プロジェクト計画には必要不可欠な要素「マイルストーン」。ゴールへの道標となるこの “中間目標” を適切に設定すれば、プロジェクトは順調に進みます。しかし言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容まではわからないという方も多いかもしれません。この記事では、マイルストーンの意味とその重要性、作成方法、各シーンでの使い方、WBS との違いを解説します。設定時の注意点と例もあわせて紹介するので、参考にしてみてください。
更新: この記事は、マイルストーンの各シーンでの使い方に関する記述を含めて 2024年 1月に改訂されました。
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プロジェクトマネジメントにおいて、計画プランを整理することは時間とリソースを節約するためにも非常に重要です。しかし、すべてのプロジェクト計画が同じように作成されるわけではありません。目標、タスク、タスク担当者、期日など、プロジェクトによって異なるでしょう。そこに依存関係と成果物も絡んで複雑化します。
前述の要素を考慮しプロジェクト計画を立てたとしても、それで完璧でしょうか?プランにプロジェクトマイルストーン (project milestone) を含めることを忘れていませんか?
プロジェクトにおけるマイルストーンとは、複数のメリットをもたらす重要な要素です。そこでこの記事では、マイルストーンとは何か、そしてその利点や使い方を解説します。あわせてマイルストーンの例や WBS との関係性もご紹介するので、今後のプロジェクトマネジメントに役立ててください。
ガントチャートやタイムラインなど、複数のビューを活用できる Asana なら、簡単にマイルストーン設定ができます。
ビジネス用語「マイルストーン」とは、作業やプロジェクトのタイムライン上にある特定の到達点 (中間目標) のことを言います。いわばプロジェクトにおける「チェックポイント」です。プロジェクトを順調に進めるための道標だと思ってください。
物事に取りかかる際、たとえば最終的なゴールを決めたとしても、そこまでの道筋があまりに長いと、途中で路頭に迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、スタートとゴールの間に「中間目標」を挟むことで、目標まであとどれくらいなのかといった到達具合や、途中で修正を加えたほうがいいのか?という確認ができるようになります。
プロジェクトは複数のタスクで成り立っていますので、各タスクの依存関係などで後のスケジュールが大きく影響を受ける場合もあります。特に、クリティカルパスのタスクに対しては、適度なマイルストーンを配置して、成果物の検証と修正の機会を作っておくことが望ましいと言えます。
マイルストーンチャートテンプレートを作成マイルストーンをビジネスシーンでの用語に置き換えると、「進捗状況」です。動いているプロジェクトのスケジュールに対して、進捗管理をスムーズに行うために設けた区切りといえばわかりやすいかもしれません。
プロジェクトを進行しているとたいていの場合、企画→計画→実施→評価という流れで作業を進めていると思います。マイルストーンはそれぞれの流れのなかで、作業の中核を担う重要な工程に設定されます。
たとえば、企画から評価と飛ばして進めた場合、それまでの過程がしっかりしていないと、作業の効率化は著しく悪くなるでしょう。
作業の効率化を図るためにもマイルストーンをしっかり設け、それぞれの区切りできちんと達成できているのか、今ここで修正しておくべきなのかが明確になり、目標までの道のりがスムーズに進行します。
国語辞典の「大辞林 第三版」で、マイルストーンの意味を調べてみると「道路のわきなどにたてる、起点からの距離をしるした標識」「歴史や人生における画期的な出来事」と書かれています。
昨今ではビジネス用語として浸透しはじめたマイルストーンという言葉ですが、もともとの英語 (milestone) の語源は、鉄道や道路で起点からの距離をマイル形式で表した標識のことでした。ここからビジネスシーンでは、一定の距離ごとに標識を立て、出来事を確認するという意味合いで使われるようになったのです。
1 マイルごとに石を置いていくことで、今までしてきたことを振り返りながら確認作業を行うという意味であることが理解できるでしょう。
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プロジェクトマネジメントには、マイルストーンと混同しがちな概念がいくつか存在します。それぞれの例を見ながら、その違いを確認しておきましょう。
目標は将来達成したいと望むもの、ゴールです。一方のマイルストーンは、達成済みのステップを振り返るために活用されます。つまり目標達成につながるはしごの段のようなものと考えてください。
【マイルストーンと目標の違いがわかる具体例】
同時進行要素が多いビッグプロジェクトである会社全体のリブランディングイニシアチブに取り組んでいるマーケティングチームは、第三四半期の終わりまでにプロジェクトを完了させることを目標にします。彼らは、その過程において、マイルストーンを使ってカラースキームの選択、デザインテンプレートの作成、リリース計画の承認獲得など、主な決断やアクティビティの完了をマーキングできます。
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プロジェクトのフェーズとマイルストーンは特に混合されやすいコンセプトです。なぜならマイルストーンは、プロジェクトのフェーズ (始動、計画、実行、終了など) の開始や完了と重なることが多々あるためです。
プロジェクトの各フェーズは完了までに何週間、または何か月もかかり、複数のタスクやチームメンバーを要します。その一方で、マイルストーンは確認と報告が必要となる重要な進捗を示す「チェックポイント」であり、通過するのに時間はかかりません。
【マイルストーンとプロジェクトフェーズの違いがわかる具体例】
リブランディングプロジェクトにおいて、その始動フェーズは新しいブランディングについてのアイデアを収集するためのフォーカスグループや、クリエイティブなブレインストーミングセッションなど、多くのタスクを網羅します。始動フェーズの最後に置かれるマイルストーンは、チームが計画フェーズに移行する準備ができているかどうかを示します。
成果物が製品や結果を指す一方、マイルストーンはある時点を指します。成果物は時に、マイルストーンを達成した証明でもあります。
【マイルストーンとプロジェクト成果物の違いがわかる具体例】
リブラディングプロジェクトの成果物には最新のスタイルガイドの PDF や関連するロゴファイルが含まれます。これらのプロジェクトの完了は注目 (さらにはお祝いまでする) に値するため、マーケティングマネージャーはその達成を示すマイルストーンを追加してもよいでしょう。
タスクはプロジェクトの構成要素で、達成するには時間がかかります。マイルストーンには期間がなく、言わば一連のタスクを完了とするいわゆる境界線のようなものです。
【マイルストーンとタスクの違いがわかる具体例】
リブランディングプロジェクトにはロゴの作成、SNS アカウントの作成、プレスリリースの執筆など、小さなタスクと大きなタスクが多数あります。マイルストーンは関連する一連のタスクが完了したことを示します。
ロードマップはプロジェクトの俯瞰的な全体像を描いた計画書です。プロジェクトのタイムライン上にある中間地点であるマイルストーンは、ロードマップに組み込まれていると言えます。
【マイルストーンとロードマップの違いがわかる具体例】
新規事業を立ち上げるにあたり、プロジェクトロードマップを作成します。その中には、最終目標や成果物の記載のほかに、マイルストーンも明確に設定しておきます。
毎日の仕事につながるチーム目標・企業目標は何かを明確にし、パフォーマンス向上を目指しましょう。Asana なら、各指標の達成度や達成状況を一目で把握し、チーム全体でシェアできます。
効果的な目標を設定する方法そもそも、なぜマイルストーンを設定するのでしょうか?マイルストーンのメリットは?いくつかご紹介します。
作業進捗の節目がわかる
メンバー全員が進捗状況を見て優先度を判断できるため、チーム内のモチベーション向上と連携改善が期待できる
スケジュール管理に役立つ (目標期日のモニタリング、重要な日付の特定、計画調整の可能性)
プロジェクト内にある潜在的なボトルネックを認識できる
プロジェクトのタイムラインからタスクを削除したとしても、マイルストーンがあればプロジェクトの主なステップやフェーズの概要を知ることができる
タイムラインとは一体何のことでしょう?生産性を高めることにどう役立つのでしょうか?電子書籍をダウンロードしてお読みください。
マイルストーンを設定するには、プロジェクトにどのようなタスクがあり、それぞれがどのように関連しているかを把握していなければなりません。
例えば、タスク A とタスク B が完了しなければタスク C と合わせた品質テストができない場合、タスク A およびタスク B の完了日にマイルストーンを設定するなどが考えられます。このとき、そもそもマイルストーンを設定するためには、タスク A から C が洗い出されていなければなりません。つまり、設定する前に、あらかじめ WBS が完成していなければならないということです。
WBS とマイルストーンの関係性は、プロジェクトの構成を把握するための WBS が必ず先にあり、その構成を元にしてマイルストーンを設定しなければならないという「依存関係」です。
WBSとは「作業分解構成図」のことで、プロジェクトを完了させるために必要な作業を分解して、全体の構成をわかりやすくするものです。
まずは、プロジェクトで完成する成果物を明確にして、その成果物を完成させるために必要な作業 (タスク) を細分化して構成を作っていきます。プロジェクト管理には欠かせないツールですので、プロジェクトマネジメントを担うならばスキルとして習得しておくとよいでしょう。
マイルストーンの設定については、明確な基準やルールはありません。活用する場合は、プロジェクトの特色によって根拠を設けて基準を設定します。ここでは、マイルストーンの設定基準となり得る例をみていきましょう。
プロジェクトの大きなまとまりごとに中間目標を立てる場合には、WBS の構成をもとに各フェーズやタスクにマイルストーンを設定するとよいでしょう。
例えば、プロジェクト管理システムの開発に「検索機能」や「ガントチャート機能」を実装する場合です。WBS では大きな機能を洗い出し、その下に詳細な機能開発タスクがリストアップされます。このとき、詳細な機能開発タスクではなく、検索機能やガントチャート機能といった大きな機能の完成タイミングを基準にマイルストーンを設定することで、システム開発の大まかな進捗を確認しやすくなります。
各タスクの完了日を基準にマイルストーンを設定する方法もあります。
上述のシステム開発例でいうならば、大きな機能を完成させるための詳細な機能開発タスク一つひとつの完了日にマイルストーンを設定する方法です。
これにより、一つの機能が完成するまでの進捗管理がしやすくなります。
各タスクの完了日数日前を基準に設定すれば、マイルストーンを「検証と修正」のチェックポイントとして活用できます。
特に、クリティカルパスのタスクに関してはタスクの遅れがスケジュール遅延の大きな原因となりますので、チェックポイントとしてマイルストーンを設定することをおすすめします。
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Asana でプロジェクトを計画するメリットマイルストーンの書き方、手順
それでは、実際のマイルストーンの書き方を手順に沿ってみていきましょう。
①【WBS に沿ったタスクを明確化する】マイルストーンを設定するためには、WBS でプロジェクトの構成を把握することが第一歩です。プロジェクトにはどのようなタスクが必要なのかを詳細に洗い出しましょう。
②【クリティカルパスを明確化する】すべてのタスクを洗い出したら、依存関係を精査してクリティカルパスを明確化します。これにより、遅延してはならないタスクなども見えてきますので、重要タスクをチェックポイントとして意識しましょう。
③【ガントチャートを作成する】細分化されたタスクにそれぞれの期限を持たせ、ガントチャートを作成しましょう。ガントチャートを作成することで、タスク同士の依存関係や期限が可視化されます。
ガントチャートを設定する上で必要なのは「タスクの割り出し」と「日程の振り分け」の2点です。タスクを割り出して、日程の振り分けをすることで進捗状況が明確に確認でき、目標までの到達率も一目瞭然です。
タスクの進捗状況を見たときに、予定時間よりも実施時間が多ければ、タスク担当者の業務負担が大きいことがわかるため、途中で他の人にも割り当てて調整することが可能です。
このことから、決められたマイルストーンを達成するためにも、ガントチャートを使用し、タスクの割り出しと日程の割り振りをきちんと行うことでプロジェクト進行中の大きなミスやトラブルを回避できるのです。
④【マイルストーンを設定する】WBS やクリティカルパス、ガントチャートから、適切なマイルストーンを設定しましょう。例えば、クリティカルパスを意識して設定するならば、遅延が許されないタスクの完了日などにマイルストーンを設置します。修正が発生してもスケジュール全体が遅延しない (手戻りが発生しても致命的な遅延につながらない) 位置に設定するようにしましょう。
ガントチャートのテンプレートを作成するプロジェクトの中間目標であるマイルストーン。プロジェクトスケジュールを見て、チェックポイントや重要な “瞬間” を特定します。たとえば、製品リリースを計画しているなら、リリースのメッセージ確定、製品用ウェブページの公開、製品のリリース実行などがマイルストーンです。ここでは、マイルストーンを作成するときのヒントをいくつかまとめます。
マイルストーン上では、イベントを明確化することで、実施すべきポイントが見えてきます。具体的には外部業者や他部署などとのやりとりが発生するかどうかを示すことで、「ここを期日通りに達成できなければ、次の作業に影響が出てきてしまう」と予測できます。
この気づきがないと、外部との無駄なやりとりが増えたり、プロジェクトに遅れが発生したりします。漠然と目の前の業務をこなしていても、目標到達には到底及びません。各イベントをはっきりと見えるようにすることで、ゴールに到達するためにはここで何をするべきかをしっかり洗い出します。新たにタスクが発生した場合には従業員に割り振ることでミスや遅延が抑制され、イベント達成に向けた足並みが揃うでしょう。
マイルストーンの数はプロジェクトによって上下します。2、3 個しかないプロジェクトがあれば、多数設定されているプロジェクトもあるでしょう。マイルストーンは特定の数に注目するのではなく、プロジェクト進行中に起こる重要なイベントや時点を考慮して設定するようにします。
マイルストーン間のタスクは、できるだけ細かく設定してから役割分担を決めることがおすすめです。そうすることで、先のスケジュールが見えやすくなります。無理のない時間設定をすることで、途中トラブルなどで変更があっても、軌道修正がしやすくなるでしょう。タスク漏れにも十分に注意します。
記事: マイルストーンチャートとそのメリットマイルストーンはある時点を指すものであり、その瞬間を達成するために必要なプロセスを追跡するものではありません。そのため、イニシアチブの開始やその公開を示すマイルストーンの期日を設定しましょう。
たとえば、バーチャルイベントを計画しているなら、マイルストーンはその実現に必要な準備作業ではなく、その開催日に設定します。マイルストーンはプロジェクトの進捗における重要な瞬間を表すほか、プロジェクトの成果を評価するのに役立ちます。
割り振られたタスクはその人によってさまざまです。もちろん役割の重みも変わってきます。理想ばかりを追ってしまい、担当した人が達成できないようなマイルストーンを設定してしまうと、目標を達成できず、プロジェクトも計画通りにいかない可能性があります。これではマイルストーンの本来の意味を成さなくなってしまいます。関係しているメンバーと話し合いながら作業時間や役割分担を決め、計画通りに進められる現実的なスケジュールを立てるとよいでしょう。
マイルストーンを設定することはよい出発点ではありますが、その追跡と報告をするまでは完全なメリットを得ることはできません。マイルストーンは、タスクレベルの詳細な最新情報は必要としていない関係者たちとコミュニケーションをとるための便利な報告ツールです。このいわゆる「大まかな」データを使えば、すでに完了しているフェーズ、プロジェクトが今後の主なマイルストーンの達成に向かって順調に進んでいるかどうか、そして目標にどれだけ近づいているのかを瞬時に確認できます。
マイルストーンに紐付けられているタスクを見れば、もっと詳細なレベルにドリルダウンすることも可能です。これにより、誰が担当したどのステップのおかげでマイルストーンを達成できたのか、そして障害物が存在していた場合はその障害物を特定することもできます。このようにマイルストーンはタスク管理やスケジュール管理においても有効です。
マイルストーンを追跡すると、最も重要なタスクに狙いを定め、プロジェクトの実際の状態を知ることができると同時に、自信を持ってプロジェクトの進捗をシェアできます。プロジェクトマネジメントツールには、マイルストーンについて報告するステータス更新を含めましょう。そうすることで、チームがそれまでに達成したマイルストーンや次に目指す “中間目標” に関する情報をチームメンバーや関係者と共有できます。
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プロジェクトの進捗を簡単に報告する方法マイルストーンは楽しく活用することもできます。たとえば、大きなプロジェクトマイルストーンに完了のチェックマークがついたときのためにお祝いを計画できます。このようにお祝いして感謝を示すことはチームの士気を高めると同時に絆を深めることにつながります。
記事: Asana で感謝を示しましょうマイルストーンはどのステージでもプロジェクトに追加できるので、次のプロジェクトが開始するのを待つ必要はなく、今進行中のプロジェクトにさっそく追加できます。また、反復するプロジェクトがある場合は、マイルストーンを今のうちにテンプレートに配置しておけば、後ほど使用できるのでおすすめです。
無料の企業目標テンプレートを作成する時にはマイルストーンの期日を逃してしまうこともあるでしょう。仕方のないことですが、その重要度によってはこれが大きな妨げとなり、イニシアチブやリリースの進行を遅らせてしまいます。
マイルストーンの目標達成に失敗したときは、チームと一緒に一歩下がり、マイルストーンを逃した理由について考えましょう。スケジューリングが不適切だったのではないか?積極的すぎたのではないか?マイルストーンの達成につながるタスクや成果物も確認しましょう。その中の 1 つで遅延したものはなかったか?同時進行要素が多いと、何がいつ行われるのかを把握することが困難になることはよくあるものです。今後はそのようなミスをしないように、視覚的なコンポーネントが組み込まれたプロジェクトマネジメントツールを探しましょう。そうすれば、タイムライン、カレンダー、かんばんボードといった、さまざまな方法でプロジェクトの進捗状況を確認できます。
記事: プロジェクト計画を視覚化する 3 つの方法: タイムライン、カレンダー、ボードこれまでビジネス全般においてのマイルストーンの使い方について説明しましたが、分野によってマイルストーンの使い方は異なります。ここでは「システム開発」「商品リリース」「ウェブページ公開」の 3 つのシーンに絞って、マイルストーンの使い方について具体例を挙げて紹介します。
システムを開発する際のマイルストーンは以下のとおりです。
要件定義
内部設計
外部設計
実装
テスト
商品リリース
新商品などをリリースする場合のマイルストーンは以下のとおりです。
マーケティング
企画立案
商品設計
量産設計
試作
評価
量産
ウェブページを公開する場合のマイルストーンは以下のとおりです。
情報収集、マーケティング
記事作成
誤字脱字の確認
記事の反映
このように使い方や具体例を提示しましたが、分野によって設定方法も異なるため、今までの流れを項目化し、それらをマイルストーンに置き換えて設定しましょう。きちんとしたマイルストーンを踏むことで、ミスを防ぎながらゴールまでたどり着けるでしょう。
マイルストーンの設定は科学ではなく、アートです。これと言って正しい方法も誤った方法もありません。そこで、チームが最初にマイルストーンを設定するときに直面する一般的な落とし穴を以下にいくつか紹介します。
【設定する数が多すぎる】必要なマイルストーンの数はイニシアチブの規模とスコープによります。特別な理由もなく設定しようとするのは避けましょう。代わりに、プロジェクトを進行させるためにチームが達成しなくてはいけない主要なタスクに着目しましょう。
【マイルストーンをタスクとして使用する】マイルストーンはある時点を示すものです。それを達成するために行う必要のある仕事を追跡するには、タスクを使いましょう。それから、一連のタスクを完了させる期日としてマイルストーンを使用します。
【マイルストーンを他の仕事から分けてしまう】期日以内に仕事を完了し、プロジェクトを成功させるには、すべての仕事を 1 か所で管理するのが一番です。プロジェクトマネジメントツールを選ぶときは、タスクの管理、マイルストーンの設定、プロジェクトの進捗の見える化をすべて 1 か所で行えることを確認しましょう。
マイルストーンをプロジェクトで使用することで、主な成果物の受領、プロジェクトの始動、最終計画の承認、要件収集、デザインの承認、プロジェクトフェーズの完了などのイベントを表すことができます。
マイルストーンを使ってチームのためにできることを確認しましょう。以下にマイルストーンの例を 4 つ挙げていきます。
重大なタスクをマーキングする。マーケティングキャンペーンでクリエイティブコンセプトの承認を得るときのように、特定の日時までに完了できなければプロジェクトがブロックされてしまうタスク。
フェーズやステージの終了を強調する。会社全体の計画においてすべての部門から予算申請を集め終えるといった、大きな仕事のフェーズやステージの終了。
主要な出来事や成果物にスポットライトを当てる。会社の新オフィスの建設が完了して、人々の移動を開始できるといった、主要な出来事や成果物。
目標と主要な結果の達成に集中する。最近リリースされた製品の 3 か月間の収益目標を達成するといった、プロジェクト目標や主な結果 (KR)。
マイルストーンの意味とメリット、WBS との違い、作成のヒントや注意点をまとめて解説しました。
マイルストーンには「進捗の節目を知る」ことや「スケジュールが遅延しないためのチェックポイント」として活用するなどの使い方があります。マイルストーンの設定方法にルールはありません。ですので、何のために設定するのか、そして基本的には WBS が基礎になることを理解して、適切なマイルストーンの設定方法を身につけましょう。
マイルストーンを使って計画を始める準備は OK ですか?より効率的に設定するには、適切な仕事管理ツールの導入をおすすめします。どんなタイプのプロジェクトにも対応し、チーム全体をサポートしてくれるワークマネジメントツールは、チームの生産性向上に役立ちます。
この電子書籍では、ワークマネジメントとは何かを解説し、ビジネスにどう役立つかをご紹介します。