だめだとは思いつつも、つい仕事を後回しにしてしまう癖がありますか?先延ばし癖を直したいと思っていますか?この記事では、ビジネスシーンでよくやってしまいがちな「先延ばし」について、その原因と改善方法をご紹介します。
更新: この記事は、先延ばし癖を直す 7 つの方法に関するさらに詳しい記述を含めて 2022年 4月に改訂されました。
このページにたどり着いたということは、先延ばしをやめる方法を探しているのではないでしょうか。しかし、手っ取り早くやる気を起こすような方法では、うまくいきません。なぜなら、先延ばしの問題は、実はやる気の問題ではなく、明確さの問題だからです。
Asana で働く私たちは仕事の明確性についてよく考えます。というのも、優れた結果を出すカギは、明確性を達成することだからです。ただし困ったことに、明確性はいつでも得られるものではありません。サイロ化を防ぎ、大きなインパクトをもたらす有意義な仕事にスムーズに取り組むためには、可視性を確保するための専用ツールと有効なフレームワークが必要です。この記事では、自分の仕事の重要性について明確に把握できていないことが、先延ばしの原因であることを解説し、それを回避する方法をご紹介します。
先延ばしとは、他のあまり重要でないことをしたり、SNS をチェックしたりテレビを見たりするなど、仕事やビジネスに関係ないアクティビティで気を散らしたりして、やらなければならない仕事を遅らせたり、後回しにしてしまう習慣のことです。
先延ばしは、無意識のうちに将来得る可能性のある報酬よりも目先の報酬を好むという、時間的不整合性の一種です。先延ばしにしてはいけないとわかっていても、長期的な目標に向かって努力するよりも、今やってすぐに満足感を得られる方が魅力的ですよね。
この問題を解決する方法の一つが、長期のプロジェクトでもすぐに満足感を得られるようにすることです。チームリーダーなら、日常業務の中で感謝の気持ちを示したり、フィードバックをしたりすることでこれを実践できます。Asana は、この方法を一歩進めて、プラットフォームそのものにお祝いの機能を追加しました。たまにはみんなで画面を飛び交うユニコーンを眺めましょう。
上で解説したとおり、仕事の先延ばしには時間的不整合性が大きく影響しています。多くの場合、自分のやっている仕事はより大きなプロジェクトや組織全体の目標の一部ですが、自分の役職によっては、そのプロジェクトや目標が自分の日々の仕事とは遠く離れたものに感じられることがあります。そして、なぜ自分の仕事が重要かがわからないと、その目の前の仕事を終わらせるモチベーションが湧かなくなってしまうのです。
ここで欠けているのは明確さです。自分のやっている仕事がチームや組織にどのような影響を与えるかを明確に理解し、「自分の仕事」と「チームや会社の目標」を直接結びつけることができれば、モチベーションは高まります。しかし、それを実現するのはなかなか難しいことです。実際、Asana の調査によると、自分の仕事が会社の目標にどのように関連しているかをはっきり理解している社員は 26% しかいません。
自分の仕事が会社の目標にどのように結びついているのかを理解することで、自分がチームや会社にどのような影響を与えているのかがより明確になります。これにより、意思決定が容易になります。会社の目標に最も影響を与える取り組みに基づいて、重要なタスクを意識的に優先させることができるわけです。ただし、目標があまりにも大きく外れていたり、漠然としていたりすると意味がありません。先送りにしないためには、自分の仕事と会社の目標のつながりを明確に把握する必要があります。
記事: Asana のゴール機能を使って「見える化のピラミッド」を構築する方法明確さの問題を解決するには、次の 2 つの方法があります。
チームや部署の目標を作る: 自分の仕事が会社の大きな目標にどうつながっているのかわかりにくい場合は、部署やチームの目標を作ることを検討してください。そうすれば、自分の仕事とチームの目標の線引きができ、自分のインパクトが把握しやすくなります。
個人の仕事と会社の目標を明確に結びつける: チームや会社の目標を設定できない場合でも、自分の仕事が会社のより広い目標にどのように直結しているかを視覚化する方法を探してみましょう。たとえば、会社の大きな目標に向かって推進しているプロジェクトに、自分の仕事がどのようなインパクトを与えているかを理解することで、自分の仕事が与えるインパクトをより深く理解することができます。これは、Asanaのような目標管理プラットフォームで行うことができます。
Asana で目標を設定し、達成する仕事の後回し癖がある人には、どのような特徴があるのでしょうか。もちろん、後回しにしてしまう理由は人によってさまざまですが、一般的には以下のような理由が挙げられます。
怠惰
自制心の欠如
失敗への恐れがある
蓄積された悪い癖
完璧主義
仕事が急ぎではないと感じる
要件に関する混乱
ネガティブなセルフトーク
複雑、または大変なプロジェクトに対する恐怖感
マルチタスク
これらの理由のほとんどは、仕事を先延ばしにしてしまう主な要因である「明確さの欠如」に起因しています。先延ばし癖がついている人は、自分の仕事がなぜ重要なのかを明確に理解していないのかもしれません。これは決して怠けているわけではなく、解決可能な問題です。
Asana で明確性を手に入れるつい目先の報酬に目が行ってしまう先延ばし癖は、締め切りに追われる状況を作り出し、作業効率を低下させ、最終的に仕事のパフォーマンスの質も下げてしまいます。では、自身のキャリアにとってデメリットしかないこの「仕事を後回しにする癖」は、どうやったら直るのでしょうか。私たちがおすすめする 7 つの対処法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
先延ばし癖を直すには、自分の仕事がチームや会社の目標にどのように貢献しているかを明確に理解することが大切です。このような明確さがあれば、仕事は有意義なものになります。仕事のために仕事をするのではなく、より大きなビジョンに貢献することになるのです。
このビジョンは、情熱を感じるものであることが理想です。しかし、たとえそうでなくても、自分の仕事が何か大きなものとつながっていることを理解するだけで、仕事が有意義なものだと感じるようになります。時間的不整合性に悩まされることなく、先送りにしていた仕事に明確な価値を見出すことができるのです。
期日の変更は避けられるものではありません。これは、プロジェクトにスコープクリープが発生した場合や、別のプロジェクトが優先された場合、あるいはチームリーダーが直前のニーズに基づいてリソースを再配分した場合などに起こります。しかし、どの仕事が最も重要なのかを知っていれば、優先順位を積極的に管理することができます。そうすれば、期日やタイムラインが変更されても、実のある結果をもたらす仕事を達成するために必要な明確さを保つことができるのです。
優先順位を明確にすることは、どの仕事が最も重要なのかを明確にすることができるため、後回しにしない方法として有効です。優先順位を明確にすることで、重要でないタスクに時間を割いていないことが理解できます。仕事で時間を無駄にしていると感じるのではなく、なぜ自分の仕事が重要なのかがわかるようになるのです。
記事: 厳しいスケジュールと変化する優先順位を管理する 4 つのコツ仕事を後回しにしてしまう人は、実は完璧主義者だったりします。完璧であることを自分に求めるあまり、それがストレスとなって目の前の仕事を先延ばしにしてしまうのです。しかし、この完璧主義も、多くの仕事上で起きる先延ばしと同様に、明確にすることで解決できます。
完璧主義で悩んでいる人は、自分の仕事のインパクトを明確に把握しておくといいでしょう。完璧を目指すのではなく、目の前の仕事を完遂することに集中することで、会社の目標を可能な限りサポートすることができるのです。それでは、それが何を意味するかを考えてみましょう。
たとえば、ウェブサイトのトップページ用に教育アニメーションを制作しているとします。この作品は多くの人に見てもらうことになるので、完璧主義者のあなたはパニックに陥ってしまいます。それは、結果を重視して、動画を見る人たちのことを考えているからです。そうではなく、動画のゴールとインパクトに注目してみましょう。このアニメーションの目的は、自社製品を知らない人たちに製品の良さを伝えることであり、そのインパクトは教育です。インパクトに焦点を合わせることで、完璧主義のプレッシャーを軽減し、仕事に集中することができるようになるのです。
完璧主義と戦うもうひとつの方法は、「完了」の意味を定義することです。これは、スクラムチームが迅速に作業を進めるために使うテクニックです。「完了」の意味を定義し、それにこだわることで、100% 完璧であるかどうかにかかわらず、作業をやめることができるのです。「完璧にする」のではなく「完了する」ことを念頭に置けば、ストレスも減り、仕事を先延ばしすることもなくなります。それでも迷ったときは、「終わらせることは、完璧にすることより優れている」ということを心に留めておきましょう。
記事: スクラムは初めてですか?ここから始めましょう大きなプロジェクトでは、いつ、どのようにして完成させるのかが明確にならないことがあります。そのため、ついつい後回しにしてしまいたくなるものです。取り組み範囲が広いため、すべての要素を把握し、それらを大きな目標に結びつけることは困難です。そんなときは、タスク (またはプロジェクト) の巨大さに圧倒されるのではなく、自分の仕事を小さなタスクに分割してみましょう。ここで言う「小さなタスク」とは、たとえば「顧客データをまとめる」や「アンケート結果を分析する」などにあたります。こうして分割した小さなタスクは、プロジェクト管理ツールを使って作業を追跡し、整理するのがおすすめです。
Asana のプロジェクトマネジメント機能を試す大きな仕事を小分けにすることが有効な理由は他にもあります。それは、大きな取り組みのすべての要素を担当することはおそらくないからです。たとえば、電子書籍を執筆する場合、下書き、原稿、校閲は自分が担当するとします。しかし、電子書籍をデザインする人もいるでしょうし、電子書籍を承認する編集者もいるでしょう。「電子書籍を作る」という取り組みを複数のタスクに分けることで、着手しやすくなるだけでなく、誰がいつまでに何をするのかが明確になるのです。
記事: RACI チャートのガイド (実例付)複雑なプロジェクトでなくても、やるべきことをリストアップしておくと便利です。自分が何をしているのかを明確に把握していないと、仕事の量に圧倒されて、やらなければならないことを見落としてしまいます。この問題を経験している人は世の中にたくさんいるのです。Asana の調査によると、毎週 26% の割合で、期日への遅れが発生しています。
すべての To-Do を書き出すのは、Getting Things Done (GTD) の手法です。自分のやるべきことを明確に把握することで、仕事を整理し、優先順位をつけ、実行しやすくなります。仕事の記録は、チェックリストではなく、To-Do リストアプリで取るようにしましょう。リストに書き込んでいくのも楽しいですが、アプリで仕事を管理することで、仕事の整理や優先順位付け、重要な To-Do への追加情報、チームメンバーとの To-Do の共有などが可能になります。
優れたバーチャル To-Do リストの作り方を知りたい方は、To-Do リストを作って終わりにしないための 15 の秘訣に関する記事を参考にしてみてください。
Asana で To-Do リストを構築する後回し癖がついている人は、仕事の期日をはっきりさせていないことも多いです。期日を明確にすることで、いつまでにタスクを完了しなければならないのかを明確に理解することができます。そうすれば、期限内に終わらせるように計画を立てることができます。そもそも期日がわからないと、よい仕事はできません。
To-Do リストツールですべての To-Do を把握したら、それぞれの項目に関連する期日を確認しましょう。これは、自分にとってあまり優先度の高くない仕事を見極めるチャンスでもあります。そのような仕事に出くわした場合は、自分の都合がつくまで仕事を延期するか、他の人にそのタスクを任せましょう。
これは、一度やって済むことではなく、日課にしなくてはいけないことです。1 日の終わりにすばやく仕事の優先度を判定し、新しいタスクに期日を設定しましょう。そうすれば、次の日に仕事をするときに、よりよい状態でタスクを進めることができます。
自分の仕事が明確になると、やる気が出てくるはずです。とはいえ、マルチタスクを前にパニックに陥ってしまうときもあるでしょう。そんなときは、ちょっとしたサポートが必要です。マルチタスクを減らし、フロー状態に入るために、時間管理術を試してみましょう。
Getting Things Done (GTD) 手法: GTD 手法は、脳内に記録している情報が多ければ多いほど、生産性や集中力が低下するという考えに基づいています。GTD 手法では、脳に頼るのではなく、すべての仕事の情報を外部の整理された信頼できる情報源に保存することを推奨しています。
ポモドーロテクニック: この手法では、作業と休憩のセッションを交互に繰り返します。25 分間の作業セッションである「ポモドーロ」の後、5 分間の休憩を取ります。ポモドーロを 4 回繰り返したら、長い休憩を取ります。短時間のセッションで作業を集中的に行うことで、生産性を高めつつ、モチベーションを維持できます。
タイムブロッキング: タイムブロッキングとは、1 日のすべての時間をスケジュール化する時間管理戦略です。タイムブロッキングを使うと、メールのチェック、プロジェクトの作業、休憩、エクササイズなど、1 週間の仕事を効果的に細分化できます。
タイムボクシング: タイムボクシングは、生産性を高め、先延ばしを減らす目標指向の時間管理戦略です。タイムボックス (時間区切り) は、特定のタスクを一定の時間内に終わらせるという目標を設定することです。
2 分間ルール: 2 分間ルールとは、シンプルな時間管理の手法です。あるタスクにかかる時間が 2 分以下の場合は、今すぐ実行しなくてはいけません。この方法論は、小さなタスクに注目し、それらをすばやく片付ければ、よりインパクトのある仕事をするために時間と脳力を確保できるという考え方に基づいています。
強引に先延ばしをやめようとしたり、「とにかくやってみよう」という態度をとったりすることはできますが、こうした方法はせいぜい短期的にしか効果がありません。長い目で見れば、先延ばしをやめる最も効果的な方法は、自分の仕事をより大きな目標と結びつけることなのです。それには、自分の仕事を明確に理解することが重要です。
他の自己啓発スキルと同様に、先延ばしをしないようにするには時間がかかります。これまでに身につけた習慣は、一朝一夕で変えることはできません。それよりも、まずは一定期間、自分自身とチームのために明確さを生み出すことに専念してください。自分の仕事がなぜ重要なのかがはっきりしていれば、後回しにする癖も徐々になくなり、仕事へのモチベーションも上がってくるでしょう。
これ以外にどんな方法があるのでしょうか?詳しくは、今日からもっと生産性を高めるための 12の秘訣をご覧ください。