ファシリテーターとは?役割、スキル、上手くこなすコツを紹介

古田 弓恵の顔写真古田 弓恵
2024年2月7日
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概要

この記事では、効率的かつ生産的に会議を進行するために欠かせない「ファシリテーター」とは何か、その定義とメリット、役割、必要なスキルをまとめます。実際に会議を進行する際に役立つ、ファシリテーターのコツも紹介するので参考にしてみてください。

更新: この記事は、ファシリテーター関連の研修と資格制度に関する記述を含めて 2024年 2月に改訂されました。

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仕事の生産性を向上することは、結果的にひとりひとりのパフォーマンスアップにもつながる大事なポイントです。それなのに、限られた労働時間の中の大切な一部分を、なかなか意見のまとまらない会議や、ダラダラと討論が続くだけのミーティングに取られてしまっていませんか?もしかしたらそこには、優れた「ファシリテーター」の存在が欠けているのかもしれません。

この記事では、ファシリテーターの意味と役割、メリットを解説し、優れたファシリテーターに求められるスキルとコツをご紹介します。優れたファシリテーターがいれば、会議の進め方、やり方が大きく変わるはずです。

ファシリテーターとは何か?

まずはファシリテーターの意味から確認しましょう。ファシリテーターとはどういう意味なのでしょうか?

ファシリテーターとは、スムーズな会議の進行を実現するための進行役のことを言います。すべての参加者が積極的に意見を交わし、有益な結論にたどり着けるように導く存在です。

ファシリテーターがいない会議やミーティングは、話が飛んでしまったり、それぞれが自分の意見だけを放つだけの場になってしまう可能性があり、それでは会議の目的も達成できないでしょう。そういった状況を避けるため、ファシリテーターは “ガイド” のような立場で参加者を誘導していく存在だとイメージしてください。

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ファシリテーターと司会との違い

では、ファシリテーターと司会は何が違うのでしょうか?司会は、会議などをプログラム通りに進める役割を担っています。一方のファシリテーターは、司会と同じく進行役という役割も担いますが、それだけではありません。一般的に言われる「司会」が行わないような行為、たとえば参加者の意見交換を促したり、和やかな場づくりを心がけたりといった、会議が価値あるものになるための要素を引き出すのがファシリテーターです。

ファシリテーションとは?

ファシリテーターとともによく聞かれるビジネス用語に「ファシリテーション」があります。このファシリテーション (facilitation) は、会議や研修、ワークショップ、プロジェクトなど、グループで行う活動が円滑に進むようサポートする行為のことを指します。このファシリテーションの目的は、参加者の相互理解と合意形成、問題解決です。

ファシリテーターの役割とメリット

ファシリテーターの役割とメリット

具体的にファシリテーターは何をするのでしょうか?ファシリテーターを設けるメリットと合わせて、その役割をいくつかご紹介します。

  1. スムーズな会議進行と適切な時間管理を行う

  2. ゴール達成と結論へ誘導する

  3. 参加者間の活発な意見交換を促進する

  4. 和やかな雰囲気を形成する

記事: 議事録とは?正しい書き方をわかりやすく解説議事録テンプレートを作成

1. スムーズな会議進行と適切な時間管理

まず「進行役」としてのファシリテータの役割で挙げられるのが、スムーズな会議の進行とタイム管理です。高い質の会議を実現するには、まずアジェンダ通りに会議を進行していく必要があります。話が逸れたときは軌道修正が必要になり、そう促すのはファシリテーターの役目です。

また会議がダラダラと長引かないよう、時間管理を行いながら進行をするのもファシリテーターの重要な役割となります。つい議論に熱が入ってしまうこともあるかもしれませんが、そういったケースでもファシリテーターがいれば実りある会議を時間通りに進めることができるのです。

2. ゴール達成と結論への誘導

会議はただ単にやればいいというわけではありません。絶対に周知しておかなければならない情報や、必ず決定しないといけない事項や課題解決など、その都度「目的」が存在します。ファシリテーターには、こういった各会議やミーティングの目的を達成するという、誘導役としての役割もあります。

また、特定のテーマやトピックを討論し結論に結びつけるのも、ファシリテーターの役目です。意見の食い違いや話し合いの方向性がずれたときなどは、ファシリテーターの腕の見せ所です。適切に場をまとめ、軌道修正しなければなりません。優れたファシリテーターがいれば、意味ある会議を開くことができるのです。

3. 参加者間の活発な意見交換を促進

複数人が参加する会議でも、結局意見を言うのは特定の数名。そんな経験はありませんか?みなステークホルダーとして各々の立場で会議に参加しているので、参加者全員の意見を聞くことは意味のあることです。ファシリテーターには、こういったケースで参加者の意見を引き出すという重要な役割もあります。参加者同士の意見交換を活性化することで、新しいアイデアやユニークな発想が生まれるきっかけにもなるでしょう。

4. 和やかな雰囲気形成

会議の雰囲気が穏やかであれば、参加者も自分の意見を言いやすいでしょう。前項で述べた活発な参加者間コミュニケーションを促すためにも、会議の場の雰囲気を整えるのがファシリテーターの重要な役割です。特に初対面のメンバーが多くいたり、新入社員が参加しているなら、議題に入る前にアイスブレイクの時間を設けたりして穏やかな雰囲気を形成します。たとえ意見の対立が起きたとしても、腕のいいファシリテーターなら、場の空気を悪くすることなく、議論を展開していくことができます。

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ファシリテーターに必要なスキルとは?

ファシリテーターに必要なスキル

多くのメリットがあるファシリテーターですが、優れたファシリテーターになるにはどのようなスキルが求められるのでしょうか?以下に挙げるファシリテーターのスキルを磨いて、生産的な会議を進行しましょう。

【ファシリテーターに求められる 3 つのスキル】

  1. 時間管理スキル

  2. 合意形成スキル

  3. コミュニケーションスキル

1. 時間管理スキル

たとえ会議の段取りを完璧に把握していたとしても、予定以上に時間がかかってしまっては効率的な会議とは言えません。ファシリテーターには、限られた時間を最大限有効活用できる「時間管理スキル」が求められます。特に討論する必要があるトピックが多い場合には、時間配分に十分に気を配る必要があるでしょう。予定された会議時間を超過するのを避けることはもちろん、特定の議題に時間を取られ、他の議題に十分な時間を費やせなかったといった事態が起こらないように注意します。


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2. 合意形成スキル

参加者の意見交換を促し、多くの意見やアイデアを引き出したところで、それをまとめられなくては「成果のない会議」となってしまいます。そこで重要なのが、ファシリテーターの合意形成スキルです。優れたファシリテーターはこのスキルを使い、結論に向けて舵を取ります。参加者の見えるところに意見を書き出し、どこに食い違いがあるのか、対立するポイントは何なのかを明確にしましょう。

3. コミュニケーションスキル

ファシリテーターは参加者の発言を引き出しながら会議を進行していきますが、そのプロセスではさまざまなコミュニケーションスキルが必要になってきます。ただ参加者の意見を傾聴するだけでいいときもあれば、応答を求めたり、質問したり、自由に討論してもらうために観察したりと、ファシリテーターはその場に応じて対応していくのです。

記事: マネージャー向けコミュニケーションスタイルガイド

ファシリテーターは、決してチームリーダーである必要はありません。ただし、リーダーシップスキルにはファシリテーションスキルと重なるところも多くあります。リーダーシップスキルについて詳しく知りたい場合は『リーダーに必要な要素とは?リーダーの資質 15 選』をご覧ください。

優れたファシリテーターになるコツは?

もし突然上司からファシリテーターになるよう命じられても大丈夫なように、優れたファシリテーターになるための 3 つのコツをご紹介します。どれも簡単にできることばかりなので、実践してみてください。

【ファシリテーターのコツ 3 選】

  1. 事前に情報を共有する

  2. ゴールを明確にする

  3. 中立の立場を守る

[コツ 1] 事前に、かつ適切に情報を共有する

会議の円滑な進行には、まず事前に情報共有を行うことが必要不可欠です。ここで言う「情報」とは、会議の時間や場所といったことではありません。その日の議題 (アジェンダ)、各議題の時間配分といった内容を前もって参加者と共有しましょう。同時に、参加者からの質問や疑問点、他の参加者と共有したい情報などがあれば、それもまとめて共有します。その会議で何を話すのか、議論のポイントは何かなどが前もってわかっていれば、参加者も自分の考えをまとめてから出席できるので、会議もスムーズに進みます。

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[コツ 2] ゴールを明確にする

会議を開く前に、その会議で「何を達成したいのか」について考えます。会議のゴールは何かを前もって把握しておかなければ、ファシリテーターとして適切に会議を進行、サポートすることはできません。もしかしたらその会議で何か意思決定をしなければならないこともあるでしょう。そういった場合に、参加者の中に意思決定できる者はいるのか、最終的に判断できる人がいないようであれば、できる人にも参加してもらう必要があるでしょう。こういったことは、事前に「会議のゴール」が明確化していなければ分かり得ないことです。

[コツ 3] 中立の立場を守る

最後に挙げるファシリテーターのコツは、中立の立場を終始守ることです。ファシリテーターは会議の進行役であり、調整役、誘導役、サポート役などさまざまな役割を持っていますが、「参加者の一人」になってはいけません。自ら意見することはせず、また意思決定にも加わらないようにしましょう。あくまで一歩引いて、俯瞰的に会議を見守るようにします。たとえ会社のトップ層や上司が参加している会議でも、特定の発言者の意見ばかりを聞いたりせずに中立の立場を守りましょう。

ファシリテーター関連の研修と資格制度

よく聞かれる「ファシリテーターが上手い人の特徴」。こう聞くと、あたかも良いファシリテーターになるにはその素質がなければならないように感じるかもしれません。しかし、これまで見てきたように、ファシリテーターとして上手に会議を進行するのは、ひとつのスキルであり、習得することができるのです。

現在では、多くの組織がファシリテーションに関する養成講座やセミナーを開講しています。このようなコースに通って、自らのファシリテーターとしてのスキルを習得し、磨いていくことも有益でしょう。

また一方で、ファシリテーターの資格を取得するのも、ひとつの目標として明確で、今後の役立つでしょう。公的な資格は存在しませんが、民間のものでしたら認定資格がいくつも存在するので、自分のニーズにあったものを受験してみることもおすすめです。

ファシリテーターを設けて有意義な会議を行う

ファシリテーターとは何か、その意味と役割、メリット、必要なスキルをまとめました。有意義な会議を開くために、ファシリテーターの存在はとても重要です。仕事の生産性や効率性がますます求められる昨今、ファシリテーションスキルは多くの企業にとって評価すべき能力となりました。紹介したファシリテーターのコツも参考に、今後の会議をスムーズに進行できる準備を整えておきましょう。

効率的な会議の実施のためにファシリテーターと組み合わせたいのが、ワークマネジメントソフトウェアです。チーム共通の優れたツールがあれば、ファイルやデータの共有もスムーズに行えるうえ、会議のテンプレートを活用すれば効率的にアジェンダを作成することもできます。

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