チームをまとめるのはリーダーの役割のひとつですが、一筋縄ではいかないことも多いのが現実です。その原因は、組織構造にあるかもしれません。この記事では、10 の組織構造パターンをご紹介します。ケースによって適切な組織構造も違ってくるでしょう。どのタイプがうまく当てはまるのか、どのタイプならメンバー間の信頼関係を育み、良い雰囲気の中仕事ができるのかを考えてみてください。
更新: この記事は、チーム構造を選ぶときのコツに関するさらに詳しい記述を含めて 2023年 5月に改訂されました。
チームをまとめ、リードし、チーム全体の効率を高める組織構造を実現する方法は、1 つではありません。
チーム構造は、アクティビティ、リーダーシップ、チームメンバーの関係を定義するものです。単純なことのように思えるかもしれませんが、チーム構造は、権限の分配や、メンバー同士が日常的にどのように協力して作業できるかに大きな影響を与えます。
それぞれの組織構造には、さまざまな命令系統があり、コラボレーションソフトウェアを使ってチームワークを促進する方法もそれぞれ異なります。同様に、それぞれが人間関係のダイナミクスを形成し、チームメンバーたちが平等に働ける環境を作るのに役立ちます。
この記事では、機能別組織からフラット組織まで、最も効果的にチームをまとめる方法 10 選をご紹介しますので、自分の目標にあった適切なアプローチ探しの参考にしてみてください。
チームを一つにまとめる力、組織をまとめる力は、リーダーに求められるスキルのひとつです。この記事で紹介する組織構造、チーム構造もチームをまとめるための重要な要素となりますが、そのほかにも、メンバー全員が仕事に積極的に取り組み、チームあるいは組織の明確な目標を共有している必要があります。
チームリーダーやマネージャーがチームをまとめるのに効果的なのが、コミュニケーションに特化した Asana です。ポストコロナのリモートワークでも、チームのつながりを強化し、効率的なコミュニケーションを実現します。
ほとんどの組織図の基本となるのが、ヒエラルキー構造です。ヒエラルキーとは、ピラミッド型の階級組織構造で、最上位から順に役員、取締役、管理職、従業員が配置されています。ヒエラルキーは圧倒的に広く使われており、チームメンバー間に明確な境界を作ります。
多くの組織では伝統的なヒエラルキー構造が採用されていますが、その中にはさまざまなバリエーションがあります。これには、プロセスベースや円形構造などがあり、似たようなヒエラルキーを使用していますが、視覚化の方法が異なります。
チームの規模や複雑さに応じて、構造に含める層の数は異なります。ほとんどの組織には 4 つ以上の層があり、その構造を全社組織図で視覚化しています。
次のようなことを求めているチームをまとめる際、ヒエラルキー構造が効果的です。
わかりやすい報告体制
はっきりとした昇進経路
個々の役職に専門性があること
このアプローチは普遍的な組織構造であるため、ヒエラルキーアプローチはほぼすべてのチームに通用します。
記事: グループとチームの違いとは?ヒエラルキーアプローチとは別に、最も広く使われているチーム構造の 1 つに、機能別組織構造があります。このアプローチでは、チームはスキルや知識に基づいてグループ化されます。そして、このようなグループは、トップダウン方式で各部門間、社長から個々のチームメンバーまで、縦割りで構成されています。
機能別組織とは、経営層 (単一権限者) が各部署を統括するように編成された組織構造です。
このようなチームは企業によって異なりますが、機能別組織のポイントは、専門的なスキルの向上を可能にし、組織の成長に備えることです。
次のようなことを求めているチームをまとめる際に機能別組織が効果的です。
各分野の専門家が集まっている
チームの責任意識が
組織の成長
機能別組織の最大の特徴は、各部門にニッチな専門性を持たせることができることです。
マトリクス構造が他のチーム構造と最も異なる点は、典型的なヒエラルキーモデルに従わないことです。このチーム構造はグリッド形式で構成されており、チームメンバーは複数のリーダーにつきます。この関係は一般的に第一と第二の報告関係として構成されています。
マトリクス組織は、リーダーシップと、最終的には意思決定プロセスのバランスを取るために有用な組織構造です。
どのようなアプローチを選択するかは、チームの性質や報告体制によって異なります。主なメリットは、バランスの取れた組織構造を作ることであり、異なる部署や部門の複数のチームリーダーから各個人への指示系統を確立することで実現できます。
次のようなことを求めているチームをまとめるときにマトリクス組織は効果的です。
ユニットと製品のバランス
コラボレーションとコミュニケーションの向上
リーダーシップの流動的なバランス
この方法は、意思決定の権限を一握りの個人に限定するのではなく、チームメンバーたちに意思決定の権限を与えたいと考えているチームに適しています。
記事: 職場で効果的にコミュニケーションをとる 12 のコツメールやチャット、スプレッドシートなど、異なる場所に情報を点在化させるのではなく、一か所に整理整頓することで、業務効率は向上します。ワークマネジメントツール Asana に情報を集約して、業務効率化を始めましょう。
チーム内で効率的にコミュニケーションを取るには?プロセスベース構造は、社内の部署ではなくさまざまなプロセスを重視します。他の構造と同様に、ヒエラルキー別に編成されており、リーダーシップはこのさまざまなプロセスに関連付けられています。
このタイプのチーム構造は、個々のプロジェクトよりもプロセスが優先される組織に好まれます。ここで言うプロセスは、新しいプロセスであったり、組織がすでに導入しているプロセスであったりします。
次のようなことを求めているチームをまとめるのにプロセスベース構造は効果的です。
効率
組織の成長
さまざまなプロセスに対するサポート
この構造に適したチームは、外部向けのプロジェクトよりも、内部プロセスや効率性に重点を置く傾向があります。
円形構造は、視覚的には異なっていますが、他の多くの組織と同様にヒエラルキー構造を採用しています。内側の円には上位のチームメンバーが、外側の円には下位のチームメンバーが配置されています。円の中心には経営陣が配置されますが、これは各部門長との流動的な関係を表しています。
この円形の組織構造では、全員がつながりながらも、それぞれの円に分かれている環境を築きます。組織内の円の数は、すべての個人が適切なレベルに配置されるまで増加し続けます。
この構造は、その視覚的な性質から、円滑なコミュニケーションを目指す小規模なチームに最適です。
次のようなことを求めているチームをまとめるのに円型構造は効果的です。
コミュニケーションの合理化
スムーズな情報共有
流動的な人間関係
他の多くの構造とは異なりますが、この現代的なアプローチは、リーダーシップとチームメンバーの間で効果的なコミュニケーションを必要とする、リモートワークを採用している組織に適しています。
伝統的なピラミッド型の組織構造とは異なり、フラット構造とは、複数のフラットなレベルを持つ、相互に連結されたクモの巣のような構造のことです。これらのレベルには、役員から中間管理職、そしてマネージャーなど、すべてのリーダーシップ層が含まれます。リーダーシップと個々のチームの間には 2、3 のステップしか存在しないという点で、経営陣と下層のチームメンバーの間に多くのレベルが存在するヒエラルキーアプローチとは異なります。
フラット構造は、共通の目標に向かって結束する集中型または統一型ネットワークを作りたいチームに最適です。
チームや役員の関与の仕方によって、つながりの形は異なります。この構造の主な目的は、リーダーシップと部門横断チームのバランスをとることです。
次のようなことを求めているチームをまとめるのにフラット組織は最適です。
生産性の向上
整合性のある目標
組織の透明性
従来とは異なるアプローチを取ることに前向きであるなら、フラット方式は生産性や明確さに多大な影響を与えます。
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Asana で生産性が向上する理由ネットワーク型の組織構造では、関連するメンバーを結ぶネットワークに基づいてチームを構成します。これは主に、外部のチームに仕事を依頼する組織や、世界各地に拠点がある組織、あるいは複数の中小企業を所有している組織に適しています。
この構造では、それぞれのネットワークが独立した組織として構成され、ハブとハブを線で結ぶことによって構築されています。
チームをハブに分けることで、多くのネットワークで少ない情報を共有するのではなく、ネットワーク内で多くの情報を共有することができるようになります。これは、チームメンバーが自分のハブ内で連絡すべき適切なメンバーを知っている可能性が高く、コミュニケーションが自由に行えるためです。
次のようなことを求めているチームをまとめるのに最適です。
ネットワーク内のコミュニケーション
明確な連絡先情報
ネットワーク内に専門性があること
ネットワーク構造は、必要に迫られて使用されることがほとんどです。ほとんどの組織では、チームがすでに何らかのネットワークに配置されていない限り、ネットワークを使用することはありません。
部門構造とは、各機能を部門にグループ分けしたものです。このタイプの構造の中には、製品特化型構造など、さまざまな専門分野があります。
この方法では、各部門が個々の製品ラインに分割されます。
その上で、各製品ラインを担当するチームを選びます。これは、生産に重点を置き、部門間で責任の範囲を明確にしたい組織で役に立つアプローチです。
次のようなことを求めているチームをまとめるのに適しています。
半自律的な部門
継続的な製品の改良
製品開発に深く関わり、個人作業とチーム作業の両方をバランスよく行いたいチームに向いています。
製品特化型と同様に、市場特化型の部門では、個々の市場に焦点を当てます。これには、異なる業界タイプや顧客タイプなどが含まれます。この構造を採用している組織は、1 つの傘下に複数のブランドを持っていたり、商品やサービスが大きく異なっていたりします。
このタイプの部門構造では、特定の部門に明確な責任を持たせます。この構造を採用している企業は、製品の種類が多く、異なる製品ラインを横断する部門を編成しなくてはいけません。
次のようなことを求めているチームをまとめるのにこの構造が適しています。
一度に一つの市場に集中する能力
チームの専門性
個人の実績
他の部門構造と同様に、市場に特化したこの構造は、個人作業とチームワークの両方のバランスを好むチームに最適です。
最後の部門構造タイプは、地理的地域に焦点を当てたものです。地域、地方、または地区は、それぞれ独立した部門に編成され、明確な境界線と地域間のロジスティックスを生み出します。この構造は、特定の地域の顧客やサプライチェーンのニーズに依存している組織に最適です。
仕事を分割することで、個人の専門性を高めたり、特定の地域での価値を高めるなど、さまざまな機能にプラスの影響を与えることができます。
次のようなことを求めているチームをまとめるのに地域別事業部組織は最適です。
地域社会に貢献できること
地域の顧客やサプライチェーン施設とのコミュニケーション
チームコラボレーション
ネットワーク構造と同様に、このタイプの部門構造は、必要に迫られて使用されることがほとんどです。複数の実店舗があったり、チームメンバーが複数の地域に散らばっていたりするなどの、地理的な制約がない場合は、このアプローチを使うかどうか検討する必要すらないでしょう。しかし、地理的に分散しているチームのためのソリューションを必要としているチームにとっては、便利なアプローチとなるでしょう。
組織に適したチーム構造は、各チームの規模や役員の数、さらには企業の価値観など、さまざまな要因によって異なります。伝統的なアプローチをとるところもあれば、現代的なアプローチをとるところもあるでしょう。
新しいチーム構造を検討する際に考慮すべき主な要因としては、コミュニケーションとリーダーシップのバランスが挙げられますが、これらはどちらもチームのダイナミクスを左右するものです。
組織内のコミュニケーションと明確さに関しては、多すぎても少なすぎてもバランスが取れません。過剰なコミュニケーションは、混乱や従業員の燃え尽き症候群を引き起こしてしまいます。逆に、コミュニケーションが少なすぎると、仕事が重複し、生産性が低下します。
バランスのとれたコミュニケーションと明確さを体現するチーム構造には、次のようなものがあります。
マトリクス構造
円形構造
ネットワーク構造
このような構造は、開発チーム、マーケティングチーム、その他多くのチームで使用することができます。
組織のコミュニケーションに必要なバランスと同様に、リーダーシップとチームメンバーの間のダイナミックな関係も重要です。上層部と下層部の間に大きなギャップがあると、明確さを欠き、コミュニケーションに問題が生じる可能性があります。
バランスをとるのは難しいことです。リーダーシップを発揮する人は、組織に大きな影響を与える分野の権限を持つべきです。しかし、少数の個人に権限を限定すると、大多数のチームメンバーの力を奪うことになります。
リーダーシップの権限のバランスが取れたチーム構造には、次のようなものがあります。
フラット構造
マトリクス構造
ヒエラルキー構造
適切な権限構造を使用することで、チームがアイデアを提供でき、インパクトのある仕事ができる環境を作ることができます。
記事: リーダーシップとマネジメントの違いとは?チームの構造は、チームビルディングから従業員の士気、さらにはビジネスの成功にまで影響を与えます。プロジェクトマネージャーとして、チーム間の境界を明確にすると、生産性とパフォーマンスが向上します。
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