フローチャート (フロー図) とは?記号、種類、書き方を解説

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2024年2月28日
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概要

業務フローやプロセスのアルゴリズムや各ステップを視覚的に示す「フローチャート (フロー図)」。この記事では、フローチャートとは何かを解説し、それぞれの記号の意味、フローチャートが役に立つ場面、そして仕事に活用できるフローチャートの種類についてまとめます。フローチャートの書き方もご紹介するので、参考にしてみてください。

更新: この記事は、フローチャートを使って仕事を効率化する方法に関するさらに詳しい記述を加え、2023年 7月に改訂されました。

フローチャートは、複雑なプロセスをチームのために視覚化するのに非常に便利なツールです。フローチャートを作成するために使用できる標準化された記号は 30 種類以上にものぼり、プロセス、文書、必要な判断など、さまざまなものを表します。ここでは、フローチャートとは何かを簡単に解説し、フローチャートの種類と記号、活用シーンをご紹介します。また、フローチャートの書き方、作成のヒントになる例もいくつかご覧いただきます。

フローチャートとは?

フローチャート (flowchart) は、業務のプロセスや業務フローのステップ、システム、順序、判断、コンピューターアルゴリズムなどを表した流れ図のことを言い、「フロー図」とも呼ばれます。

多種多様なフローチャートがありますが、基本は最も単純な形式のプロセスマップと言えるでしょう。フローチャートでは、長方形やひし形などの図形を使い手順を定義し、流れを矢印でつなげることでフローを視覚的に表していきます。

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【フローチャートの歴史】

1921年、工業エンジニアのフランク・ギルブレスとリリアン・ギルブレスの夫妻が、初めてこのツールをアメリカ機械学会 (ASME) に紹介しました。それ以来、多様な業界のプロセスを最適化するために、フローチャートは改良を重ねられ、規格化されてきました。

フローチャートは現在、簡単に手書きしたものから、専用のソフトウェアを使って作成された詳細なワークフローダイアグラムまで多岐にわたります。チームや部門、さらには業界全体で使われるフローチャートを理解しやすくするために、米国国家規格協会 (ANSI) では、1960年代に公式な規格を定め、それが 1970年に国際標準化機構 (ISO) によって採用されて、引き続き改訂や改良が加えられています。この規格の最新版は、2019年に承認されました。

フローチャートの目的は?

フローチャートを使用する目的は、プロセスやワークフローの計画、視覚化、記録、改善です。

複雑化しやすい業務の場合は、チームメンバーと共有するときに混乱が生じることもあるでしょう。そういったケースでは、フローチャートを利用しワークフローやアルゴリズムを図式化することで、構造全体が視覚化され、的確な情報伝達が可能となります。フローチャートの重要性はまさにそのポイントであり、プロジェクトメンバーやステークホルダーと共通認識を持つことで、業務やプロジェクトをスムーズに、かつ効率的に進めることができます。

ワークフローを構築することで、チーム間の認識のずれをなくし、スムーズな共同作業を実現します。Asana のワークフローは、毎日使うツールと連携して仕事を一元管理できるので、仕事の効率・生産性も向上します。

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フローチャート記号

フローチャートは、欧米式に、上から下、左から右へと読みます。では、よく使用されるフローチャートの記号とその名称、意味と使い方を見ていきましょう。

フローチャート記号: フローライン、端子、処理、コメント
  • フローライン: 2 つのブロックをつなげて、プロセスの進む方向を示します。

  • 端子: フローチャートプロセスの開始と終了を表します。

  • 処理: プロセスのステップを表します。フローチャートで最もよく使用される記号です。

  • コメントまたはメモ: ステップに追加情報があることを示します。コンテキストに沿って表示されます。

フローチャート記号: 判断、格納データ、OR 記号、入力 / 出力
  • 判断: プロセスの次のステップに到達するために下す必要がある判断を示します。通常は、正 / 偽の判断や、はい / いいえで答える質問です。

  • 格納データ: データファイルやデータベースの記号です。

  • OR 記号: プロセスのフローが 3 つ以上に分岐して継続することを示します。

  • 入力 / 出力: 外部データの入出力のプロセスを表す記号です。データ記号とも呼ばれます。

フローチャート記号: 表示、ドキュメント、遅延、手動入力
  • 表示: 関連の情報が表示されるステップを表します。

  • ドキュメント: 1 つのドキュメントを表します。

  • 遅延: プロセス内の遅延期間を計画し、表示するために使用します。

  • 手動入力: システムに手動で入力する必要のあるデータや情報を表します。

フローチャート記号: 手動操作、ページ外コネクタ、ページ内コネクタ、和接合
  • 手動作業: プロセスに対する手動の作業または調整を表します。

  • ページ外コネクタ: 異なるページに属する 2 つの記号を接続するために使用します。

  • ページ内コネクタ: 2 つの記号を結合したり、長いラインを置き換えたりして、フローチャートをシンプルにします。結合子とも呼ばれます。

  • 和接合: 複数のパスを 1 つのプロセスにまとめるために使用します。

フローチャート記号: 代替処理、定義済み処理、複数ドキュメント、準備または初期化
  • 代替処理: この記号につながる線は通常、破線です。代替処理記号は、必要な場合に通常の処理ステップの代替となる手順を意味します。

  • 定義済み処理: すでに別途定義されている処理 (サブルーチン) を表します。

  • 複数ドキュメント: 複数のドキュメントを表します。

  • 準備 / 初期化: プロセスの準備や初期化のステップを表します。

記号が表すものを把握すれば、ほぼどんなタイプのフローチャートも読み解き、あるいは作成して、視覚化したプロセスをよりよく理解できます。さまざまな形や記号が必要なフローチャートを作成する際には、チームメイトにわかりやすいように、凡例を追加しましょう。

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フローチャートの種類

フローチャートは非常に有用なツールであるため、さまざまな分野や業界で利用されています。教育、販売、マーケティング、ビジネス、エンジニアリング、製造など、ほぼどんな業種においても、フローチャートが活用されているのです。

視覚化しようとしているプロセスの種類によって、使うべきフローチャートも異なります。Mark A. Fryman (マーク・A・フライマン) の 2002年の著作『品質およびプロセスの改善 (Quality and Process Improvement)』によると、ビジネスで使用されるフローチャートには、次の 5 種類があります。

ビジネスフローチャートの種類
  • 意思決定フローチャート: 判断の正当性を示すために必要なステップを説明する際に使用します。このタイプのフローチャートを使うと、さまざまな判断による結果を予測しやすくなります。

  • ロジックフローチャート: プロセスの破綻や問題の原因となりうる、プロセスの抜けやボトルネック、制約を発見するために使用します。

  • システムフローチャート: システム内のデータの流れを表します。経理業務でよく使用されるフロー図です。

  • 製品フローチャート: 製品の製造プロセスと手順を可視化します。このタイプのフローチャートは、新製品のリリースや、製造プロセスの改善を行う際のプロセスの記録に活用できます。

  • プロセスフローチャート: プロセスによってどのように結果が達成されるかを表します。既存のプロセスの改善や、新規プロセスの確立のために作成する場合が多いフローチャートです。スイムレーン図は、プロセスフローチャートの一例です。

記事: Plan (計画) - Do (実行) - Check (評価) - Act (改善) (PDCA) サイクルとは?

【その他のフローチャート】

フライマンが定義したビジネス目的のフローチャートのほかにも、長年のあいだにさまざまな種類のフローチャートが開発されています。広く一般的に使用されているフローチャートのいくつかは、Alan B. Sterneckert (アラン・B・スターネッカート) が 2003年の著書『重大事象管理 (Critical Incident Management)』で提示したもので、次のようなものがあります。

  • 文書フローチャート

  • データフローチャート

  • システムフローチャート

  • プログラムフローチャート

Andrew Veronis (アンドリュー・ベロニス) は、1987年に、『マイクロプロセッサ: 設計と応用 (Microprocessors: Design and Application)』という著書で、次の 3 種類のフローチャートについて解説しています。

  • システムフローチャート

  • 一般フローチャート

  • 詳細フローチャート

その他にも、一般的なフローチャートの種類には次のようなものがあります。

  • PERT チャート

  • ワークフローフローチャート

  • スイムレーン図

  • データフロー図 (DFD)

  • プロセスフロー図 (PFD)

  • 業務プロセスモデル表記法 (BPMN 2.0)

  • 仕様記述言語 (SDL) フローチャート

  • イベント駆動型プロセスチェーン (EPC) フローチャート

プロセスドキュメントフローチャートは、Asana のプロセスのドキュメンテーションに関する記事で解説しています。

フローチャートの書き方

ノートにフローチャートを走り書きするにも、フローチャートテンプレートを使って正式なプロセスを計画するにも、実用的で便利なフローチャートを作成するには、次の 5 つのステップを行う必要があります。フローチャートの書き方を確認しましょう。

フローチャートの作成方法
  1. 【目的とスコープを定義する】製図板に向かったり、フローチャートツールを開いたりする前に、まずはプロジェクトスコープと、プロセスの目的を定義しましょう。プロジェクトによって何を達成するのか、開始日と終了日はいつが適切かを考えます。

  2. 【タスクを時系列に並べる】作成するフローチャートの種類に応じて、既存の文書を確認したり、過去の経験についてチームメンバーに聞き取りをしたり、これまでのプロセスをチェックしたりといったことが必要になるかもしれません。フローチャートの下書きを作成する前に、ステップの一部をリストにするとよいでしょう。

  3. 【タスクを種類別、記号別に整理する】すべてのタスクを書き出し、時系列に整理したら、それぞれに該当する記号を割り当てて、フローチャートを作成する準備をします。

  4. 【フローチャートを作成する】手書きで簡単に描くほか、フローチャート用のプログラムやソフトウェアを使って、チームと簡単に共有できるフローチャートを作成することもできます。

  5. 【フローチャートを確認し、改良する】2 ~ 4 人で、フローチャートを確認し、ボトルネックや潜在的な問題を探し、プロセスが開始する前にフローチャートを改良できるようにします。

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フローチャート: エクセルとワード、どちらが効率的?

フローチャートは、エクセルとワード、どちらでも作成することが可能です。どちらにもフローチャートのテンプレートが用意されているので、初心者の方でも比較的簡単にフローチャートを作成することができるでしょう。ただし、複雑な業務フローの流れ図の作成には、やはりフローチャート作成ツールの使用がおすすめです。専用ツールを使うことで、正確なフローチャートを効率的に素早く作ることができます。

フローチャートはいつ使う?

フローチャートは、どのような場面で活躍するのでしょうか?フローチャートを使うべきシーンを 7 つ挙げてみます。

フローチャートを使う場面

1. プロセスを記録する

フローチャートは、コラボレーションが必要なプロジェクトやプロセスを計画し、記録する便利な方法です。

2. 複雑なアイデアやプロセスをシンプルに可視化する

チームの全員が、複雑で何ページもあるプロセスの文書を読む時間やリソースがあるとは限りません。フローチャートがあれば、誰もがすばやく簡単にワークフローに従い、タスクを理解し、個々のステップを分析できます。

記事: 再現性のあるワークフローを作成する 7 つの簡単なステップ

3. チームを整理し、タスクを効果的に割り当てる

プロセスを視覚的に表すことにより、タスクをチームメンバーに割り当てやすくなり、すべての流れがより順調になるようにチームの仕事を整理できます。

4. 決断を下し、根拠と次のステップを明示する

フローチャートで計画すれば、決断を下すことはそれほど複雑でも怖くもありません。また、その判断がもたらす結果を可視化できるため、今後のステップの予想を立て、根拠を明示することもより簡単になります。

5. ボトルネックや問題点を特定する

フローチャートは、ボトルネックや問題を事前に発見するのに役立ちます。プロセス全体をフローチャートの視覚的なガイドによって計画することで、一つひとつのステップをフォローアップし、充分な時間とリソースを確実に配分できます。

記事: チームのインパクトを最大化したいなら、リソース配分をおすすめします。

6. プロセスを標準化する

フローチャートを作成したら、それを同様のプロジェクトやプロセスに再利用できます。そうすることで、長期的に時間を節約し、ストレスを減らすことができます。

7. プロジェクトの進捗状況の追跡

フローチャートでは、ステップを簡単に追えるため、チームが今、プロジェクトやプロセスのどの段階にいるのかいつでもピンポイントでわかります。そのため、進捗の追跡が非常に容易になり、これから完了するべきタスク全体を見渡すにも便利です。

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プロジェクトの進捗を簡単に報告する方法

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フローチャートを使って仕事を最大限効率化するには?

フローチャート (フロー図) は、仕事を楽にするためのものです。作成そのものに時間を取られていては本末転倒となってしまいます。フローチャートを作るときは、コンピューターのプログラムや、Lucidchart などのフローチャート作成ツールとアプリを使用しましょう。

フローチャート作成ツールとワークマネジメントツールを組み合わせれば、仕事をさらに効率化することが可能となります。アプリ連携が豊富な Asana なら、フローチャート作成アプリと連携して使用することが可能。たとえば Lucidchart + Asana 連携によって、図やフローチャート、プロセスマップを Asana のプロジェクトにシームレスに埋め込むことができます。数千種類のテンプレートから選んで、あなたが必要とするフローチャートを作成しましょう。

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