フィードバックを求めるのはかなり気まずいものです。しかし、求める側と求められる側の両サイドにとって、フィードバックのやり取りをしやすくする方法があります。フィードバックを求める際に便利なヒントや例文をぜひご活用ください。
自分に対する否定的なフィードバックを聞くのは辛いものです。しかし、気まずかったり、嫌な気分になるのを恐れたりして、フィードバックを求めないということは非常によくあります。そうした辛い会話から自分を守りたいと思うのはいたって普通のことですが、率直なフィードバックを求めることは、自分が成長し、改善を遂げるための最も効果的な手段の一つです。自分の仕事のスタイルやリーダーシップ、能力に関するインサイトも得られます。
フィードバックを求めるときは、決まったやり方とベストプラクティスに従えば、会話を生産的な内容に保ち、役に立つフィードバックだけを得ることができます。
フィードバックを求めることは、リーダー、同僚、そして従業員として成長するのに役立ちます。その理由は、フィードバックを仕事に活かして改善が必要な部分を変えていけるというだけではなく、そうした会話は社員の間のつながりを深めるからです。LinkedIn で採用担当者にメッセージを送る場合でも、上司と対面で会話をする場合でも、フィードバックを求めることは以下の点で役立ちます。
信頼を築く。 フィードバックを素直に受け止めるといった率直な会話をすると、フィードバックを求める側と求められる側の間に信頼関係が生まれます。
コミュニケーションを改善する。 フィードバックを求めることで、その内容がどんなものであっても、批判的な意見にオープンな姿勢を見せることができます。
士気を高める。 チームは、あなたにはパフォーマンスに関するフィードバックを詳しく伝えても大丈夫だと感じられれば、自分たちには信頼できるリーダーがいると確信できます。
成長のチャンスを特定する。 フィードバックを求めると、自分のパフォーマンスが向上するほか、職場でもっと心地よく働けるようにもなります。
誤解を減らす。 具体的な質問に関するフィードバックを受けることができれば、改善すべき点が的確に分かるため、誤解の余地がほとんど無くなります。
この記事では、フィードバックを求めることにフォーカスを当てていますが、フィードバックの仕方や与えられたフィードバックを反映させる方法について興味のある方は、以下の記事をお読みください。
フィードバックを求めるときに、ナーバスになるのはごく普通のことです。しかし、ポイントを押さえればフィードバックは求めやすくなります。以下にフィードバックを求める際に便利なヒントを紹介しますので、事前に準備をして不安な気持ちを和らげましょう。
相手がフィードバックのリクエストを受け入れてくれたら、その環境を整えましょう。フィードバックを求めているのは、あなたが本当に知りたいからであり、率直に、正直に言ってもらって大丈夫だということを相手に知らせます。「理由」を明白にしておけば (例えば、「教えて欲しいのは、あなたの意見を大切にしているからです」と伝える)、相手はフィードバックをすることが、あなたの成長を後押しすると理解できます。
会話を始める前に、その時の自分の感情を確認します。イライラしていたり、すでに自己防衛的な感じになっているのであれば、フィードバックを求める最適なタイミングとは言えないでしょう。
Asana では Conscious Leadership Group (CLG) が提唱するフレームワークを用いて、社内レビューを始める前に、フィードバックを受けられる状態にあるかを判断しています。レビューを開始する前に、基準値を上回っているか、それとも下回っているかを確認します。基準値を上回っているというのは、フィードバックを受ける準備ができているということで、下回っているというのは、自己防衛的な感じであったり、警戒しているような状態であることを意味します。基準値を下回っているときは、フィードバックセッションの予定を別の日に変更しましょう。
記事: 従業員パフォーマンスレビュー 15 選 (テンプレートと実例付き)フィードバックの質問はフィードバックの結果に影響するので、適切な質問をすることが大切です。実行に移せるようなフィードバックは、曖昧な意見よりもずっと有益であり、具体的で的を絞った質問をすることでそうした有益なフィードバックが得られます。また、「どういったスキルを磨けばいいでしょうか?」など、自由回答形式の質問は避けましょう。
たとえばリーダーの方で、自分が導入したプロセスに関するフィードバックが欲しい場合は、以下のような質問をするとよいでしょう。
クリエイティブブリーフは、個々のリクエストを 1 日で完了できるほど詳細に書かれているか?
プロジェクト管理ソフトウェアに保管されているすべてのプロセスガイドに簡単にアクセスできるか?
新規採用者のオンボーディングプロセスからいつも抜けているステップは何か?
フィードバックセッションでは人が傷つきやすくなる場合もあるため、対面の方がやりやすいでしょう。フィードバックは会話の中で伝えるのが効果的で、非同期メッセージやメールで伝えるのは困難です。場所を選ぶときは、可能であれば対面を優先し、それが無理ならウェブカメラを使ったオンライン通話を利用し、メールや非同期メッセージは最後の手段として置いておきましょう。
フィードバックを求めるときは、オープンな姿勢で臨みましょう。まず、相手の人から断られる可能性があります。フィードバックをすることに抵抗を感じることもあるでしょう。あなたが経営陣のメンバーならなおさらです。その場合は残念ですがその意思を受け入れ、他の人にフィードバックを求めましょう。
リクエストをするときは相手の反応を問わず、オープンで意欲的な姿勢を保ちましょう。そうすれば、将来的には引き受けてくれるかもしれませんし、ひょっとしたら「ここは快適な職場だから、余計なプレッシャーを感じる必要はない」ということだけでも示すことができるかもしれません。引き受けてくれた場合は、そのオープンな姿勢をもって会話に臨みましょう。そうすれば、できるだけ客観的にフィードバックを受け止めることができます。
最初にフィードバックを依頼してから、すぐに返事をもらえない場合は、フォローアップを行うためにリマインダーを設定しましょう。多くの人は、喜んでフィードバックしてくれます。少なくとも、フィードバックできない場合はできないと伝えてくれるはずです。返事がない場合はリクエストを見ていないか、そのことを忘れてしまった可能性があります。相手との関係にもよりますが、最初に依頼してから 1~3 週間後に礼儀正しくフォローアップするとよいでしょう。
フィードバックを求めるときは、どのような言い方がよいのかを分かっているとアプローチしやすくなります。以下に、フィードバックを求める相手とフィードバックの求め方の一般例を 4 つ紹介します。
同僚の方は、あなた自身やあなたの仕事っぷりについてよく知っているでしょう。彼らにフィードバックを求めると、自分の働きについて知り、相手との仲間意識やラポールを築けるほか、チームメンバーやリーダーとして成長できます。同僚へのフィードバックの求め方の例を 1 つご紹介します。
「(名前) さん、お疲れ様です。前四半期に私がリーダーを務めた製品リリースについてフィードバックが欲しいのですが、すでに職場で付き合いのある方にお願いできたらと思いまして、ご都合よろしければ、来週の金曜日に会ってフィードバックしていただけないでしょうか?」
人材管理担当者なら、普段から他の人に対してフィードバックをしているでしょう。しかし、チームを効果的にリードするには、まず初めに直属の部下をサポートする一番よい方法を知っておく必要があります。部下にとって上司にフィードバックするというのは難しいことかもしれません。あなたは部下との関係において権力を持つ立場にあるため、ネガティブなフィードバックを受けても、部下に対する考えが変わることはないと強調しなくてはいけません。フィードバックセッションは対面で行った方が効果的なことが多いですが、この場合に限っては、直属の部下が安心して正直な意見を述べられるよう、匿名のデジタルアンケートにした方がよいかもしれません。もしくは、デジタルフォームを使うか、直接会って話すか、選択できるようにするのもいいでしょう。以下に、例を 1 つ紹介します。
「チームの皆さん、私の管理スタイルおよびそれが皆さんの仕事に与える影響について、ご意見を聞かせてください。フィードバックをお寄せいただく手段として、人材管理担当者としての私に関する簡単な質問にお答えいただくための匿名フォームを用意しました。これは、私自身が皆さんと皆さんの仕事をより適切にサポートできるように成長する機会を見つけるためのものですので、ご遠慮なく正直に、率直な意見をお寄せください。ご質問がある方や対面で会話したいという方は、ぜひお知らせください。」
お客様は、あなたの仕事の運営や社外向けの仕事について、独自のインサイトを持っています。アジャイル手法を使用する場合は特に、お客様の意見が製品開発に役立ちます。アジャイルプロジェクトでは、お客様からのフィードバックがユーザーストーリーとなり、それを基にアジャイルの作業スプリントが実施されます。アジャイル手法を適切に実行すれば、チームは製品機能やアップデートをお客様のニーズや関心にダイレクトに合わせて作成できます。しかし、お客様が製品を購入された後に簡単な質問をしたり、日常的なアンケートを通して尋ねることもできます。直接連絡して尋ねる場合は、以下のような依頼の仕方をおすすめします。
「お客様、いつもお世話になっております。(会社名) では、お客様に最高のサービスを提供できるよう、さまざまな調整を行っています。少しお時間がございましたら、お電話で簡単なフィードバックをお伺いしてもよろしいでしょうか。私たちがお客様に対してどのような影響を与えていて、これからどのような面でサポートを強化していくべきか、ぜひお聞かせください。」
記事: アジャイルとスクラムのための Asanaフィードバックをメールで求める場合は、求める内容を明確に、かつ具体的にすることをおすすめします。対面でないときは、意図したフィードバックが伝わりにくくなります。求める内容を具体的にすればするほど、後で誤解が生じる可能性を抑えられます。しかし、相手が忙しすぎて、ちゃんとしたミーティングを行えない場合は、メールでフィードバックを求めるのが便利です。例えば、以下のようなメールを書きます。
「(名前) さん、お疲れ様です。先週提出したコードのフィードバックが欲しいのですが、メールでいくつか質問をお送りしたら、回答していただけますか?」
フィードバックをお願いしたら、しっかりと受け止める準備をしなくてはいけません。どのようなフィードバックが返ってきても、その内容を認識して受け止めるには、客観的に見るのが一番です。フィードバックが期待を下回る内容であったとしても、このプロセス自体はネガティブなものではないと覚えておきましょう。そもそも、フィードバックは、自分が成長し、改善を遂げるためのものだということを忘れないようにしましょう。
客観的な姿勢を保つには、マインドフルネスを実践して、その瞬間だけに集中する努力をしましょう。マインドフルネスを実践すると今に集中できるため、ネガティブなフィードバックにつながるような過去のミスを気にするのではなく、今コントロールできる現在の状況に集中できます。またフィードバックセッションを行うときはアクティブリスニングを実践して、聞き逃しが一切ないようにしましょう。インパクトの大きな意見や、感情の入った意見が出てくると注目がそっちに行ってしまいがちですが、一番有益なのはその根底にある情報です。
フィードバックのプロセスは、フィードバックを求め、受け取り、与えるというアクションが伴います。フィードバックを与える側の人は、以下の有益なフィードバックのポイントを押さえましょう。
実行しやすくする
文書化する
非公開にする
会話を始める前に相手に知らせておく
他の気まずい会話と同様、フィードバックを求めるということも、やる度に抵抗を感じなくなっていきます。フィードバックを求め、受け止める度に、チームメンバー、リーダー、そして社員として成長していけると考えながら、定期的なミーティングをセットアップして練習を続けられるようにしましょう。
すでに他のメンバーとコラボレーションをしていれば、フィードバックも求めやすくなります。タスクを順調に進め、チームの各メンバーとスムーズに連携をとるには、プロジェクト管理プラットフォームを活用して、1on1 ミーティングを計画し、プロジェクトを調整しましょう。
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