職場でのコミュニケーションは、友人や家族と違って難しい、と感じることはありませんか?職場ならではの、注意すべきポイントやコツもあります。今回は、職場で効果的にコミュニケーションをとるためのスキルとヒントなどを紹介します。どんな話題を取り上げるべきか、聞き方や話し方のコツ、どんな場でコミュニケーションを取れるかなど、参考にしてみてください。
更新: この記事は、職場における円滑なコミュニケーションの重要性と環境づくりに関する記述を含め、2024年 1月に改訂されました。
現代では、誰もが同僚とほぼ常に連絡をとっています。チームメイトに「こんにちは」と声をかけたり、リモートチームのメンバーとバーチャルコーヒータイムを設けたり、チーム宛にパジャマ姿の猫の GIF 画像を送ったり。あなたもそうしたことを何気なくしているかもしれません。しかし、この種のやりとりと、職場における業務上のコミュニケーションには違いがあります。
職場におけるコミュニケーションとは、業務に関連してとるコミュニケーションを指します。効果的なコミュニケーションとはいつどのように行うべきものなのかがわかれば、行き違いが減り、チームの幸福度が高まり、コラボレーションが改善し、信頼感が育ちます。仕事に関して効果的なコミュニケーションの方法を持っているチームは、問題発生時にも戸惑いません。ただし、職場での適切なコミュニケーション能力や習慣を身につけるためには時間と手間がかかります。そのお手伝いとして、ここでは職場における効果的にコミュニケーションをとるためのスキルをワンランクアップする、12 のコツをご紹介しましょう。
Asana でチームのコラボレーションを向上する方法職場でのコミュニケーションとは、業務に関して職場で行うあらゆるコミュニケーションを指します。これには、個々のタスクに関する連絡、プロジェクトのステータス更新の共有、マネージャーや従業員へのフィードバックの提供などが含まれます。
職場での効果的なコミュニケーションの取り方を知っていることは、コラボレーションの効果を上げるカギとなります。なぜなら、コミュニケーションが明快でなければ、誤解や混乱を招き、ときには意図せず誰かの感情を傷つけて人間関係が壊れることさえあるからです。
職場で意思疎通をする主な相手といえば、同僚同士、上司と部下、チームや組織全体などが挙げられるでしょう。深さの程度にも幅があり、簡単な挨拶や会話程度のものや、仕事の話、業務の情報共有まであります。
シチュエーションによってふさわしい言葉遣いや内容を選ぶ必要があるため、普段のようにはいかない、緊張してうまく話せないと感じる方も少なくありません。
職場におけるコミュニケーションは、対面、書面、ビデオ会議のプラットフォーム上、グループ会議などで行われます。リアルタイムのほか、メールや録画動画、プロジェクト管理ツールなどのプラットフォームを使って、非同期的に発生することもあります。職場におけるコミュニケーションの例は次のとおりです。
チームミーティング
1on1 フィードバックセッション
情報の受け取り
プロジェクトステータスや進捗の連絡
部門をまたぐタスクのコラボレーション
非言語コミュニケーション
上司と部下や、同僚同士が普段から意思を通わせておくことは、仕事を円滑化させて、生産性を上げるために重要です。
HR 総研の行った「社内コミュニケーションに関するアンケート」では、回答した 229 社の人事担当者の 97 % が「コミュニケーション不足は業務の障害になる」と考えていました。
たとえば、上司が話しかけにくい雰囲気だと、部下は不明な点があっても質問できずにそのまま作業を進めてしまい、後日大幅な修正が必要になるかもしれません。上司も部下の進捗状況を把握していないために、必要な指示を与え損ね、結果的にチーム全体の業務が滞ることもあるでしょう。このように、意思疎通が不十分だと、無駄な時間や労力が生じやすくなります。
一方、意思疎通がスムーズな職場なら、上司は部下の進捗状況だけでなく、適性や能力も理解した上で業務を割り振れます。部下も仕事中いつでも上司に相談できるので、改善点があってもすぐに軌道修正することが可能です。
同僚同士でも、手の空いた人が他の人を助けたり、ちょっとしたアドバイスをしたりして、円滑に仕事が進むでしょう。有益な情報から細かな改善点までお互いに情報を交換することで、チーム全体で知識やスキルを共有でき、成果を上げやすくなります。普段から自分の考えを話せる関係になっていると、ミーティングや会議でも活発に意見が交わされ、よいアイディアも生まれやすい、という効果もあります。
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それでは、このような職場でのさまざまな効果的なコミュニケーションの方法と、上達方法を見ていきましょう。タイプを問わず、よいコミュニケーションにはいくつか重要なポイントがあります。特に、優れたコミュニケーションには、次のような特徴があります。
明確さを目指す。 Slack でのメッセージ、メールの作成、とっさの返事など、場面を問わず、伝えたい内容を明確に伝達することを目指します。
対立を生むのではなく、解消することを目指す。 コミュニケーションをとる目的は、問題の解決や、プロジェクトやタスクでのコラボレーションの促進です。問題点を指摘したりフィードバックを行ったりすることも職場における正しいコミュニケーションですが、目標は現状の改善であることを意識しましょう。
双方向である。 職場におけるコミュニケーションはすべて、たとえどちらかが言葉を使ってコミュニケーションをとっていなくても、一方通行ではない情報の交換です。
職場における明快で効果的なコミュニケーションの効果は次のとおりです。
記事: マトリクス組織の定義、その仕組みとは?職場での効果的なコミュニケーションとは、いつどこでどのようにコミュニケーションをとるかに左右されるものです。次の 11 のヒントを試して、コミュニケーションの達人を目指しましょう。
対面、メールやインスタントメッセージでのやりとり、ワークマネジメントプラットフォームなど、コミュニケーションが発生する場はさまざまです。職場でのコミュニケーションの効果を最大限に高めるためには、コミュニケーションのガイドラインに従い、適切な場所で適切な内容を伝えるようにします。
場合によっては、このようなコミュニケーションをとる手段を理解しているだけで、もう半分は成功したようなものです。会社に複数のコミュニケーションツールがある場合は、どのツールを使うべきか把握することがいっそう重要になります。質問やコメントにはどのツールが適しているか、リアルタイムでのすり合わせが必要なのか、メッセージを送っておけばいいのかを確認しましょう。不安な場合は、チームメンバーやマネージャーに、メッセージのタイプごとに使うべきツールを質問します。全員が認識を共有していることが重要です。たとえば、Asana では次のようなツールを使用しています。
記事: 明確なコミュニケーションプランが意外なほど重要な理由職場で会話をする場面といえば、空き時間や仕事と仕事の合間、業務後などが代表的な例でしょう。ちょうどよいタイミングでスムーズに会話を始めるためには、事前の準備が必要です。
1 日 1 ~ 2 つ程度の話題のネタをストックしておくと安心です。経済や最近のニュースなどの堅い話と、スポーツや趣味、食べ物などのライトな話、どちらの話題も用意しておくと、相手やその場の雰囲気に応じて話ができます。
同じ職場で働いているという共通点を活かして、会社や仕事のことを話すのもよいでしょう。たとえば、「あの件どうなっている?」「最近忙しいよね」とひとこと話しかけるだけでも会話が始まります。また、日々の業務で感じていることや今ぶつかっている問題を話題にできるかもしれません。ただし、愚痴や批判に終始せず、どのように対処したらよいかを相手に尋ねるなど、前向きな方向で会話をするよう注意したいものです。
効果的なチームワークの基本はコラボレーション。チームのコラボレーションスキルを強化するためには、オープンで率直なコミュニケーションを実践する必要があります。これは何でも同意するという意味ではありません。反対意見の伝え方や、相手とのギャップの乗り越え方を知ることも、コラボレーションの重要なポイントです。
コラボレーションとコミュニケーションのスキルの関係は、「卵が先か、鶏が先か」のパターンに似ていて、コミュニケーションを効果的に行うことでコラボレーションを向上できる一方、コラボレーションの仕方を知っていることがコミュニケーション力強化のカギでもあります。とはいえ要は時間をかけて両方のスキルを高めていけばいいのです。チームのコラボレーションを改善していけば、職場で情報や自分の意見を伝達するスキルも伸びていきます。結果、そうした率直なコミュニケーションによってコラボレーションがよりスムーズになります。
記事: チームによるコラボレーションの効率をアップさせる 10 個の簡単な手順Asana でチームのコラボレーションを向上おそらくコミュニケーションの行き違いを防ぐ方法として最も有効な方法は対面で話すことでしょう。チームがリモート環境で働いている場合は、ビデオ会議で話す方法もあります。話しづらい話題の場合は、特に対面のコミュニケーションが重要になります。書面では口調を伝えることは難しいため、チームメンバーがあなたの表情やボディランゲージを見られるようにするのが理想的です。
リモートチームや分散チームの場合、ビデオ会議の代わりに電話でのコミュニケーションも有効です。ビデオ会議疲れは実際にある現象で、それがリモートチームのコラボレーションやコミュニケーションの障害になる場合もあります。電話でのコミュニケーションでは、視覚的なストレスを減らしながら、チームメンバーの声や口調を耳で確かめることができます。
職場で効果的なコミュニケーションを行う上では、伝える内容だけでなく、伝え方も重要です。同じ内容を話したとしても、話し方ひとつで印象は大きく異なります。内容に問題がなくても伝え方が悪いと、相手の心証を害することがあります。
たとえば何かを頼みたいとき、「〇〇やって」とぶっきらぼうに言うと、十分に伝わらないばかりか、怒っている印象を与えかねません。一方、「□□さん、〇〇をお願いできますか?」と丁寧に話すなら、頼まれる方も気持ちよく行えるものです。
その他、重要ポイントを伝えるときは、「この点が重要なのですが」などと前置きすることで、確実に相手に覚えてもらえるでしょう。丁寧な言葉遣いやわかりやすい伝え方をすることで、スムーズに意思を通わせられます。
「言葉以外の部分も意識すること」、つまり表情や身振り、声のトーンなど、いわゆる非言語の表現にも注意を払うことが大切です。そうしてはじめて、自分の意図を正しく伝えられます。
非言語的コミュニケーションの重要性は、以下のような例から理解できるでしょう。「〇〇してください」とメールが来た際、文面だけでは怒っているのか、ただ単に頼んでいるのか判断しにくいことがあります。一方、対面で相手の表情を見て声のトーンを聞くと、相手がどのような感情で言っているのか判断しやすいのではないでしょうか。そうであれば、いくら言葉遣いは丁寧でも、無表情で相手の顔も見ずに言うなら、冷たい印象を与えてしまうことがわかります。
自分は話したり聞いたりしているとき、どのような表情をしているか、相手をまっすぐに見ているか、状況に合った声のトーンや大きさか、といった点を振り返り、改善していきましょう。
腕を組んだり、ぶっきらぼうな印象を与えたりしないよう気を付けましょう。疲れていたり、個人的なストレスを抱えていたりすると、その時の状況とは無関係に沈んだ態度をとってしまうこともありますが、事情を知らないチームメンバーはあなたのしぐさを見て、何かに怒りや不満を抱いていると受け止めます。特に、話しづらい内容のやりとりでは、態度や雰囲気、顔の表情をリラックスさせ、思わぬ誤解を招かないようにします。
職場で効果的なコミュニケーションを行うには、話を聞くことも話すことと同じく重要です。よくある誤解として、自分が上手に話せればコミュニケーションは成功すると思っている方が少なくありません。しかし実際のところ、双方が気持ちのよい意思疎通を行うには、上手に話すことだけでなく上手に聴くことが鍵となります。人は自分の話をよく聞いてくれる人に心を開きやすく、そのような相手の話であれば聴きたいと思うようになります。よい関係を築くためには、むしろ聴く技術を高めるべきです。チームメンバーとのコラボレーションを上手に行うには、自分の考えを述べようとするだけでなく、他の人のアイデアにも耳を傾けます。
聞くことには大きく 2 つの種類があります。自分が答えるために聞くこと、そして理解するために聞くことです。自分が答えようとして聞いているときは、その人が話している内容より、自分が次に何を言うかに意識が向かいます。このような聞き方では、重要な情報を聞き逃す、それどころか相手や他の人が今言ったことをそのまま繰り返すといった失態を起こすことがあります。
一方、理解するために耳を傾ける「傾聴」は、自分がどう答えるかを考えずに相手の話の内容に集中します。話したいことを思いついたら、覚えておこうとせず、メモをとって、また傾聴に戻ります。
自分は、相手の話を引き出すような聞き方、聴き方をしているかを今一度考えてみましょう。相手の話に同意できない場合でも、頭ごなしに否定したり、話を遮ったりしていないでしょうか。相づちを打ったり、共感する言葉をかけたりしながら、適切な質問して相手が自分の考えを話しやすくなるように助けましょう。
相手に対しポジティブな見方を持ち、それを伝えるなら、相手との関係がよくなるのはもちろん、チームや職場全体の雰囲気もよくなります。
まずは相手のよいところ、頑張っているところに目を向けて、気づけるように意識的に努力しましょう。そして「気づき」を得たら、小さな点であっても褒めたり感謝したりしてください。「いつも挨拶が気持ちいいね」「仕事が速くて助かる」など、言えることはいろいろあります。
相手も自分は認められていると感じてうれしくなりますし、さらに頑張ろうという気持ちになるでしょう。聞いている周りの人たちも影響を受けて、互いにねぎらったり、感謝したりするようになる効果も期待できます。
「相手の話を聞くこと」に相反する話と思われがちですが、ここでいう「自分の話をすること」とは自己開示のことです。
生い立ちや家族、趣味などのプライベートなことも話すと、相手は親しみを感じるかもしれません。
また、過去の失敗や苦手なことも話すと、相手との距離を縮めることができるでしょう。たとえば、完璧だと思っていた上司が、実は若手の頃には大失敗をしていた話を聞くと、部下は安心するのではないでしょうか。自分が失敗したときも、その上司には相談しやすいと感じるかもしれません。
「事実 vs ストーリー」とは、Conscious Leadership Group の共同創立者、Diana Chapman 氏が推奨するテクニックです。ここでは、「事実」とは実際に起きたこと、いうなればその場に居合わせた全員が簡単に同意する物事を指します。一方、「ストーリー」はその状況に対するあなたの解釈です。
たとえば、少人数のチームミーティング中に、上司があなたに直接フィードバックをしたとします。これが「事実」です。あなたはフィードバックを予想しておらず、上司が 1on1 会議まで待たずにフィードバックしたのは、自分の仕事に不満を持っているからだと感じます。これが「ストーリー」です。なぜなら、あなたはこの解釈が正しいかどうかを知る手段がないからです。
ストーリーを避けることはできません。誰でも事実をもとにストーリーを創り出します。しかし、ストーリーと事実を分けて考え、その内容を検証できるまでは、ストーリーに基づいて行動することは避けましょう。この例の場合なら、次の 1on1 ミーティングで上司になぜチームミーティングでフィードバックをしたのかを質問するといいでしょう。
職場におけるコミュニケーションを効果的にとるには、話す内容と同じく話す相手も重要です。コミュニケーションの問題は、話す相手を間違えたり、話すべきでない場面で情報を共有したりといった場合に起こります。
これを防ぐためには、その場に伝えるべき相手がいて、メッセージを聞いていることを確認します。それが誰なのかわからない場合は、その場にいない重要なプロジェクトのステークホルダーを特定する方法を試しましょう。
記事: プロジェクトマネジメントにおける関係者の分析とその重要性リーダーにはチームのコミュニケーションルールを決める権限があります。効果的にコミュニケーションをとるためのスキルを強化すれば、健全な社内文化と従業員間の信頼関係を築き、複数部門のサイロ化を解消できます。その方法をご紹介します。
チームのコミュニケーションスキルを向上するに当たって、まず、率直なコミュニケーションを阻んでいる根本的な問題がないか確かめます。全員が不安なくオープンに話せるか、自分らしさを出せないとチームメンバーが感じる原因がないかをチェックしてください。
リーダーの重要な役目の一つが、従業員が職場で気持ちよく自分らしく働けるようにすることです。納得できないことがあれば発言できるようにする、仕事以外に熱心に取り組んでいることを話してもらう、従業員たちにとって理想的なコミュニケーションの取り方を率直に聞くなど、内容を問わず、チームメンバーの求めていることを理解し、それぞれがチームの環境に適応しているようにしてください。
記事: Asana を使用し、生み出すインパクトを 75% も増大させた Islamic Relief Canadaコミュニケーションスタイルについてのフィードバックは、リーダーがみずからそれを求める必要があります。職場におけるコミュニケーションはさまざまな共同作業に影響しますが、チームメンバーはそれを即座にフィードバックの対象だとは考えない場合もあるからです。リーダーは自身のコミュニケーションスタイルについて従業員にフィードバックを求めることで、チームのための明確なコミュニケーション戦略を絶えずアップデートし続けることができます。
チームとコミュニケーションをとるもうひとつの効果的な方法は、彼らが求めるコミュニケーション方法について尋ねることです。好みの方法があれば、早めに伝えあいましょう。チームメンバーが好むのが、ビデオ会議なのか電話会議なのか、早朝ミーティングなのか午後のディスカッションタイムなのかを早期に知ることで、効果的なコミュニケーションの方法を整備し、チームがいきいきと働ける環境作りに役立ちます。
チームに質問するべき内容には次のようなものがあります。
チームメンバーは朝型か夜型か。
計画的な会議と自由なブレインストーミングのどちらが好みか。
話しながらその場で考えるタイプか、それとも文章を作って考えるタイプか。
内向的、外向的、どちらでもないなど、メンバーは自分の性格をどうとらえているか。
チームのメンバー同士はすでに親密だと感じているか、それともチームの結束を高めるアクティビティが必要か。
どのような会議やタスクだと特にやる気が出るか。
チームのことをよく知ることは、チームとのコミュニケーションの方法を決めるうえで欠かせません。特に、職場以外の環境でチームのことをよく知る時間を作ることが重要です。場を和ませるアイスブレイクの質問をすると、会議が人間的で楽しくなります。会議の議題に入る前に軽いおしゃべりで始めるとよいでしょう。司会やファシリテーターとして参加するなら、ぜひ実践してみてください。
記事: メンバーたちの緊張をほぐしチーム作りに役立つ 110 以上のアイスブレイク質問リーダーがコミュニケーションをとりコラボレーションを行う方法は、チーム全員に影響を与えます。職場で明快かつオープンなコミュニケーションのお手本を示すのはリーダーであるあなたです。そうしたコミュニケーションを基準に決め、みんなに伝えれば、全員がそれに従います。これが効果的なコミュニケーションの秘訣です。
2、3 か月ごとに、チームのコミュニケーションについて全員がどう感じているか振り返りましょう。過去 2、3 か月のあいだに、奨励すべき、あるいは廃止すべき習慣が生まれてはいませんか?チームのルールを「設定して忘れてしまう」のではなく、チームのコミュニケーション方法を定期的に見直すことで、効果的なコミュニケーションのとり方により意識的になることができます。
記事: Asana を使ってハイチの人々の生活を改善する Hope for Haiti職場におけるコミュニケーションに関する議論は、対面で働くオフィスを想定しています。しかし現実にはグローバルオフィスからリモートチームまで、多様な場所で多岐にわたるコミュニケーションが発生します。ベストプラクティス、つまり効果的なコミュニケーションの多くはどんなチームにも応用できますが、チームメンバーのつながりをいっそう強くするために、それ以外に考慮すべき点や方法がいくつかあります。
分散チームは複数の国のグローバルオフィスで働いています。こうしたチームの間には時差や言語の違いがあり、どのオフィスにもそれぞれ特有の文化や習慣があります。分散チームのすべてに同じようにコミュニケーションすることを期待すべきではありません。そもそも分散チームの利点の一つは、世界中のチームメイトと一緒に働くことで、さまざまな考え方に触れることにあるからです。
分散チームでは、コミュニケーションを多めにとることが重要です。これによってタイムゾーンやオフィスが異なるチームメンバーにも情報が伝わります。オンラインでチームメンバーがアクセスできるセンターのような、信頼できる情報源にあらゆることを記録するようにしましょう。さらに、リアルタイムで更新されるツールを使えば、情報の伝達の遅れによって業務のスピードが落ちることがありません。
時差によって会話の仕方に影響が出ることにも注意が必要です。全員が出席できる時間に会議を設定したり、出席できないメンバーがいる場合は録画とメモを提供したりします。必要な人に情報が伝わっているか、チームの大多数とは違うオフィスにいるために、伝達先から抜け落ちていないか、念を入れて確認することも重要です。
記事: 分散ワークの世界における Asana を使ったチームの再結成と成長バーチャルチームでは、コミュニケーションをとる場所と頻度を決めることが大切です。どのコミュニケーションツールを何の目的で使用するかを正確に把握していれば、リモートで働いていてもチームメンバーがお互いにつながっている感覚を持つことができます。
記事: Asana を使って事業のスケール、ディスラプト、社会貢献のためのブランドデザインを行う Jones Knowles Ritchieリモートチームのメンバーは分断され、孤立しがちなため、チームが気に入るコミュニケーションの方法について、全体で検討することを考えましょう。予告なしの電話を歓迎するメンバーがいる一方で、明確な議題のある予定された会議のほうがいいという人もいます。チームメンバーはお互いに顔を合わせてやりとりするチャンスが少ないため、チームとして好ましい方法を決めることで、コミュニケーションのチャンネルを開いておくことができます。
最後に、メンバーに定期的なチームの交流イベントに参加してもらいましょう。会議の前に毎回、アイスブレイクのアクティビティを行う、毎週末におしゃべりの時間を設けるなど、チームのためだけの時間は、たとえどこにいてもチームメンバーがつながりを育てる助けになります。
記事: 初めてリモートワークを行うチームを上手に管理するための 3 つのコンセプト最後に、気持ちのよい意思疎通を行うための環境づくりの方法について、企業側の目線で解説します。結論からいうと、まずは環境を整えていくことが重要です。
まずは、制度としての環境づくりについて見ていきます。1on1 ミーティングや社内イベントを定期的に設け、コミュニケーションを促進できるでしょう。1on1 ミーティングは、チーム内の誰でも平等に時間を割り振るようにします。社内イベントでは、リラックスした環境で業務中は見せない顔が見られることが多いため、積極的に活用していくことがおすすめです。
また、ランチを一緒に食べるのもよいでしょう。退勤後に食事や飲み会に行きたくない方でも、ランチタイムはもともと会社付近にいなければならない上、時間制限もあるため、抵抗感があまりないからです。気をつけたい点として、業務で困っていることはないか関心は払うとしても、ミスや問題についてその場で叱ったりはしないようにしてください。本来楽しいランチタイムに気まずい思いをさせると、関係性はむしろ悪化してしまいます。
次に、ツールの活用です。チャットツールやビデオ会議システムを活用することで、場所に縛られない意思疎通が可能となります。
チャットツールでは、メールよりも時間をかけずリアルタイムに意思疎通ができるため、細かなことでも報告したり相談したりしやすくなります。チーム全体での情報の共有も容易です。絵文字などを使って簡単に返事をしたり、文だけでは伝わりにくいニュアンスを伝えたりすることもできるでしょう。
ビデオ会議システムを利用すれば、相手の表情や身振りなど非言語コミュニケーションを含めた意思疎通をリモートワークでも行えます。チャットだけでは済ませられない重要な内容の話や会議をする際に利用できるでしょう。
職場で円滑なコミュニケーションを行うためには、相手の話をよく聞いたり、関心を持って褒めたり、自己開示したりと留意すべきポイントが多くあります。一度に全てを意識することは難しいですから、気になったものから一つずつ始めていきましょう。
明確なコミュニケーションに必要な最後の仕上げが、すべてのコミュニケーションと業務関連の情報を集めた、組織の中心となる信頼できる情報源を持つことです。ワークマネジメントツールなどの一元管理が可能なシステムを使用することで、組織のあらゆるレベルで業務を調整しやすくなります。ワークマネジメントによって、プロジェクトの調整やコミュニケーションが円滑になる仕組みについて詳しくは、当社の記事「ワークマネジメントの紹介」をご覧ください。職場での効果的なコミュニケーションを実現する上で有益な情報を得られるはずです。
この電子書籍では、ワークマネジメントとは何かを解説し、ビジネスにどう役立つかをご紹介します。