるだけ多くの情報を収集します。ウォーターフォール手法のタスクは、前のステップに依存しているため、事前に計画を立てて進めていく必要があります。この計画プロセスは、ウォーターフォール手法の重要な過程です。そのため、プロジェクトのタイムラインの大半は計画に費やされます。

この方法を有効に活用するに、プロジェクトの各フェーズを説明する詳細なプロジェクト計画を作成しましょう。これには、どのようなリソースが必要なのか、どのようなメンバーでプロジェクトを進めるのかなどが含まれます。この文書は、一般的にプロジェクト要求事項文書と呼ばれています。

要件定義フェーズが終わる頃には、プロジェクトの最初から最後までの概要が非常に明確になっているはずです。その中には次のような項目が含まれます。

記事: より効果的なプロジェクト計画をわずか 7 つのステップで作成

2. システム設計フェーズ

ソフトウェア開発プロセスにおいて、プロジェクトチームが使用するハードウェアをはじめ、プログラミング言語やユーザーインターフェイスなどの詳細情報を指定するのが設計フェーズです。

システム設計フェーズには、「上流設計フェーズ」と「下流設計フェーズ」の 2 つのステップがあります。上流設計フェーズでは、ソフトウェアがどのように動作するか、情報にどのようにアクセスするかなどの骨格を構築します。下流設計フェーズでは、ソフトウェアの具体的な部分を構築していきます。上流設計フェーズが骨格であるならば、下流設計フェーズはプロジェクトの内臓であると言えます。

ウォーターフォール手法で開発を進めているチームメンバーは、各ステップを記録し、プロジェクトの進行に合わせて何を行ったかを確認できるようにするべきです。

3. 実装フェーズ

このフェーズでは、すべてを実行に移します。ステップ 1 の要求事項文書とステップ 2 のシステム設計プロセスに基づいて、チームは本格的な開発プロセスを開始し、要件定義フェーズとシステム設計フェーズの両方で説明された通りにソフトウェアを開発します。

記事: 実施計画とは?作成するための 6 つのステップ

4. テストフェーズ

このフェーズでは、開発チームがプロジェクトを品質保証テストチームに引き渡します。QA (品質保証) テスターの仕事は、プロジェクトを展開する前に、修正する必要のあるバグやエラーを見つけることです。

テスターは、QA の際に見つけた問題点をすべて明確に記録するべきです。そうすることで、他の開発者が同様のバグに遭遇した際に、過去の文書を参照して問題解決に取り組むことができるからです。

5. 展開フェーズ

開発プロジェクトの場合、このフェーズでは、ソフトウェアをエンドユーザーに展開します。その他の業界では、最終成果物がリリースされ、エンドユーザーに届けられるフェーズです。

6. メンテナンスフェーズ

プロジェクトが展開されると、新たなバグが発見されたり、ソフトウェアのアップデートが必要になったりする場合があります。これをメンテナンスフェーズといい、ソフトウェア開発では一般的に、このフェーズを継続的に行います。

ウォーターフォール手法を活用すべき場面

ウォーターフォール手法は、綿密な計画と詳細な記録ができるため、一般的なプロジェクト管理手法として使われています。しかし、この手法がすべてのプロジェクトに適しているわけではありません。ここでは、どのような場合にこのタイプのプロジェクト管理手法を使うべきか、いくつかの例をご紹介します。

プロジェクトの最終目標が明確に定義されている場合

ウォーターフォール型の強みは、A 地点から B 地点までの明確な経路があることです。B 地点がはっきりしない場合は、アジャイル型のような反復型のプロジェクト管理手法を用いた方がよいでしょう。

目標が明確に定義されているプロジェクトは、ウォーターフォール手法に適しています。なぜなら、プロジェクトマネージャーは目標から逆算して、必要なすべての要件を備えた明確で詳細な経路を作成できるからです。

記事: 効果的なプロジェクト目標の書き方 (実例付)

予算や時間に制限がない場合

予算や時間の制約がないプロジェクトであれば、チームメンバーは要件定義やシステム設計のフェーズに必要なだけ多くの時間を費やすことができます。プロジェクトのニーズを好きなだけ調整し、綿密に練られ、明確に定義されたプロジェクト計画を完成させることができます。

反復可能なプロセスの構築

ウォーターフォールモデルでは、プロセスのほぼすべてのステップで記録をする必要があります。各ステップが明確に記載されていれば、プロセスを再現できるため、新しいチームメンバーでも、簡単にプロジェクトを繰り返すことできるのです。

また、再利用可能なプロセスを作ることで、同じようなプロジェクトで何をすべきかを新しいメンバーに簡単に教えることができます。このことから、プロジェクト管理においてプロセスを標準化する有効な手法であると言えます。

記事: チームのワークフローを改善する 5 つのプロジェクト管理フェーズ

ウォーターフォール型プロジェクト管理のメリット

一貫した文書化により、容易に記録をたどれる

ウォーターフォール型のプロジェクト管理プロセスを導入すると、すべてのステップで文書を作成することになります。これには、チームがプロセスをさかのぼる必要が生じた際に、簡単に間違いを発見できるという利点があります。また、先に述べたように、新しいチームメンバーのために繰り返し使用可能なプロセスを作るのにも適しています。

進捗管理が容易になる

ウォーターフォール型のプロジェクトをガントチャートで表現することで、プロジェクトの進捗状況を簡単に追跡することができます。タイムライン自体がプログレスバーのようになっているので、プロジェクトがどの段階にあるのかを常に把握することができます。

[タイムラインビュー] Asana のモバイルアプリのリリースプロジェクト

チームメンバーが効果的に時間を管理できる

ウォーターフォール手法では、要件定義と設計フェーズで多くの計画を立てる必要があるため、関係者はウォーターフォールプロセスの特定の部分にどれくらいの時間がかかるかを簡単に見積もることができます。

記事: 最高の成果を出すためのタイムマネジメントのコツ、タイムマネジメント術、クイックウィン (すぐできる改善) 18 選

ウォーターフォールモデルのデメリット

障害が発生するとタイムラインに大きな影響を与える

ウォーターフォールモデルは直線的な手法なので、何か問題が発生したり、タスクが遅れたりすると、タイムライン全体がずれてしまいます。たとえば、サードパーティのベンダーが製造チームに特定の部品を送るのが遅れた場合、その部品を受け取るまでプロセス全体を一時停止しなければなりません。

直線的な進行では後戻りが困難

ウォーターフォール手法の難点は、一度完了したフェーズに戻るのが難しいことです。たとえば、家の壁を塗っているときに、前の段階に戻ってある部屋の大きさを変えようと思ってもできません。

QA がプロセスの後半に行われる

かんばんやアジャイルなどの反復型プロジェクト管理手法と比較すると、ウォーターフォール型のアプローチでは、レビューの段階がプロセスの後半に起こります。プロセスの初期段階でミスがあった場合、後戻りして修正するのが難しくなるでしょう。また、ウォーターフォール型のプロセスでは、反復プロセスや最適なソリューションを探す余裕がありません。

記事: ウォーターフォール、アジャイル、かんばん、スクラムの違いを徹底解説

ウォーターフォールプロジェクトの管理

ウォーターフォール型のプロジェクトでは、進捗状況やさまざまなチームメンバーを把握する必要があります。ワークマネジメントソフトウェアを使って、ワークフロー、タイムライン、成果物をすべて一か所にまとめると、効果的にチームに共通認識を持たせることができます。

ウォーターフォール型のプロジェクト管理をチームで試してみたいという方には、Asana をおすすめします。Asana では、プロジェクトを直線的なタイムラインとして可視化するタイムラインビューをはじめ、いくつかの方法でプロジェクトを表示することができます。

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