インポスターとは英語で「詐欺師」を意味する単語ですが、インポスター症候群という用語を聞いたことはありますか?また、それを乗り越える方法をお探しですか?この記事では、インポスター症候群に悩んでいる方や、チームメンバーのインポスター症候群を防ぎたい管理職の方のために、Asana が有益なヒントをご紹介します。また、インポスター症候群に悩まされた経験のある Asana 社員が、どのようにしてそれを克服したのか、実際の経験談もまとめました。
更新: この記事は、インポスター症候群に対して企業ができる取り組みに関する記述を含めて 2024年 2月に改訂されました。
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インポスターとは英語の impostor、日本語に訳すと「詐欺師」や「ペテン師」の意味を持つ言葉です。この単語を使った言葉に「インポスター症候群」という心理傾向が存在します。この記事では、ビジネスの世界でもよく見られるインポスター症候群について解説します。自分には居場所がない、自分に今の仕事はふさわしくない。そう感じたことがあっても、それはあなただけではありません。
インポスター症候群 (impostor syndrome) とは、仕事において成功しているにもかかわらず、自分を過小評価していまう心理傾向、つまり自己不信感のことを言います。「詐欺師症候群」や「ペテン師症候群」とも呼ばれている心理状態です。
かなりの成果を上げたり、高い才能を持っている人にとりわけ見られる心理状態で、ビジネスの世界だけでなく、学業や個人的な成果に関連して生じることがあります。インポスター症候群とは何かをまず理解し、自己評価の見直しやポジティブな自己認識の育成を通して、それを克服していく必要があると言われています。
ビジネスシーンにおけるインポスター症候群の主な症状としては、今の仕事は自分に釣り合わず、自分があたかも詐欺師であるかのように感じてしまったり、まるで仕事ができる有能者かのように同僚をだましているように感じてしまう、といった点が挙げられます。成功も周りからの評価も得ているのに、自分が詐欺師であるように感じてしまうインポスター症候群。一般的に、インポスター症候群は自己肯定感の低さから生まれるものとされます。
症状は他にもこんなものがあります。
今の自分があるのは、自分のスキルや能力のおかげではなく、ただ運がよかっただけだと感じてしまう。
主観的に見た自分の能力に基づいて自分の価値を判断してしまう。
満足な成果を上げるためには、完璧主義者である必要があると感じてしまう。
より多くの仕事をこなすために、自分の生活を犠牲にしている。
孤独を感じていたり、本当の姿がばれないように孤立したほうがいいと感じている。
過労やバーンアウト (燃え尽き症候群) による精神的不調。
証拠はどこにもないのに、自分はそれほど有能ではないということをいつか誰かに見抜かれるような気がしている。
このような症状に心当たりがあっても、心配は要りません。Asana の調査では、およそ 3 分の 2 (62%) ものナレッジワーカーが、インポスター症候群を経験したことがあると回答しています。
インポスター症候群は新入社員だけではなく、どんな人でも陥る可能性があります。実は上級職に就いている人ほど、インポスター症候群に陥る可能性が平均より高い傾向にあるのです。
元々は「インポスター現象」と呼ばれていたインポスター症候群は、ポーリン・R・クランス博士とスザンヌ・A・アイムス博士の著書、『The Impostor Phenomenon in High-Achieving Women: Dynamics and Therapeutic Intervention』(成功している女性のインポスター症候群: そのダイナミクスと治療的介入) で初めて紹介されました。1978年に出版されたこの本では、優秀な仕事ぶりが公に認められた、150 人の成功している女性に対するインタビューが行われています。しかしその多くは、自分の成功は運によるものだと考えていたり、自分の功績は誇張されていると考えていたのです。
こうしたインポスター的感情の影響を受けるのは 1970年代の女性だけではありません。現代でもあらゆる職業の成功者やプロがその影響を受けています。
1985年、ポーリン・R・クランス博士はインポスター症候群の研究をさらに進め、「Clance impostor phenomenon scale」(クランス式インポスター現象尺度) という、インポスター症候群を測定する最初の尺度を発表しました。この尺度では、インポスターシンドロームを以下 6 つの側面から測定しています。
インポスターサイクルを持つ
特別または一番でありたいという気持ちがある
スーパーマンやスーパーウーマンのような特性を持つ
失敗への恐れがある
能力を否定したり称賛を受け入れない
成功に対する恐れや罪悪感がある
インポスターサイクルとは、インポスター的な感情の循環的な性質です。このサイクルは、タスクが割り当てられるところから始まります。この時点で、インポスター症候群の人は不安や自己不信を感じます。こうした感情が、先延ばしまたは完璧主義のいずれかにつながります。
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の流行も、インポスター症候群増加の原因となりました。実際に世界中のナレッジワーカーの 47% が、インポスター症候群のような感覚が 2020年に増加した報告しています。自宅など分散した環境下で働く中で、チームから孤立しているように感じてしまうのも無理はありません。
リモートワークでも上手くチームのつながりを維持するのが、仕事のマネジメントソフトウェア Asana です。「誰が、いつまでに、何をやるのか」を明確にすることで、プロジェクトは円滑に進みます。Asana のすべての機能は 30 日間無料でお試しいただけます。
無料トライアルを始めるインポスター症候群の症状は人によって少しずつ異なります。軽いものから重いものまで、そのレベルもさまざまです。最悪の場合、ネガティブな思考が精神的または身体的な限界をもたらし、日常生活にまで支障が出てしまうケースもあります。
一般的なインポスター症候群の特徴を以下に挙げるので、セルフチェックも兼ねてひとつひとつ確認してみてください。
自己不信
自分のスキルや能力を現実的に評価できない
自分の成功を運のような外的要因のおかげだと思い込む
自分の能力不足を恐れる
自分の成功を無意識に妨害している
チームメンバーとの関わりを断っている
完璧主義
過労やバーンアウトの状態にある
高すぎる基準を自分に課している
自己評価が低い
失敗を恐れる気持ちが強い
自分に自信がない
では、インポスター症候群を克服するにはどうすればいいのでしょうか?
もしあなたがインポスター症候群に悩んでいるなら、そういった感情を減らすためにできることはたくさんあります。一番重要なのは、そんな風に感じるのは決して異常なことではなく、「自分だけではない」ということを忘れないことです。
成功したいと思う一方で、自分はそれほど仕事ができるわけではないから……と思うのは、決しておかしなことではありません。そんな気持ちが、だんだんとインポスター症候群へと変化していくのです。
しかし、時間をかけて努力すれば、インポスター症候群は克服できます。ここでは、その対処法をご紹介します。
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インポスター症候群になると、自分は今の仕事に向いていないと感じます。実は多くの場合、この気持ちは現実ではなく恐怖心に基づいています。インポスター症候群に対処する一番の方法は、自分の感情を事実と切り離すことです。
Conscious Leadership Group は、これを「事実対ストーリー」と呼んでいます。「事実」とは、ビデオカメラに映るもののような、目に見える真実のことです。「ストーリー」とは、そういった事実に関するあなたの解釈です。
脳がストーリーを作り出すのを止めることはできませんが、事実を中心に考えることはできます。今度インポスター症候群のような感覚に陥ったときは、その状況の「事実対ストーリー」を考えるようにしましょう。たとえば、チームミーティングで自分の意見を述べた後に申し訳なく思ったなら、チームメイトが実際に言ったことに焦点を当ててみましょう。
事実に対するあなたの解釈が「ストーリー」であるからといって、そこに現れる感情に価値がないというわけではありません。インポスター症候群の対処法は、自分の感情を無視することではなく、むしろ自分の気分が落ちていることを認識し、それが大丈夫であると承認し、その感情が現実に基づいていない場合はそれを手放すことが、一番の対処法なのです。
インポスター症候群は強い孤立感をもたらします。こういった孤立感や孤独感は、ビジネスシーンにおけるインポスター症候群では珍しくありません。今度そういった心理状態になったときは、その気持ちを誰かと共有してみましょう。
自分の気持ちを共有することには、2 つのメリットがあります。
感情を内にとどめず認識することで前へ進める。インポスター症候群の感情は隠していると徐々に大きくなり、対処が難しくなります。感情を誰かと共有することは、その感情を認識し、インポスター症候群克服への道を進むための有効な手段です。
他にもインポスター症候群を経験している人が見つかる可能性がある。インポスター症候群は職場で発生しがちな現象です。あなたが相談した人も、インポスター症候群を経験したことがあるかもしれません。そういった人が見つかることで、そんな気持ちになっているのは自分だけではないと感じることができます。
自分の気持ちを認めたり共有したりしても効果がなければ、証拠を見つけて自分の感情に対抗しましょう。インポスター症候群は多くの場合、事実に基づいていません。事実に焦点を当てて、感情に対抗しましょう。
予定通りに仕事が進まないとよく感じる人は、最近のプロジェクトを振り返ってみてください。自分が行った仕事を確認して、抱える感情が事実に基づいているか判断しましょう。それが事実であるなら、あなたは改善に向けて取り組める具体的な何かを見つけたことになります。事実でないなら、次に頭の中から自分の力不足を責める声が聞こえてきたときはその事実を使って対抗しましょう。
自分の仕事を振り返る簡単な方法がない場合は、Asana のようなワークマネジメントツールをお試しください。こういったツールは自分の仕事を整理し、過去のプロジェクトを振り返り、今後の取り組みを成功させる準備を整えるのに役立ちます。
この電子書籍では、ワークマネジメントとは何かを解説し、ビジネスにどう役立つかをご紹介します。
思考には大きな力があります。あなたの世界との接し方には、現実をポジティブにも、ネガティブにも変える力があります。
ネガティブな心の声によく悩まされる人は、自分の心の声をモニタリングして、可能であれば修正してみましょう。すぐには効果が出ないかもしれません。それでも、時間をかけて行うことでよりポジティブに対処できるようになります。
たとえば、次にミスをしたときは「ひどいミスだった」と考えるのではなく、「あれは最高の出来ではなかったけど、次はもっとうまくやれる」のように考えるようにしましょう。心の中の言葉を言い換えることで、より協力的な脳に作り替えることができます。
インポスター症候群に立ち向かうために、積極的にハードスキルとソフトスキルを鍛えましょう。そうすることで「自分は力不足だ」というような声が頭の中で聞こえても、「今向上しているところだ」と言い返すことができます。
そのためには、メンターを見つけることが有効です。自分の会社や業界で、実用的なアドバイスをくれたりサポートしてくれる人を見つけましょう。尊敬している上司や、他の会社のリーダーでも構いません。
記事: ハードスキルとソフトスキルの違い: Asana チームメンバー 14 名の例インポスター症候群の一般的な特徴の一つに、自分を同僚と比べて、自分の方が仕事ができないと感じてしまうというものがあります。人はつい自分を誰かと比較したくなってしまうものですが、仕事場でランキング付けをする必要はありません。そんな感情を別の形に変える方法はたくさんあります。
今度自分を同僚と比較したくなったら、一歩引いて、その同僚から自分が何を学べるかを考えてみてください。実際、あなたの所属するチームの中にはあなたよりも優れた点を持っている人もいるでしょう。だからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。それはあなたにとって学びの機会となります。同様に、あなたにも同僚の成功のために共有できる独自の才能やスキルがあるのです。
特定の何かが起こった後に、いつもインポスター症候群になっていることに気づくこともあるかもしれません。システム化してしまっている場合は、対処できるように事前にその状況に備えておきましょう。
たとえば、チームのパフォーマンスレビュープロセスで自己評価を記入しているときに、よくインポスター症候群になってしまうとします。そういった振り返りがストレスになるような場合は、四半期や一年の間に達成したことをリスト形式でコラボレーションソフトウェア上に記録するようにしましょう。そうしておけば、パフォーマンス評価の段階ではすでに自己評価が完成しているので心配する必要もなくなります。
正面から立ち向かうのがインポスター症候群への一番の対処法ということもあります。今度何かがうまくいったと感じたときは、それを祝いましょう。できるようであれば、その成果をチームとも共有しましょう。もしまだ今は難しいようであれば、友達や家族など、仕事関係以外の人と共有しましょう。
自分を褒められるのは、いい成果を出せたときだけではありません。自分の持っている資質やスキルのリストを作ってみましょう。「営業に長けている」など役職特有のものでも、「いつもチームメンバーを支えている」のようなもっと一般的なものでも構いません。そのリストをこれまでに上司や同僚から受けたフィードバックと併せて保管しておき、元気を出したいときに見返すようにしましょう。
インポスター症候群は、本来は優秀な従業員の自己肯定感を下げるだけでなく、放っておくと仕事へのモチベーションやパフォーマンスが低下する恐れもあります。そうならないように、企業やチーム側で取れる対策はあるのでしょうか。
前項では、個人が自分のためにできるインポスター症候群の克服法をまとめましたが、ここからはチームメンバーのインポスター症候群予防に企業側がどのような対策を講じていけるのかについて解説します。
重要なポイントは、次の 3 点です。
コミュニケーション
フィードバック
メンタリング
まず第一に、オープンなコミュニケーションを取れる環境を構築することです。自分の感情や気持ちを自由に表現できる雰囲気を作るだけでも、インポスター症候群予防になります。
次に、フィードバック文化を根付かせることも大切です。実績や能力、結果に対して、上司やチームメンバーからはっきりとした形でフィードバックをもらえれば、客観的に自分自身を評価しやすくなります。
最後に、従業員に自己肯定感を高める手段を提供するためのワークショップやトレーニング実施も効果的です。こういった研修はキャリア開発にも確実に効果的で、自分のスキルや成長に自信を持つためのきっかけとなります。
インポスター症候群は、知らなければゴールのない迷路に入ってしまったようなものです。しかし、どう攻略するかを知っていれば、抜け出すことができます。企業は従業員のインポスター症候群に対する耐性を高め、パフォーマンス向上を目指す必要があると言えます。
次のセクションでは、企業が実施できる具体的なインポスター症候群の予防方法についてまとめます。
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ワークマネジメントツール Asana とは?チームを管理している人なら、チーム内のインポスター症候群の可能性を減らしたいと考えるでしょう。そのためには新入社員が初日から活躍できるようなオンボーディング (もしくは OJT) が重要となります。しかしオンボーディングのタイミングでなくても、チームをサポートするために使えるおすすめのテクニックがあります。さっそく見てみましょう。
記事: チームの燃え尽き症候群を防ぐためにマネージャーができることインポスター症候群対策はできれば初日から始めるべきです。期待される仕事内容、成功指標、進捗状況のチェックポイントを明確に説明することで、あなたの部下はこれから何を行うのか明確に理解できます。
まずは新しいメンバーが入社した初日に、30-60-90 日プランを導入して期待値を設定しましょう。期待値となる目標は、オンボーディングで会社のことを学ぶ間に達成できるような短期的なものに合わせます。そして新入社員が慣れてきたら、より長期的な重要業績評価指標 (KPI) を一緒に設定しましょう。ここで重要となるのが、目標を常に測定可能なものにし、期限を設けることです。必要に応じて SMART な目標など目標設定のための手法も活用しましょう。
記事: よりよい SMART な目標作成のためのヒントと実例初日から成功への道を示すだけでなく、新入社員が他のメンバーと交流できる機会を十分に設けるようにしましょう。
早い段階で新入社員にメンターをつけるのも効果的で、隣のチームの同僚をメンターにつけるのが理想的です。そうすることで、自分の上司ではない誰かに相談することができます。
同様に、組織が提供している従業員コミュニティの存在も、忘れずに知らせておきましょう。ERG (従業員リソースグループ) のようなリソースや、仲間同士が集まる活発な Slack コミュニティなどがあれば、気の合う人を見つけやすくなります。子どもがいる場合は子持ちのグループ、犬を飼っている場合は犬を飼っているグループなど、共通点を持つ人たちのグループを紹介するのもいいでしょう。
新入社員にとって、誰に質問すればいいのかわからないような状況は辛いものです。オンラインでのリモート環境下で入社したメンバーは特にそうでしょう。チームや会社のコミュニケーション規範がよくわからないと、チームメンバーは最初のコミュニケーションのハードルを乗り越えるのに苦労することになります。
チーム内で効率的にコミュニケーションを取るには?管理者はチームのコミュニケーション規範をよく知っているので、これはなかなか気づきにくい問題です。だからこそ早い段階で新入社員と話し合い、あらゆる疑問に答えるようにしましょう。たとえば、以下の内容は伝えておくといいでしょう。
どんなときに、どのツールを使うのか
質問があるときは誰に聞くべきか
会議中の質問などに関するチームのルール
コミュニケーション計画を立てることで「手探り」の状態が減り、コミュニケーションのハードルも低くなります。
記事: 職場で効果的にコミュニケーションをとる 12 のコツインポスター症候群は入社初期だけの問題ではありません。上記のような対策を取ることによって初期のインポスター症候群は防ぐことができますが、その後もチームメンバーの様子をこまめにチェックするようにしましょう。
1on1 ミーティングでは、自己評価のために「バラとトゲ」手法や「信号機チェック」手法 (◯△×の 3 段階で評価する) を取り入れてみましょう。新入社員が自分の状況を共有する場を提供し、その経験に応えてあなたも自分の状況を正直に話すことで、感情に関する会話の扉を開くことができます。
チームメンバーのインポスター症候群が疑われるようなときは、不安を煽りたくないあまり、フィードバックの提供がはばかられる場合もあるでしょう。しかし、ポジティブな内容でも建設的な内容でも、フィードバックはメンバーが自分の状況を把握するのに役立つものです。
インポスター症候群は多くの場合メンバーの実際の状況に基づいていません。やり取りの中に頻繁にフィードバックを盛り込むことで、チームメンバーが実際の仕事ぶりに基づいて考えられるようにサポートできます。
記事: 建設的批判をするコツ、受け取るコツ自分は今の仕事に向いていないというような感情から、チームメンバーがインポスター症候群に陥ってしまうこともあります。この問題について管理職やチームのトップを担う人にできることは、チームメンバーのキャリアアップに関する興味と向き合い、その成長をサポートすることです。
たとえば、チームメンバーがマネジメントに興味を持っているなら、新入社員のメンターとしての役割を提案したり、夏の間新しいインターンのプロジェクトを担当させてもいいでしょう。あなたがチームメンバーを信頼し、キャリアアップに向けてサポートしていることを示すことで、メンバーは自分が仕事に適した存在であると思えるようになります。
インポスター症候群は対処の難しい問題です。自分が詐欺師のように感じられても、その気持ちを他人に打ち明けるのは難しいでしょう。またマネージャーの場合はチームをサポートしたくても、インポスター症候群を発見して対処することはそう簡単ではありません。
あなたがどんな立場にありどんな気持ちを感じていたとしても、あなたは一人ではありません。世界で働く人々の 62% がインポスター症候群を経験しているというデータがあります。ここでは、データではあまりピンと来ない方へ、インポスター症候群を実際に体験した Asana 社員の生の声をご紹介します。
“インポスター症候群は人々が考えるよりずっと一般的なもので、どんな立場にあっても起こるものです。むしろ、上の立場になって責任が重くなるほど悪化します。だからこそ、しっかりと戦略を立ててこの問題を認識し、対処することが重要なのです。” – Andrew
“否定したくなるかもしれませんが、聞いてください。重要なのはあなたがどこから来たかではなく、あなたがこれからどこへ行くかです。” – Rishika
“あなたが尊敬する先輩も、かつてはその分野について何も知らなかったのです。実はあなたが思うより人々には思いやりがあり、あなたを助けてくれたり質問に答えてくれたりするものです。” – John
“同僚の肩を叩いてすぐに協力してもらうことができないような状況ではインポスター症候群のような気持ちが強くなりますが、あなたが今の立場にいるのはチームがあなたを信頼しているからだということを忘れないでください。” – Asana チームのメンバー
“仕事やプライベートでの独自の経験が、あなたの考え方を特別で価値あるものにしているのです。緊張しても自分の考えを共有することが、チームでよりよい答えを導き出すことにつながります。” – Erica
“「自分は成長できる」と思っていいのです。「まだよくわからない」という言葉を使ってみましょう。そうすれば、何か知らないことがあっても、それがこの世の終わりではないと自分に言い聞かせることができます。あなたには、それを理解するチャンスがまだあるのですから。” – Leah
“自分を他人と比較しないようにしましょう。人は皆異なる道を歩んでいて、あなたは他人の道の始まりを見ていないだけかもしれません。自分の力不足を責めるのではなく、自分よりも経験豊富な人たちから学ぶようにしましょう。” – Robert
“キャリアアップは難しく、怖いものです。時には自分の手を広げて新しい何かに挑戦することで、自己不信感に見舞われることもあります。でも、あなたは一人ではありません!自信を持つためにサポートやアドバイス、評価が受けられないか、信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。一番厳しい批評家は自分自身ということもあります。” – Asana チームのメンバー
“私は経験豊富なリーダーでさえも不安や自己不信を感じていると気づくまで何年もかかりました。自分が何をしているのかよくわからなくてもいいのです。ほとんどの人がそうですから!上司に率直に気持ちを伝えましょう。そうすれば、あなたが自分の居場所を認められるようサポートしてくれるでしょう。” – Jessica
“最近聞いて心に響いた言葉があります。「人は自分が心の中で批判している自分の姿と、他人が外側に見せる他人の姿を比べている。」” – Dave
“自分の「理想の姿」や「本当の姿」がわからなくても大丈夫。人生は発見です。自分は誰かをまねているだけの存在だと思うのではなく、学び、適応するための猶予を自分に与えましょう。” – Rose
記事: チームの士気が社員のパフォーマンスに与える影響インポスター症候群 (impostor syndrome) について、その主な特徴、対処法と予防法をまとめました。実際にインポスター症候群を体験した Asana 社員の生の声からもわかるように、インポスター症候群は決して珍しい現象ではありません。どうしようもないような孤立感を感じたり、自己肯定感が下がったときは、そのような状況に陥っているのは自分だけではないことを忘れないようにしましょう。インポスター症候群に立ち向かうには、紹介した 15 の戦略を参考にしてみてください。
親身で積極的な聞き手になるためのヒントについては、同サイト内のアクティブリスニングの練習法に関する記事をお読みください。
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プロジェクトの進捗を簡単に報告する方法