SoW とは?作業範囲と作業範囲記述書の違いを解説

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2024年2月23日
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概要

作業範囲 (Scope of Work) と作業範囲記述書 (Statement of Work) はどちらも SoW と略されますが、同じものではありません。作業範囲は作業範囲記述書の一部で、プロジェクトの目標をどのように達成するかを記述したものです。この記事では、それぞれの SoW の意味とその違い、構成要素についてご紹介します。

更新: この記事は、SoW の構成要素に関する情報をさらにわかりやすくまとめて、2024年 1月に改訂されました。

あるプロジェクトにおいて、リソースのニーズが社内のキャパシティを超えたために、外部からの支援が必要になることがあります。外部の請負業者や代理店、ベンダーを雇う際には、作業範囲や作業範囲記述書を作成することで、プロジェクトの成功、効果的なコミュニケーション、期日通りの納品を実現することができます。

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では、作業範囲と作業範囲記述書の違いは何でしょうか?また、これらの文書には何が必要でしょうか?この記事では、この 2 つの文書の見分け方と、なぜこれらが貴重なプロジェクト管理ツールとなるのかを説明します。

なお、この記事は法的なアドバイスを目的としたものではありませんので、社内の法務チームと相談して、現在の状況に最適なアプローチを決定してください。

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作業範囲と作業範囲記述書の違い

作業範囲は、重要なビジネス上の検討事項やプロジェクトの目標を定義し、共有するためのツールです。

プロジェクトのニーズに応じて、作業範囲だけが必要な場合もあります。しかし、チームが外部のクライアントや代理店と共同で作業を行う場合は、作業内容を説明するために作業範囲記述書を作成することになるでしょう。この外部向けの文書は、プロジェクトの成果物、要件、目標、スケジュール、費用を包括的にまとめたもので、プロジェクトチームと関係者に、プロジェクトを成功させるために何をすべきかを詳細に説明するものです。

作業範囲 (Scope of Work) と作業範囲記述書 (Statement of Work) はどちらも SoW と略されますが、同じものではありません。この記事では、明確に見分けがつくよう、作業範囲はそのまま「作業範囲」、作業範囲記述書は SoW と記します。

作業範囲と作業範囲記述書の違い

SoW は何の略語?

そもそも SoW の意味は何なのでしょうか?それぞれがどの単語から来ているのかを把握しましょう。

- SoW (作業範囲): Scope of Work の頭文字を取ったビジネス用語。

- SoW (作業範囲記述書): Statement of Work の頭文字を取ったビジネス用語。

作業範囲とは?

作業範囲 (Scope of Work、SoW) とは、プロジェクトに何が含まれていて、何が含まれていないかをチームが理解するためのガイドです。作業範囲は通常、プロジェクトのニーズを明確にし、プロジェクトの目標をどのように達成するかを説明するものです。

この文書には通常、以下のような項目が含まれます。

  • プロジェクト中に行う作業の概要

  • 成果物

  • タイムライン

  • マイルストーン

  • レポート

プロジェクトに作業範囲記述書 (SoW) が必要ない場合は、作業範囲を単独で使用することができます。社内の法務チームに相談して、作業範囲を作業範囲記述書 (SoW) に拡大する必要があるかどうかを判断してください。

作業範囲はどのような場面で役立つのか?

作業範囲は、しっかりと計画されたプロジェクトの基礎であり、プロジェクトをスムーズに進めるために設定されます。この文書は、チームとプロジェクトの関係者がプロジェクトの要件に合意し、順調に、そして期日通りに完成させることを妨げる可能性のある潜在的なリスクを特定するのに役立ちます。

たとえば、作業範囲の下書きを作成しているときに、チームが、あるタスクの納品予定が進行中の別のタスクと競合していることに気づくかもしれません。その場合は、タイムラインを変更し、それに合わせて作業範囲を調整することができます。

作業範囲は、プロジェクトの成果物に関してチームの認識を揃えるのに役立ち、期限の遵守、バックログの抑制や追加費用の回避を可能にします。

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作業範囲記述書 (SoW) とは?

作業範囲記述書 (Statement of Work、SoW) とは、プロジェクトに関わる個人や企業が担当する作業の範囲を定義した文書です。プロジェクトの受注者が作成するケースが多いですが、顧客である発注者が主導して作成し、受注者と合意する場合もあります。プロジェクトに複数の個人や企業が関わるケースでは、事前に計画の全容や誰が何を担当するのか、どこまで作業するのかといったことを明確にしたうえですり合わせをしなくてはなりません。そのために用いられるのが作業範囲記述書です。つまり、二者間の作業合意書であり、プロジェクトの目的を共有するのに役立つ文書です。

SoW は作業範囲記述書のほかに、作業明細書や業務仕様書と訳されることもあります。業種によって SoW の呼び方は異なり、IT 業界では作業範囲記述書と呼ばれることが多いのに対し、コンタクトセンターなどでは業務仕様書と呼ばれることが少なくありません。

SoW は作業範囲に基づいて作成されます。この文書は通常、プロジェクトの開始時に作成され、プロジェクトの目的から詳細なタスク、プロジェクトの費用やスケジュールなど、あらゆることを定義することができます。

この文書は外部プロジェクトで使用されることが多く、組織とクライアント、バイヤー、代理店、または請負業者との間の契約書として機能します。たとえば、外部のデザイン会社と共同でプロジェクトを進める場合や、大規模な建築プロジェクトで請負業者と協力して作業を進める場合に、 SoW を作成する必要があります。

最も複雑な SoW は、政府との契約のために作成されるもので、通常、提案依頼書 (RFP)見積依頼書 (RFQ) の一部となっています。

また、2 つの異なる部署が協力して行う社内プロジェクトにも SoW を使用することができます。

通常 SoW を受け取るのは、次の関係者です。

  • プロジェクトマネージャーまたはリーダー

  • 請負業者およびコラボレーター

  • 契約に関わるすべての人

プロジェクトに SoW が必要かどうかは、社内の法務チームに確認してください。

作業範囲記述書 (SoW) はどのような場面で役立つのか?

しっかりと書かれた SoW と効果的なプロジェクト管理ツールを組み合わせることで、プロジェクトを成功に導くことができます。この文書は、チームと採用した関係者が指示内容を管理し、文書化するのに役立ちます。プロジェクトの内容を詳しく説明したもので、うまく活用すると、論争や誤解を防ぐことができます。

プロジェクトの終了時には、結果をこの文書に反映させ、最終的なパフォーマンスが SoW を満たしているかどうかを確認します。契約内容や法務チームのアドバイスによっては、組織に全額が支払われるか、ボーナスが支払われるか、ペナルティが課せられるかなど、さらなる影響を与える可能性があります。


作業範囲記述書の効果を最大化させるには、プロジェクト管理ツールの導入が有効です。優れた作業範囲記述書を作成しても、適切に管理ができていなければプロジェクトの成功は望めません。効率的な管理を実現できるツールを導入し、作業範囲の調整や進捗状況の細やかなチェックを行うことでプロジェクトを成功へ導けます。

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作業範囲の書き方は?

優れた作業範囲は、重要なビジネス上の検討事項を特定し、プロジェクトの目的と詳細をプロジェクトの関係者に知らせ、共有するのに役立ちます。

作業範囲の書き方

以下のことを念頭に置いて作業範囲の作成に臨みましょう。

  • 【具体的に記載する】プロジェクトの要件と期待される成果について、全員が共通認識を持てるよう、正確で明確な言葉を使用しましょう。また、定量化可能な成果物、マイルストーン、タスクを記載することで、後々に起こりうる混乱を避けることができます。

  • 【図を取り入れる】作業分解構成図のような視覚的な資料を使うことで、関係者全員が情報を簡単かつ迅速に理解できるようになります。また、プロジェクトの成功と予定通りの完了を危うくするようなボトルネックなどのリスクを発見することができます。

  • 【関係者と協力する】前述したように、このプロセスでは法務チームにアドバイスを求めるべきです。このタスクでは、関係者と協力して作業を進めることで、長期的に時間を節約することができます。このように、最初から全員が参加することで、将来起こりうる誤解を未然に防ぎます。

作業範囲の構成要素

作業範囲管理 (スコープマネジメント) 計画はそれぞれ違うため、このセクションに何を記載すべきか、どの程度詳細に記載すべきかは、業界やプロジェクトごとに大きく異なります。疑問がある場合は、社内の法務チームに相談してください。

スコープ管理計画テンプレートを作成

一般的には、以下のセクションで作業範囲を構成します。

作業範囲の構成要素 1. 成果物

作業範囲のこのセクションでは、そのプロジェクトで納品する予定の製品やサービスについて説明します。ここでは、作業分解構成図が役立ちます。

作業範囲の構成要素 2. タイムライン

プロジェクトの主要なフェーズを正確に記述したタイムラインやガントチャートを記載します。このセクションは、プロジェクトの最初から最後まで、チームやプロジェクトに関わるすべての人を導く、視覚的なプロジェクトのロードマップとなります。

作業範囲の構成要素 3. マイルストーン

マイルストーンは、作業範囲と同様に、プロジェクトを簡単に理解できる大きさに分割するのに役立ちます。プロジェクトのマイルストーンをすべて書き出すことで、進捗状況の確認やタイムラインの遵守が容易になります。

作業範囲の構成要素 4. レポート作成

作業範囲には、通常、プロジェクトを通じて作成されるレポートも含まれています。顧客へのステータスレポート、ベンダーへの進捗報告、予算と実績の差を分析するための財務報告など、これらの文書の詳細、作成者、納品予定日などを記載します。

これらのレポートは、プロジェクト全体のコミュニケーションの手段であり、プロジェクトのパフォーマンスを把握するために必要なデータや情報を関係者全員に提供します。

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作業範囲の文書の中には、用語集、頭字語や略語の概要など、プロジェクトを成功させるために必要な詳細を記述したセクションも含まれている場合があります。

作業範囲記述書 (SoW) の作成方法は?

作業範囲記述書 (SoW) の作成方法

作業範囲を作業範囲記述書 (SoW) に反映させることで、外部パートナーの責任範囲を明らかにすることができます。SoW を徹底的に、詳細に、正確に作成することで、チームの足並みを揃え、プロジェクトのすべての詳細に関して認識を合わせることができます。

SoW が不明確な場合、関係者間で混乱が生じる可能性があります。だからこそ、すべてのタスクと詳細を明確に示すことが重要なのです。

作業範囲記述書 (SoW) 作成のポイント

まずは、SoW を作成するときのコツを 8 個ご紹介します。

  • プロジェクトをフェーズ (段階) に分割する。タスクのリストが長すぎると、その量に圧倒されてしまうことがあります。プロジェクトを個々のフェーズに分けることで、チームや関係者のプレッシャーを軽減することができます。

  • 短くてわかりやすい文章で書く。短くてわかりやすい文章で書けば、誤解を招く可能性を最小限に抑えることができます。頭字語や略語を使用する場合は、誰もがその意味を理解できるように用語集 (キーワード集) を添付しましょう。

  • プロジェクトの目的を説明する。プロジェクトの目標とプロジェクトの目的を明確にすることで、なぜこのプロジェクトが重要なのかを関係者に理解してもらうことができます。

  • プロジェクトの目標とその到達方法を明確にする。目標を明確に定義すると、仕事を順調に進められます。また、最終的な目標とそれを達成するためのステップについて、誤解を招く可能性を避けることができます。

  • プロジェクトのマイルストーンと成功を共に定義する。作成プロセスに関係者やチームを含めることで、スムーズで成功しやすいコラボレーションの基盤を作ることができます。

  • 明確で、シンプルで、測定可能な境界線を設定する。プロジェクトの範囲、目標、主要なフェーズなどの境界線を明確に定義することで、後々の論争を回避することができます。誤解を招かないように、定量化できる境界線を設定しましょう。

  • SoW を必ず法務チームに確認してもらう。こうすることで、上述のすべてがしっかりと徹底的に実行されたことが確認できます。社内の法務チームのような第三者は、リスクが発生する可能性のあるセクションを発見し、それに応じてチームが修正するのをサポートすることができます。

  • チームに説明し、定期的に確認する。作業範囲記述書 (SoW) が完成し、承認されたら、チームとすべての関係者が詳細を把握し、プロセスを通じて最新の進捗状況を把握できるようにしましょう。こうすることで、全員が合意した内容を守っているかどうかをモニタリングすることができます。

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作業指示書は法的な側面をカバーすることができますが、プロジェクト管理ツールを使えば、プロジェクト全体のプロセスやパフォーマンスを把握することができます。SoW が完成したら、すべての重要な情報、タスク、期日をプロジェクト計画書に転記し、チームや関係者とリアルタイムで連携し、コラボレーションを行いましょう。

作業範囲記述書 (SoW) の構成要素

SoW は通常、13 個のセクションで構成されています。各セクションでは、プロジェクトの特定の要素を取り扱い、プロジェクト関係者を取り上げます。業界やプロジェクトの範囲に応じて、SoW のセクション数は多くも少なくもなります。

作業範囲記述書の内容について

業界、組織、クライアント、請負業者、その他の関係者の基準や特別な要件に合わせてSoW を作成する際には、社内の法務チームに相談してください。

SoW の構成要素 1. 導入

SoW の冒頭には、一般的に簡単な紹介文があり、この文章を読むとプロジェクトの内容や関係者を知ることができるようになっています。

プロジェクトに参加する企業のなかには、企画を立ち上げた企業のことを知らない会社があるかもしれません。そのため、自社がどのような企業であり、どういった商品やサービスを提供しているのかなど、紹介文を記載します。

そのうえで、今回立ち上げるプロジェクトの内容を記載しましょう。プロジェクトに関わる企業や個人など、関係者の情報も記述します。

記事: 明確なプロジェクトの要旨を作成するための 5 つのステップ

SoW の構成要素 2. プロジェクトの目的

2 番目のセクションでは、プロジェクトの理由を定義します。このセクションでは通常、プロジェクトの目標と目的を説明し、なぜこのプロジェクトが重要なのかを読み手に理解してもらいます。

プロジェクトの完遂によって何を得たいのか、どういった状態になりたいのかを明確にしましょう。そのためには、具体的かつ可視化できる、定量的な目標を設定するのが重要です。たとえば「1 年以内に売上を ○% 増加させる」「月の問い合わせ件数 ○ 件を達成する」などの現実的な目標です。

SoW の構成要素 3. 作業範囲

作業範囲は、SoW の中で最も詳細なセクションになります。このセクションでは、プロジェクトの目標を達成するために必要な作業を記載します。多くの個人や企業が関わるプロジェクトの場合、何をどこまでやる必要があるのかが明確でないと、計画の進行に支障をきたすおそれがあります。

まずは、プロジェクト完遂までに発生する作業の内容を明確にしましょう。たとえば要件分析や基本設計、開発などの作業があるでしょう。作業範囲に含まれるもの、含まれないものを明確にし、そのうえで計画に関わる個人や企業それぞれの担当、役割を定義します。

記事: クイックガイド: 8 個のステップでプロジェクトスコープを定義

SoW の構成要素 4. 作業を行う場所

4 番目のセクションでは通常、プロジェクトが行われる場所を定義します。たとえば、プロジェクトがリモート環境で行われるのか、それともチームメンバーがプロジェクトを完成させるために、現場で会う必要があるのかを明確にします。

SoW の構成要素 5. 詳細なタスク

次に、SoW ではプロジェクト範囲を小さなタスクに分解し、それぞれ完了させます。このセクションでは、プロジェクトを成功させるために必要な具体的なステップを、関係者全員が理解できるように説明します。このとき、各タスクに担当者も割り当てましょう。作業範囲によっては、個々のタスクを視覚化し、読み手がこのセクションを理解しやすくするために、このセクションに作業分解構成図 (WBS) を含めることもあります。

SoW の構成要素 6. マイルストーン

SoW には、タスクの詳細に加えて測定可能なプロジェクトのマイルストーンを定義するセクションを含めることができます。このセクションでは、プロジェクトをより管理しやすい単位に分割し、関係者全員が時間通りに目標を達成するチャンスを与えることができます。

特に長期にわたるプロジェクトの場合、マイルストーンを定めておくことで現在地を明確にでき、ゴールまであとどれくらいなのかを把握できます。中間目標は具体的である必要があるため、「令和 ○ 年 ○ 月上旬」などと数値で目標を設定しましょう。

記事: プロジェクトのマイルストーンを設定し、達成し、祝う方法

SoW の構成要素 7. 成果物

このセクションでは、期待されるすべての成果物をその期日を含めて記載します。通常このセクションには、誤解の余地がないように具体的で定量化可能な成果物が含まれます。

期日のほかに、納品方法や納入場所などに関しても記載しましょう。テスト計画書や仕様書といった中間成果物を記載しておくケースもよくありますが、納品が不要なものもあるため分かりやすく区別して明記します。

SoW の構成要素 8. スケジュール

成果物の期日、各タスクに費やす時間、請求対象時間などをこちらに記載します。またこのセクションには通常、各タスクの開始日と終了日などのタイムラインも含まれています。

期限やスケジュールを明記していないと、納期遅れのリスクを招くおそれがあります。成果物をいつまでに納品しなくてはならないのか、それぞれのタスクにどれほどの時間を割くのかといったことを記載しましょう。なお、各タスクに費やす時間は現実的でないといけません。非現実的な作業時間を設定してしまうと、担当者の反感を買うおそれがあります。

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SoW の構成要素 9. 基準とテスト

プロジェクトに適用される業界固有の基準があれば、ここに詳しく説明します。SoW では、プロジェクトを成功させるために必要なすべてのテスト段階を参照しなければなりません。各テスト段階には、プロジェクトの関係者、必要なリソースや機器、どの段階でテストを行うかなどの情報を記載します。

実施するテストの内容に併せて担当者も記述しましょう。また、テストの基準についても明記します。どのような結果であれば合格にするのか、判断基準を明確にしておかないと現場が混乱します。テストで問題が発生するケースも踏まえ、工数は厳しく見積もりましょう。

たとえば Web 制作関連のプロジェクトなら、脆弱性やセキュリティ、SEO 診断などのテストが考えられます。プロジェクトで発生するすべてのテストを洗い出し、必要なリソースや機器なども記載しましょう。

SoW の構成要素 10. 成功の定義

このセクションには、関係者がプロジェクトの成功とは何かを明確に定義する情報が含まれます。ここが明確でないと、参加者はプロジェクトが成功したのか失敗したのか判断できません。成果物の納品をもって成功とする、など具体的に定義づけしましょう。一般的には、プロジェクト関係者がこのセクションの作成に関与し、プロジェクトの目標についてすべての関係者が同意するようにします。

記事: 戦略プランを支える重要成功要因 (CSF) の活用法

SoW の構成要素 11. 要件

この時点で、SoW にはプロジェクトや作業に必要な特別な要件が記載されます。これには、プロジェクトに必要な機器、チームが取得しなければならない資格、請負業者が取得しなければならないセキュリティクリアランス (秘密取り扱い許可) などが含まれます。

Web やシステム開発であれば、作業環境や使用する開発言語などの要件を定義します。ほかにも、利用する外部システムや CMS、テスト環境なども記載しましょう。開発に使用するデバイス、サーバー、検証機なども記載します。

SoW の構成要素 12. 支払い

このセクションには、プロジェクトに関連するあらゆる費用を含めることができます。ここには、プロジェクトのさまざまな段階で発生する外注費や人件費、外部システムの利用料などを記載します。予算を申請していてまだ決裁がおりていないものも記載しましょう。

また、支払いスケジュールや支払い方法についても、このセクションで説明します。前払いを予定しているのか、マイルストーンごとに支払うのか、納品成功後に支払うのか、あるいは月末締めの翌々月に一括払い、3回の分割払いで指定口座へ振り込みなどといった具合に明記します。

一般的には、支払い条件はスケジュールごとに設定されるか、成果物のマイルストーンごとに設定されます。法務チームや財務チームと調整しながら、それぞれの状況に応じて最適な方法を選びましょう。

SoW の構成要素 13. その他

プロジェクトに関連するもので、まだ記載されていないものはすべてこのセクションに記載します。これは業界によって異なりますが、出張費や要件、セキュリティ上の問題、ソフトウェアやハードウェアの制限、プロジェクト後のサポートやテストなどが含まれます。

社内の法務チームに確認し、このセクションでプロジェクトに関連するすべての事項に対応できるようにしましょう。

【まとめ】作業範囲を使ってスコープクリープを回避する

作業範囲 (Scope of Work) と作業範囲記述書 (Statement of Work) の違いについて解説し、それぞれの書き方と構成要素をご紹介しました。SoW と作業範囲のどちらも、プロジェクトの目標を定義し、チームや関係者に仕事やパフォーマンスに対する説明責任を持たせるために不可欠な役割を果たします。

スコープクリープを防ぐために、作業範囲の文書をできる限り遵守しましょう。そうすることで、期待通りのプロジェクトを期日通りに納品することができます。

プロジェクト管理ソフトウェアを使って作業範囲を調整することで、チームが順調に作業を進め、目標を達成する環境を作ることができます。

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この記事には、チームが SoW や作業範囲について詳しく学びたい際に役立つ、提案や考慮事項が含まれています。これは法的なアドバイスを意図したものではありません。社内の法務チームに相談して、特定の状況に適したアプローチを選んでください。

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