会議の内容をしっかりと記した議事録作成や会議メモを取ることは、プロジェクト管理の重要なスキルです。関係者に優れた会議メモを提供することで、会議に参加できない人も、重要な会話や大事な意思決定を明確に把握できます。この記事では、効果的な議事録および会議メモの書き方、取り方をご紹介します。
更新: この記事は、議事録の書き方に関するさらに詳しい記述を含めて 2022年 10月に改訂されました。
意思決定が行われ、チームメンバー同士がつながる場である「会議」は、プロジェクトの重要な部分を占めています。大切な決定を下すための重要なステップですが、そこで話し合われたアイデアは、会議後どこに行くのでしょうか?会議の内容をメモする担当者が明確でなければ、アイデアやアクションアイテムは失われてしまいます。
重要な情報や背景を確実にドキュメント化するには、会議メモと議事録が最適です。そこでこの記事では、この 2 つのタイプのドキュメントについて詳しく解説します。
あらゆる仕事を管理できるワークマネジメントツール Asana なら、会議進行中に議事録をリアルタイムで取ることができます。今後のアクションアイテムやすぐにカバーしておきたいタスクなどはその場で作成し、担当者に割り振ることも可能。時間を最大限有効に使うために、Asana を活用しましょう。
ワークマネジメントツール Asana とは?議事録とは、監査や裁判などで公式のドキュメントとしても使用される、正式なメモの記載方法です。一般的なビジネスシーンでは、社内会議などの備忘録として用いられます。
では具体的に、議事録には何を書けばいいのか?その要件は以下のとおりです。
表題 (タイトル)。会議名など。
会議の日時に加えて、会議の開始時刻と終了時刻。
会議が行われる場所。会議室など。
会議の参加者 (出席者) および招待されたが参加できなかった人の名前。
会議で話し合われたトピック。
選挙の結果、提案の採否、次回の会議の開催日時など、主な決定事項。
次の会議のためのアクションアイテム。
議事録 (meeting minutes) という言葉は、ラテン語の minuta scriptura (小さなノート) に由来しています。リアルタイムで記録した内容を議事録に記載することは有効ですが、会議での出来事を分 (minute) 単位で記載することは意図していません。
議事録の役割はさまざまですが、主に次のような項目が挙げられます。
会議や打ち合わせの内容を書き留め、記録として残す
上司やマネージャーへの報告書
関係者との情報共有
議事録の作成に統一されたルールは存在しません。前述した必須要件が含まれていれば、議事録のフォーマットは基本的に作成者が自由に選べます。ただし、組織やチーム内ですでに指定されたフォーマットが存在する場合もあるので、そういったケースでは既存フォーマットやテンプレートを使うようにしましょう。
すでに述べたように、決まったフォーマットがあるわけではないので、エクセルでもワードでも、自分が使いやすい方を選びましょう。議事録の役割のひとつに「関係者と共有する文書」がありました。議事録を確実にステークホルダーと共有し、時間とともにメールの受信トレイに埋もれてしまわないよう、議事録はプロジェクトマネジメントプラットフォームで共有、保管することがおすすめです。それぞれのニーズに合わせてカスタマイズできる議事録のテンプレートがあれば、さらによいでしょう。
議事録テンプレートを作成効果的に作成するための議事録のコツを何点かご紹介します。
読みやすさとわかりやすさを念頭に置く。見やすい議事録の作成を目指しましょう。そのためには丁寧語や敬語ではなく、「だ、である」で終わる文章を使います。要点を箇条書きにしてまとめるのも効果的でしょう。
スピーディーな提出を心がける。完ぺきさを求めすぎると、余計な時間がかかってしまい、逆にマイナスに働いてしまうこともあります。まずは関係者全員に会議での決定事項や次回のアクションプランを伝えるために、なるべく早く議事録を提出するようにしましょう。
テンプレートを使用する。会議があるたびに議事録をゼロから作るのは非効率的です。議事録のテンプレートを使用して、時間を有効活用するようにしましょう。
会議メモとは、会議中に書き留めた情報の要点のことです。よい会議メモは、会議における重要な点の詳細や、自分や他のチームメンバーが次の会議までに完了しなければならないアクションアイテムを覚えておくのに役立ちます。
会議メモには決まった書き方やフォーマットはなく、メモの取り方も個人の好みによって異なります。
会議メモを上手に作成することで、実行可能なタスクや重要な成果物を常に把握できます。重要な議論の内容はすべて会議メモに記録され、自分やチームが後日参照できるようになります。ここでは、効果的にメモを取るためのヒントをいくつかご紹介します。
メモの取り方にはいくつかの種類がありますが、自分の役割や個人の学習スタイルに応じて、自分に最適な方法を見つけることが大切です。一般的なメモの取り方には以下のようなものがあります。
コーネル式: コーネル式では、左側に小さな列、右側に大きな列といったように、メモが 2 つの列に分かれます。左側の列では会議での重要なアイデアを強調し、右側の列では重要なアイデアの詳細を掘り下げていきます。会話は自然と次の話題に移っていくものなので、左側で重要なアイデアをキャッチし、右側で詳細を書いていくことで、整理された状態を保つことができます。
アウトライン式: チームが事前に会議の議題を共有していることが理想です。議題を共有している場合は、それをメモのアウトラインとして使用します。議題に基づいて、重要なポイントをリストアップします。その後、会議の進行に合わせて、各議題の下にメモを取ります。
象限式: メモを 4 つの異なる象限に分け、それぞれのセクションに一般的なメモ、自分のためのアクションアイテム、他のチームメンバーのためのアクションアイテム、質問というラベルを付けます。一般的なメモのセクションには、会議でのキーポイントや重要点の詳細を書き留めます。残りの部分には、それぞれのラベルに対応するメモを書きます。
スライド式: 会議でプレゼンテーションを行う場合は、事前にスライド資料を共有してもらえるかどうかをプレゼンターに尋ねてみます。プレゼンターが発表している間に、各スライドにメモを追加できます。
概念的な情報を長期的に記憶するには、手書きでメモを取る方がよいという研究結果があります。会議メモを取ることで、会議の重要なポイントに集中できます。また、目の前にノートパソコンがないことで、会議中にマルチタスクをこなそうとするのを防ぐことができます。
議事録やメモは「追いつかない」と嘆く人も少なくないようです。もしかしたら、一字一句書き留めようとしていませんか?その必要はありません。会議では多くの会話が交わされますが、後でメモを読む人にとって、その会話のすべてが必要なわけではないからです。議論されたポイント、結果、次のステップなどを書き留めておけば、特に重要で実行が必要なアクションに注目できます。
手書きでメモを作成する場合は、速記法、記号、頭字語、略語などを使って、よく使われるフレーズやアイデアをすばやくページに書き出すことができます。凡例や重要ポイントを事前に作成しておくと、後から速記の意味を理解できます。
会議メモのテンプレートでも、議事録のテンプレートでも、あらかじめ作成されたテンプレートを使うことで、事前準備やフォーマットの用意をしなくても、メモを取る作業をすばやく行うことができます。誰でも一貫した構造に沿ってすべての会議メモを取れるため、チームの誰もがどのような情報を記入すべきかを知ることができます。
あなたが会議を主導していく場合、メモを取ることと他のチームメンバーとの会話を進行することを同時に行うのは難しいです。重要な会議を主導する場合は、チームメンバーの誰かにメモを取ってもらうようにしましょう。定期的に行われる会議の場合は、記録係を交代して、全員が会話に参加できるようにします。
多くのチームがリモートで仕事をしているため、会議メモを書くよりも動画を録画して共有する方が簡単な場合があります。Zoom + Asana の連携機能を使って会話を書き起こし、後日チームメンバーが会話を読むことができるようにします。会議の文字起こしを読むとき、通常の会話とキーポイントやアクションアイテムを簡単に見分けられます。
録音する前に、通話に参加している全員に対して、録音することと、その録音がどのような目的で使用されるかを知らせておくことが重要です。チームの全員がアクセスできるように、録音内容と文字起こし内容の両方を中央の保存場所で共有します。
後でフォローアップが必要な内容を誰かが発言した場合、その時点で必ずその人の名前を書いておきます。そうすることで、質問があったときや後から連絡を取る必要がある時に、その特定のトピックについて誰に相談すればよいかが明確になります。
この手法は、あるテーマについて 2 人のステークホルダーが意見を異にする場合にも有効です。両者の意見をドキュメント化することで、最終的に決定する際の基礎的な資料とすることができます。
分散型チームで働いていたり、リモートで仕事をしていたりすると、多くのビデオ会議に参加することになります。自分の画面を共有しながらメモを取ることは、チームメンバーにとっても有益です。何かを見落としても、チームメンバーがリアルタイムで追加すべきポイントを提案してくれます。
すべてのステークホルダーが決定事項を明確に理解できるようにするために、会議後にフォローアップするのがよい方法です。会議を欠席した人も、会議メモを読むことによって異なるタイミングで追いつくことができます。さらに、見逃したポイントがあれば、フォローアップメモに追加できます。
会議後にステークホルダーをフォローアップする際には、ドキュメントが簡単に共有でき、アクセスできるようにしておきます。チームと協力してコミュニケーションプランを作成し、この情報がどこに保管されているか、また、後日どのようにアクセスできるかを誰もが正確に把握できるようにします。
記事: 明確なコミュニケーションプランが意外なほど重要な理由あなたがプロジェクトマネージャーであれば、会議メモを使用することがほとんどではないでしょうか?プロジェクトのキックオフミーティング、プロジェクト計画、形式ばっていない 1on1 ミーティングなどでは、メモがあれば十分です。
公聴会や会社の会議など、記録やドキュメント化が必要となる、より正式な会議の場合は、議事録の方が適しています。
キックオフミーティングのテンプレートを作成議事録にも会議メモにもさまざまな形式がありますが、どのような方法で作成しても、いくつかのメリットがあります。
記憶力がよい人がいる一方で、チーム会議で決定したことをすぐに忘れてしまう人もいます。議事録やメモを作成することで、チームメンバーは特定の時点で行われた決定事項を参照できます。また、会議の記録は説明責任を果たすのに役立ち、プロジェクトの後半で参照するのにも役立ちます。
後日、チーム全員がメモを参照できるようにするには、メモを特定の場所にデジタルで保管しておくというのが一つの方法です。議事録と会議メモをすべて同じ場所に一元的にまとめておくことで、誰かが外出先からチームの進捗を確認したいと思った場合にも、会議での会話について重要なコンテキストを理解できます。
他の予定があるなどの理由で会議に参加できないチームメンバーがいても、過去の議事録や会議メモを共有することで、自分の時間の都合に合わせて内容を確認し、会議での意思決定プロセスに異なるタイミングで参加できるようになります。
記事: 非同期コミュニケーションに関する誤解ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、記憶と想起に関する初めての実験を行い、その結果を 1895年に書籍にまとました。この研究で彼は、情報を保持しようとする努力がなければ、時間の経過とともに情報が急速に失われることを示す「忘却曲線」を開発しました。
議事録やメモを効果的に活用することで、物事が長期間保持されるため、情報をより早く思い出すことができます。たとえば、1 日後に議事録を読み返すなど、目を通す機会が多ければ多いほど、その会議で決定されたことを覚えている可能性が高くなります。
議事録と会議メモについて、その意味と書き方、取り方のヒントをまとめました。紹介した議事録のコツやメモのヒントを参考にして、議事録やメモは「追いつかない」と感じることがなくなるようにしましょう。議事録や会議メモを適切に活用して、プロジェクトマネジメントに活かしてください。
プロジェクトや議事録、会議メモを整理しておくための最良の方法は、すべての期日とアクションアイテムが存在する一元化されたスペースを作成することです。ワークマネジメントツールを使用することで、チームメンバーを整理し、生産性の高い会議を行うことができます。ツールを使ってみたいとお考えですか?Asana を使って、チームの仕事を 1 つの共有スペースにまとめましょう。
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