チームの意欲を引き出すストレッチゴールの設定と追跡方法

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2024年2月5日
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概要

ストレッチゴールは、チームがコンフォートゾーンを抜け出すように、意図的に設定された野心的な目標です。すべての人に当てはまるわけではありませんが、すでに高い業績を上げているチームは、ストレッチゴールによってさらに勢いづく可能性があります。ストレッチゴールは、チームの意欲を引き出し、モチベーションを高めるだけでなく、会社の業績にもプラスの影響を与え、成功の可能性を高められます。

あなたがもし、常に目標を 100% 達成するタイプの人なら、チャレンジ精神が足りているだろうか、と自問してみてください。自分のコンフォートゾーン (安全な範囲) の外に目標をいくつか設定してこそ、真の進歩が実現できるのです。このような目標をストレッチゴールと呼びます。

ストレッチゴールは、自分自身、プロジェクト、あるいは組織全体に対して設定する、意図的に挑戦的な目標です。組織全体の場合は社運を賭けた大胆な目標 (BHAGs) と呼ばれています。

この記事では、ストレッチゴールの定義、それを活用してチームのパフォーマンスを高める方法、そしてチームの意欲を引き出すストレッチゴールの設定方法についてご紹介します。

ストレッチゴールとは?

ストレッチゴールを利用することで、意図的に挑戦的な目標を設定し、チームの意欲を引き出して、パフォーマンスを向上させることができます。ストレッチゴールを適切に設定すれば、チームの活性化につながり、コンフォートゾーンを抜け出し、パフォーマンスを向上させる機会へと導けます。

たとえ達成できなかったとしても、ストレッチゴールは、コンフォートゾーンを抜け出し、高みを目指す際に役に立つ手段です。さらに、ストレッチゴールは、達成か未達成かにかかわらず、新たな目標を設定する際に指標として活用できます。

ストレッチゴールとは

たとえば、前四半期に 5,000 個の製品を販売した場合、次の四半期には 8,000 個の製品を販売するというストレッチゴールを設定できます。60% 増は厳しい数字に思えるかもしれませんが、まだ実現可能な範囲です。ストレッチゴールは野心的であるべきですが、達成不可能なものであってはなりません。たとえば、次の四半期に 15,000 個の製品を販売するという目標を設定しても達成できない可能性が高いでしょう。

記事: 成功を評価するために使用できる 22 種類のビジネス目標

Asana では、ストレッチゴールを好んで使っています。実際、Asana では、目標の約 70% を達成することを目標にしています。こうすることで、自分たちがチャレンジングな目標を設定していることを自覚でき、次の四半期に向けてよりよい目標を設定できます。

Asana で目標を設定し、達成する

ストレッチゴールを設定し達成する方法

目標達成を夢見ることと、ストレッチゴールを設定することは別物です。以下では、ストレッチゴールの設定と、それをチームがどのように達成するかを明確にするステップをご紹介します。

  1. 自由回答形式の質問を自分に問いかけて、ストレッチゴールを定義する。ストレッチゴールを達成した場合の最良のシナリオはどのようなものか考えてみましょう。「チームは、現在の作業プロセスをどのように改善できるか?」「どうすれば業界によい影響を与えられるか?」など、このような質問をすることで、どのようなストレッチゴールを設定すべきかを判断できます。

  2. チームや会社が使用できるリソースを考慮する。ストレッチゴールの達成を目指すうえで役に立つリソースはあるかどうか、この時点で見極めます。

  3. ストレッチゴールを設定する。このプロセスでは、チームを集め、この大きな目標に対する責任感を持たせます。そして、追加リソースの割り当て方法、タイムラインの設定、ストレッチターゲットを含むアクションプランの作成について、一緒にブレーンストーミングを行いましょう。

  4. 進捗を記録し、頂点を目指す。ストレッチゴールは必ずしもチームの最優先事項ではありませんが、モチベーションの向上に役立ちます。チームの進捗を記録し、マイルストーンを達成するたびにお祝いしましょう。

  5. ストレッチゴールを評価する。四半期末、あるいは自分で設定した期間までに、ストレッチゴールに到達していなくても、問題はありません。それは、プロジェクトが失敗だったということではなく、チームに対して野心的な目標を設定したことの証明に他なりません。なぜ目標に届かなかったのかをじっくりと評価し、その結果から学びましょう。

ストレッチゴールは、目標を達成するために必死になり、チームが今以上に仕事に時間を費やすようなものであってはなりません。むしろ、ストレッチゴールは、チームの意欲を高め、生産性を高める原動力となるべきものです。

ストレッチゴールのパラドックス (逆説)

ストレッチゴールは誰にでも向いているわけではありません。目標を設定する前に、チームがこの目標設定ツールを使う準備ができているかどうか、またいつ使えるかを評価することが重要です。

ストレッチゴールのパラドックスとは、ハーバード・ビジネス・レビューが紹介したもので、ストレッチゴールを使うべき組織がほとんど使わず、その逆もまた然りというものです。

興味深いことに、多くの場合、ストレッチゴールは順調に仕事に取り組めているチームに向いています。チームが好調であれば、ストレッチゴールに対して気後れすることはなく、高い目標の達成を意欲的に目指せる可能性が高いのです。

苦戦しているチームは、ストレッチゴールに焦点を当てるのではなく、順調に仕事が進められるようになるまで、小さな成功、あるいは小さな失敗に焦点を当てるべきです。そうなれば、ストレッチゴールを達成するために必要なリソースを集めることに集中できるようになります。

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以下のフローチャートを参考に、チームが現在の状態でストレッチゴールを設定できるかどうかを確認してください。

ストレッチゴールは自分に合っているか?[フローチャート]

ストレッチゴールの例

プロジェクトの目標、ストレッチゴール、そしてまったく達成不可能な目標は紙一重です。以下で、野心的でありながら現実的なストレッチゴールの例をご紹介します。

スモールビジネスのストレッチゴールの例: 2 年後に、自分が経営するスモールビジネスの実店舗の 2 号店をオープンする。

  • ストレッチゴールである理由: スモールビジネスは順調に成長しているが、今すぐには 2 店舗目を出店できない場合は、上の目標をストレッチゴールにすることをおすすめします。そうすることで、将来的に新しい店舗をオープンすることを夢見て、チームのモチベーションを維持できるようになります。

プロジェクト管理のストレッチゴールの例: 年末までに会社の収益を 50 ~ 60% 増加させる。

  • ストレッチゴールである理由: 昨年 35% 増収したのであれば、翌年は 40% の増収が目標になるでしょう。しかし、それでは本当の意味でストレッチしているとは言えません。50%、あるいは 60% と、少しずつハードルを上げることで、野心的なストレッチゴールになるのです。

セールスチームのストレッチゴールの例: 四半期末までに社内でトップの営業チームになる。

  • ストレッチゴールである理由: チームが常にトップ 10 に入る業績を上げている場合、上の目標は野心的ではありますが、決して達成不可能なものではありません。これこそが、モチベーションを高めるストレッチゴールなのです。

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ストレッチゴールのメリット

ストレッチゴールは、チームのパフォーマンスを高め、チームの士気を向上させるのに役立ちます。ストレッチゴールの最大のメリットは以下のとおりです。

  • 革新性: ストレッチゴールは、マンネリ化した職場環境に新しい息吹を吹き込みます。プロジェクトや組織を前進させるのに必要な創造性や意欲がチームに欠けている場合、ストレッチゴールはモチベーションを高めるきっかけとなり得ます。

  • 生産性: ストレッチゴールは、生産性の向上を必要としているチームにとって、ぴったりなモチベーションになり得ます。野心的な目標は、チームが最もインパクトのある仕事に集中するのに役立ちます。そして、それこそが、あなたがチームに求めていることなのです。

  • コミットメント: 多くの場合、ストレッチゴールが野心的であるのは、それが会社のミッションに直結しているからです。ビジネス全体の成功に貢献しているという実感があれば、チームはその成果を達成するためにさらに努力するようになります。

  • 熱意: 意欲を高めるストレッチゴールを設定することで、チームが使用できるリソースを活用し、クリエイティブになって問題解決の方法を見つけるように後押しできます。

最も重要なのは、ここで紹介したメリットがすべて、チームや組織の成功の可能性を高めるということです。チームのコミットメント、生産性、熱意、革新性が高ければ高いほど、企業がチームのパフォーマンスからメリットを得る可能性は高くなります。

ストレッチゴールの落とし穴

ストレッチゴールは厄介なものです。正しく設定しないと、解決策よりも問題を増やしてしまう危険性をはらんでいます。

リスク: 曖昧で漠然とした、あるいは途方もないストレッチゴールを設定すると、チームがまとまりを欠き、やる気を失い、さらには不満を感じる可能性があります。

  • 解決策: SMART なストレッチゴールを設定します。ストレッチゴールといえども、具体的で、測定可能、達成可能、現実的、かつ期限があるものであるべきです。SMART な目標を使うと、設定した目標がチームにとって達成不可能な目標でないことを確認できます。目標を管理するには、目標設定ソフトやワークマネジメントソフトウェアを利用しましょう。

SMART な目標とストレッチゴールの比較
Asana で目標を設定し、達成する

リスク: ストレッチゴールは、チームのスキルから外れている可能性があります。達成不可能な目標だと感じたチームメイトは、モチベーションを失ってしまうかもしれません。

  • 解決策: ストレッチゴールは、チームにとって新しいスキルを身につけ、学ぶチャンスであることを伝えましょう。すぐにすべてを完璧にこなせるとは思っていないことを伝えることが大切です。

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リスク: ストレッチゴールは難しいという印象を与える可能性があります。締め切りが近づくにつれ、チームはストレッチゴールを達成できるわけがないと感じ、プレッシャーを感じるようになる可能性があります。

  • 解決策: 固定された数字や日付ではなく、範囲を使用します。「12月までにビジネスを 500% 成長させる」という目標は「12月から来年の 3月までにビジネスを 400 ~ 500% 成長させる」という、シンプルな目標に調整できます。

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リスク: ストレッチゴールは、必ずしも達成しなくてはいけないものではありません。目標達成できないことが失敗だと感じてしまうと、チームはやる気を失い、ストレスを感じてしまう可能性があります。これでは、期待した効果と正反対の結果となってしまいます。

  • 解決策: ストレッチゴールとは何かと、それを達成できなくても誰も困らないことを明確に伝えます。目標を達成することは大きな成功ですが、ほとんどの場合、意欲を高めるために設定されます。

ノーマン・ヴィンセント・ピールはかつてこう言いました。「月を目指しなさい。たとえうまくいかなくても、どこかの星に着陸するでしょう。」

夢は大きく、追跡はスマートに

ストレッチゴールがどんなに大きく、ワイルドなものであっても、Asana を使えば追跡できます。

Asana の目標設定ソフトウェアは、明確な目標に向けて全員の足並みを揃え、個々のアクションを促すように設計されています。そのため、ストレッチゴールを目標達成に変えるという、本当に重要なタスクに集中できます。

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