キックオフミーティング (kickoff meeting) とは、プロジェクトを開始する前にメンバー同士でチームの足並みを揃える手段です。キックオフの際にプロジェクトの目的策定や詳細の検討、議論がしっかり行われれば、それを土台にしてプロジェクトも最良のスタートを切れることでしょう。
この記事では、プロジェクト計画に欠かせないキックオフミーティングについて解説します。その種類とアジェンダの作り方、効果的な計画手順を知って、プロジェクトを開始時点から波に乗せましょう。
更新: この記事は、キックオフミーティングを成功させるポイントとアジェンダの作り方に関する記述を含めて 2024年 1月に改訂されました。
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どれだけ念入りにプロジェクト計画を練ったとしても、その内容に関してチームメンバーが共通の認識を持っていなければ、プロジェクトはうまく進行しません。そこで、メンバー全員が足並みをそろえてプロジェクトを遂行するために行われるのが、キックオフミーティングです。
この記事では、キックオフミーティングとは何か、その種類とアジェンダの作り方、実施方法について解説します。効果的なキックオフとなるよう、ぜひ参考にしてみてください。
キックオフミーティングのテンプレートを作成キックオフミーティングとは、プロジェクトの関係者が集まる初会合です。
プロジェクトの開始前にチームメンバーやステークホルダーが集まり、主要な内容について認識を合わせ、重要なマイルストーンや方向性に関する賛同を得る機会、場のことを言います。プロジェクト憲章が承認されてプロジェクト計画を作成したら、このキックオフミーティングを開催し、それからプロジェクトに実際に取り掛かる、という順序になります。
ビジネスシーンで用いられるキックオフとは、英語の kickoff から来た用語です。もともと kickoff という単語は、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどのスポーツにおいて、試合開始を意味する言葉です。そこから派生し、プロジェクトの実行開始を意味するミーティングや会議を指して「キックオフミーティング」もしくは単に「キックオフ」が用いられるようになりました。
一般的にキックオフミーティングでは、以下のような項目を取り扱います。
プロジェクトの目的および目標
計画スケジュール
予算、コスト、見積り
チーム体制の説明とメンバー紹介
上記に加え、コミュニケーション方法や進捗確認方法なども話し合われることが多いです。またキックオフでは、チームメンバーが質問したり、次のステップを確認したりする時間も設けます。こうすることで、チーム全員が取り組みの内容やその理由、どのように業務を達成するかについて認識を一致させることができるのです。
チーム内の認識を統一する
プロジェクトに関する疑問点をその場で解消できる
チームがプロジェクト始動に向けてどれだけ努力を注いだかに関わらず、開始前からすでに先行きが懸念される状況に悩むケースは多くあります。その理由は、プロジェクトのメンバーや関係者によって、知識、期待内容、優先事項がそれぞれ異なるからです。作業を開始する前に全員がその認識を統一する機会を設けない限り、後にどれだけ方向修正を試みたとしても、プロジェクト全体を通じて状況は悪化する可能性が高いでしょう。そうならないようにするための手段が、キックオフミーティングです。
キックオフミーティングでは、プロジェクトを成功させるためにメンバーと意識合わせします。ただのオリエンテーションではない (説明会ではない) ことを意識しなければなりません。
キックオフミーティングは事前説明会ではなく、プロジェクトが始まったということをメンバー全員が自覚し、それぞれの役割を認識する場です。その目的は、プロジェクトの目的を明確にし、プロジェクトの各メンバーが同じゴールに向かって進んでいくことを理解することにあります。
キックオフミーティングが終了したときには、各メンバーの役割分担やスケジュールが明確になっており、各自がすぐに作業をスタートできるよう進行しなければなりません。
プロジェクト計画やメールの文面を通じて詳細情報を共有する方法と異なり、キックオフミーティングではコミュニケーションの行き違いを防ぎ、全員が同じスタート地点に立った状態でプロジェクトを始動できるのです。逆にキックオフミーティングを開催しないと、チームメンバーや関係者の間でプロジェクトに対する期待内容の不一致が生じる可能性があります。その場合、スコープクリープや、最悪の場合にはプロジェクトの失敗につながります。
一方で、キックオフミーティングを開催すれば、主要なプロジェクト情報をチームに伝え、その場で質問してリアルタイムで疑問点を解消する貴重な機会も提供できます。
すべてのプロジェクトで同じ形式のキックオフミーティングを繰り返す必要はありません。たとえば対顧客の仕事、または複雑な取り組みに関わるプロジェクトであれば、プロジェクトのタイプに応じてきちんとしたプレゼンや、場合によっては製品デモなどの大掛かりな準備を伴う正式なキックオフミーティングの出番です。
逆に、関係者数が少ないプロジェクトや簡易なプロジェクトなど、パワーポイント資料やプレゼンを使用しないインフォーマルなキックオフミーティングを開催できるプロジェクトもあります。どちらにしろ重要なのは、このキックオフでメンバーが共通の認識を持てるようにすることにあります。
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キックオフミーティングの円滑な進行のためにも、アジェンダの用意は必須です。
アジェンダに必要なのは、キックオフミーティングの目的と流れが明確に示されていることです。作成するアジェンダは、各項目については大まかな時間が割り振られていて、時間通りに進行できるスケジュールになっていることも意識しておかなければなりません。
一般的なアジェンダの一例としては、以下のような項目を作成します。
挨拶 〇〇:〇〇~
プロジェクトの概要説明 〇〇:〇〇~
各種資料をもとにした、プロジェクトの詳細説明 (工程表やプロジェクトの体制図など) 〇〇:〇〇~
プロジェクトのタスクとスケジュール 〇〇:〇〇~
メンバー紹介 〇〇:〇〇~
質疑応答 〇〇:〇〇~
それぞれの項目には、大体の開始時間を記載しておくとよいでしょう。
プロジェクトのキックオフミーティングには、プロジェクト概要と目的などをわかりやすくまとめた資料も必要です。
これからプロジェクトメンバーがどのような方向性で、何を目的に、どのような成果物を作るのかイメージできる資料を用意しましょう。ここを曖昧にしてしまうと、各メンバーのプロジェクトへ対するイメージが統一できませんので、重要な資料です。
プロジェクトの体制図は、プロジェクトを進行する上で誰がどのような役割を担うのかが明確に示された資料を作成します。
組織には命令系統が必要です。進捗や不明点が発生した場合に「誰に報告または相談すればよいのか」がひと目でわかる体制図を作成しましょう。
プロジェクトのキックオフミーティングを開催するときには、ある程度のスケジュールを作成しておく必要があります。
プロジェクトの開始日と完了日はもちろん、細かなタスクなどが決まっている場合には、細分化されたタスク表なども WBS として作成しておきましょう。各メンバーが自身のタスクとスケジュールを見て進捗をイメージし、無理のない妥当なスケジュールか否かを判断するためです。
記事: 作業分解構成図 (WBS): 知っておくべきすべてのことプロジェクトマネージャーには、プロジェクトキックオフを計画し、ミーティング当日にプレゼンテーションを行う責任があります。同様に、より大規模な取り組みにおいても、多くの場合プロジェクトマネージャーが取り組みのキックオフを計画し、当日司会進行を務めるのが通常です。その際、もちろん個々のプロジェクトリーダーも各自担当部分の説明を行います。
キックオフを計画したことがなくても、心配は無用です。効果的なキックオフミーティングを開催するための 10 のステップをこちらに紹介するので、参考にしてください。
キックオフミーティングを開催する際、最初のステップとなるのは、ミーティングの参加者と所要時間を決定することです。準備作業の程度と詳細の度合いは、どれほど正式なキックオフミーティングが必要か (たとえば、役員関係者や社外パートナーを招待するミーティングなのか、それともプロジェクトチーム内部の主要メンバーのみのインフォーマルなキックオフなのか) により決まります。ミーティングに向けて、次の項目を準備しましょう。
参加者を確定する。開催したいキックオフの種類はすでに明らかになっているはずなので、それに従い参加者も決めます。ミーティングの招待を送信する前に、必ず参加者一覧を再度確認し、プロジェクト関係者を全員含めたかチェックしましょう。
各種資料を作成する。キックオフミーティングの大まかな日取りが確定した時点で早めに作り始めておくことをおすすめします。
日時を確定し、予定に入れる (所要時間を含む)。キックオフミーティングのスケジュールを決めましょう。その際は質疑応答の時間も必ず確保しましょう。日時を決めたら、全メンバーへ通達、調整することも忘れないようにします。
議事録作成者を任命する。ミーティングに出席できない関係者用に、議事録を取る記録係を任命しましょう (自分以外)。オンラインでミーティングを開催する場合は、出席できないメンバーが後で確認できるよう、録画することも検討しましょう。
ミーティングの議題 (アジェンダ) を作成する。事前にミーティングの議題を送信しておけば、全員が十分に準備が整った状態でキックオフに参加できます。また、ミーティングの議題の送信は、事前に確認してもらいたいプロジェクト計画やタイムラインなどの資料を参加者と共有するよい機会でもあります。
当日の流れをシミュレーションする。
キックオフミーティングにアジェンダは欠かせないものです。なぜなら、キックオフミーティングのアジェンダこそ、プロジェクトで共有される最初の資料だからです。
アジェンダとは議題項目のことで、キックオフミーティングを無駄なく円滑に進めるためのタイムテーブルでもあります。アジェンダを見ることで、メンバー全員がキックオフミーティングの流れとその目的を認識します。つまり、このキックオフミーティングで何を共有すべきかがわかる資料だということです。
キックオフミーティングをはじめるにあたり、まずは挨拶からはじめます。大幅に時間が延長するようなことがないように、長い挨拶は避けるように心がけましょう。
プロジェクトチームの初回ミーティングである場合には、過去に一緒に仕事をしたことがないプロジェクトメンバーがいるかもしれません。まず、自己紹介またはアイスブレイク質問から始め、全員が知り合う機会を設けましょう。
キックオフミーティングの際に最も重要なのは、仕事を通じて目指すもの、そしてそれが大切な理由が何であるかについて認識を統一することです。直近の調査によれば、自分の仕事と会社目標との関連性について十分明確に理解できていると感じている従業員は、全体の 26% にすぎません。このように透明性が欠けた状態では、チームメンバーは、どの仕事を優先すべきなのか判断する方法も、変化する優先事項を管理する方法も持ちえません。
キックオフでプロジェクトの目的を共有する際には、プロジェクトが事業全体の目標、会社目標とどのように関連するのか説明する時間を取りましょう。そして、「このことに取り組んでいる理由は何か」「目指しているものは何か」という問いへの答えを明らかにしましょう。ミーティングが進むにつれ、プロジェクトの詳細や個別のワークフローをより詳しく説明する機会はあるでしょうが、ミーティングの冒頭でプロジェクトの目的を共有すれば、全員が同じ理解のもとスタートできます。
このプロジェクトの目的は、第三四半期に、デジタルブランドキャンペーンを通じて、北米、欧州、中東、アフリカ地域におけるブランド知名度を高めることである。
プロジェクト計画をミーティングの議題に含め、参加者がミーティング前にそれを読んでおけるよう準備することが理想的です。キックオフミーティング中には、プランの詳細をすべて説明する必要はなく、タイムライン、重要なマイルストーン、主要成果物など、主要な情報に焦点を絞りましょう。
全員の認識を合わせて議論すべき最も重要なことの 1 つに、プロジェクトのスコープがありますが、同等に重要なのが、スコープ外のものは何かという情報です。全員がはじめに共通の認識を持たないと、後に危機が発覚した時には手遅れだったり、プロジェクトが進行するにつれて成果物が変わったりといった状況につながります。プロジェクトの遅延や失敗の原因となるスコープクリープを防ぐ最善の方法は、早い段階から頻繁にプロジェクトスコープを明確化することです。
プロジェクト目標:
第三四半期にディスプレイ広告と動画広告の配信を開始し、北米、欧州、中東、アフリカ地域におけるブランド知名度を高めること。
リソース:
ブランドデザインチーム (6 名)、週 15 時間 x 4 週間
メディア費予算 500 万円
成果物:
ランディングページのデザイン
ディスプレイ仕様書に基づくサイズのディスプレイ広告 (A/B テスト用に 2 種類)
動画仕様書に基づくサイズの動画広告 (6 秒および 30 秒の広告)
クリエイティブな要件:
ディスプレイ
アニメーション全体を通じてロゴと CTA を表示
スタティックバナーと HTML5 バナーの両方が必要
動画
最初の 5 秒以内にブランディングを表示
ボイスオーバーを含む
ランディングページ
広告とランディングページを通じて、視覚的経験の一貫性が必要
スコープ外:
ブランドキャンペーンのアセットを翻訳
シンプルな社内プロジェクトでは不要な場合もありますが、プロジェクトチームのメンバーが過去に一緒に仕事をしたことがなかったり、社外パートナーを含む場合には必ず、役割と責任の所在について全員の認識を合わせることが必要です。「プロジェクトの主要な連絡窓口は誰なのか」「プロジェクトにスポンサーまたは役員リーダーはいるのか」「承認者または承認者のグループはいるのか」といった点を明確にしましょう。
プロジェクトのどの段階で情報共有が必要となるのかは、個々の関係者により異なります。役割と責任に関して、プロジェクトチームの認識がキックオフ時に明確でない場合には、RACI 図を作成し、共有することをアクションアイテムにしましょう。
実行責任者: 段田 勝也
説明責任者: 川添 紀夫
協業先: 菊井 紗代、武川 智幸
報告先: 芥川 佳美
一般的なナレッジワーカーは、情報を追いかけたり、文書を検索したりといった「仕事のための仕事」に勤務時間の 60% を費やしています。仕事のための仕事がこれだけ多いことは、よりインパクトの大きい仕事に注ぐ時間が奪われていることを意味します。
仕事のための仕事を減らし、チームの効率性を高めるためには、プロジェクトに関する情報源をひとつにしましょう。すべての情報を 1 つの場所で簡単に入手できるようにすれば、チーム全員がプロジェクト文書を迅速に検索し、リアルタイムの情報更新を取得できるようになります。また、マイルストーンやプロジェクトの成果物情報の確認もスムーズです。
ミーティング中に説明した内容、たとえばプロジェクトのスコープや特定のタスクに関する期待内容などについて、プロジェクトチームからの質問が生じるかもしれません。キックオフで目指すのは、全員の認識が揃い、始動に向けて準備が整った状態でミーティングを終えることなので、キックオフミーティングの最後に、必ず質疑応答の時間を十分取ることが大切です。
キックオフミーティングの最後は「次のステップは何か」について触れます。次に行うべき仕事内容がどこに記録されているのかを明確にし、ミーティング中に特定したアクションアイテムを再度確認しましょう。チームが今後最初に行う作業を簡単に説明することも推奨されます。
また、プロジェクトのステータス更新を共有する場とその方法について明確にしましょう。会議の数が多すぎることは、生産性を下げている 3 つの主な障害の 1 つです。対面またはオンラインのステータスミーティングを計画するかわりに、ワークマネジメントシステムを通じてプロジェクトステータスレポートをバーチャルに共有することを検討しましょう。そうすれば、どのような変化が新たに生じても、チームメンバーが効率的に、足並みを揃えて連携し合えます。
会議をスムーズかつ効果的に進め、有意義なものにするためには、ファシリテーターを設けましょう。詳しくは『ファシリテーターとは?意味、メリット、役割、スキルを徹底解説』をご覧ください。
ミーティングが無事完了したら、共有したプロジェクト内への議事録のアップロードを議事録担当者にお願いしましょう。オンラインのミーティングの場合は、ミーティングの録画または文字起こしも必ず共有します。また、ミーティングで決定したアクションアイテムがある場合には、それも必ず記録し、適切な担当者に割り当てましょう。
先述のとおり、プロジェクトキックオフミーティングはすべてが同一の形式を取るわけではありません。フォーマルかそれともインフォーマルか、そのときどきで判断しなければなりません。どのような種類のミーティングも共通要素はあるものの、独自の特徴を持ちます。ここでは、キックオフの種類をいくつか紹介します。
プロジェクトチーム内部のキックオフミーティング
社員スポンサー向けプロジェクトキックオフミーティング
社外または対顧客プロジェクトキックオフミーティング
アジャイルプロジェクトキックオフミーティング
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
最もシンプルなキックオフの形態です。プロジェクトチーム内部で行われるキックオフミーティングの目的は、プロジェクトを開始する前に、プロジェクトチーム全員の認識を合わせ、足並みを揃え、不明な点について質問できる機会を設けることです。他の種類のキックオフミーティングと同様に、事前の資料作成は必要ですが、フォーマルなイベントのようなレベルの準備は必要はありません。
プロジェクト例:
必要な資料:
プロジェクトの主要情報 (成功指標、プロジェクトのスケジュール、関係者など) をまとめたプロジェクト計画。
プロジェクト完了時までに達成することを文書化した、SMART に基づくプロジェクト目標。
プロジェクトの対象範囲に含まれる仕事は何か、対象外のものは何かを明確に定義したプロジェクトスコープ。
主要な工程がいつ完了するのかを把握できるよう、重要なプロジェクトマイルストーンをすべて視覚化したプロジェクトのタイムライン。
キックオフの際には、上記の資料を共有することに加え、プロジェクト情報を 1 つのワークマネジメントプラットフォームで保管することが推奨されます。そうすれば、チーム全員が、主要なプロジェクト文書に簡単にアクセスできます。
Asana のワークマネジメント機能を試す役員スポンサー (エグゼクティブスポンサー) が参加するプロジェクトや取り組みにおいては、全役員の認識を一致させるため、トップ上層部向けのキックオフミーティングを開催することが一般的です。このタイプのキックオフミーティングでは、プロジェクトの目的やゴールをはじめとするプロジェクトの概要に加え、プロジェクトが会社目標の達成にどのように貢献するかに主眼が置かれるので、それらについて十分説明する準備が必要です。
役員向けキックオフミーティングでは、プロジェクトの個別のマイルストーンや詳細に時間をかけすぎないよう留意しましょう。また、プロジェクトチーム向けに、プロジェクトチーム内部キックオフミーティングも別途開催することを推奨します。
プロジェクト例:
マーケティングキャンペーン (代理店タイアップなし)
必要な資料:
プロジェクトが事業に与えるインパクトを会社目標に関連付けて、明確に定義したプロジェクト目的。
該当する場合は、このイニシアチブのために作成したビジネスケース
プロジェクトの完了時点で達成予定の内容をステークホルダーに示す、簡潔なプロジェクト目標
プロジェクトの主要情報 (成功指標、プロジェクトのスケジュール、関係者など) をまとめたプロジェクト計画
プロジェクトの重要タスクのタイムラインを俯瞰するプロジェクトロードマップ
これらの主要情報をすべて含むプロジェクトの要旨。キックオフミーティングでは、プロジェクトの要旨の簡易版を紹介し、詳細は各自ミーティング後に確認できるよう、関係者と文書を共有します。
正式なプレゼンまたはパワーポイント資料。
顧客向けプロジェクトに取り組む場合には、自社プロジェクトチームと顧客側の主要関係者の両者がプロジェクト目標と成果物について認識を共有するためのキックオフミーティングを開催する必要があります。これは、キックオフミーティングのうち、最もフォーマルなタイプになります。
この種のプロジェクトキックオフは、期待内容を定め、プロジェクト目標について認識を一致させる機会となります。キックオフミーティングの開催時には、プロジェクトチームを紹介し、顧客とのコミュニケーションの頻度について合意し、効果的なコラボレーションの目指す姿を明確化する時間を取ります。顧客の参加が必要な評価のタイミングや、プロジェクトの進捗を伝える方法については、両者の理解が必要です。
プロジェクト例:
必要な資料:
プロジェクトの主要情報 (成功指標、プロジェクトのスケジュール、関係者など) をまとめたプロジェクト計画。
仕事の種類により、プロジェクトの要旨またはクリエイティブブリーフ
プロジェクトの対象範囲に含まれる仕事は何か、対象外のものは何かを明確に定義したプロジェクトスコープ。
プロジェクトの重要なタスクのタイムラインを俯瞰し、重要なプロジェクトマイルストーンを示したプロジェクトロードマップ。
プロジェクトの関係者とそれぞれの役割の一覧。
チームのコミュニケーション手段 (例: Slack、メール、Asana) とプロジェクトステータスレポートの共有方法の提示。
正式なプレゼンまたはパワーポイント資料。
アジャイルチームでは、2 週または 4 週ごとに繰り返される仕事のサイクルである「スプリント」に基づきプロジェクトが進んでいきます。新たなスプリントのたびに毎回キックオフを行うことは、逆にプロジェクトのスピードを落とすことになるので必要ありません。しかし、チーム全員の足並みを揃えるために、年 1 回はキックオフミーティングを計画することをおすすめします。また、チームが新しいプロジェクトを開始する場合や、新しいチームメンバーを迎える場合には、全員の認識合わせのためにキックオフミーティングを開催しましょう。
アジャイルプロジェクトキックオフミーティングは、スプリント中にチームが必要とするものをすべて準備します。そのため、スプリント計画とスプリントの振り返り会議を活用すれば、継続的改善に取り組めます。
必要な資料:
チームにとって「完了」が意味することの定義を含む成功基準。
各メンバーの役割を正式に定めたプロジェクト体制。特にスクラムを実行しているチームではこれが重要になります。
チームの開催イベントとそのタイミングの一覧。
チームがコミュニケーションを取る場とその手段を明確に定めたコミュニケーション計画 (例: Slack、メール、Asana)。
チーム内の毎日のスタンドアップミーティングの議題。
キックオフミーティングの成功は、プロジェクトメンバー全員が同じ情報を共有できたかどうか、そして各メンバーが自分のやるべきことを具体的に把握できたか否かで決まります。
ですので、ポイントとしてはキックオフミーティングで全員が共有すべき情報を明確に決めておくことがもっとも重要です。例えば、プロジェクトの目的とゴールがそれに当たります。プロジェクトメンバーは、それぞれの経験やスキルを考慮して決定しておきましょう。
また、キックオフミーティング当日に際しては、進め方をシミュレーションしておくことも大切です。必要以上に時間をかけすぎないよう、テンポのよい進行を心がけましょう。
キックオフとは何か、その重要性と種類、効果的な実施ステップについてまとめました。キックオフミーティングはプロジェクトの始まりであり、プロジェクトメンバー全員の意識を統一させるための場でもあります。そのため、PM や PL を担う人は、キックオフミーティングの重要性と、キックオフミーティングが成功するとはどういうことなのかを意識しておかなければなりません。適切なキックオフを行い、プロジェクトを軌道に乗せましょう。
キックオフミーティングが無事終了したら、作業開始に向けた準備完了です。キックオフ後にもチームのまとまりと情報の明確性を維持できるよう、信頼できる唯一の情報源をもとにコラボレーションを進めていきましょう。Asana のようなワークマネジメントプラットフォームを使用すれば、1 つの場所ですべての仕事、ステータスアップデート、メッセージを共有することができ、チームが 1 つになって前進する状態をプロジェクトの最後まで保てます。
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