会議の質を高めて、数を減らしたいですか?会議マネジメントをお試しください。

寄稿者 Caeleigh MacNeil の顔写真Caeleigh MacNeil
2024年1月30日
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概要

非効率的な会議は、生産性を高める上で大きな障害となりますが、打つ手はあります。会議の開始前、会議中、会議の実施後にやるべきことを理解し、出席者全員にとって有益で、生産的な会議を実行しましょう。会議に関しては、数よりも質が重要です。

次のようなシチュエーションを想像してください。あなたは、目的もアクションアイテムもはっきりしない会議に参加しています。参加者が発言していますが、誰も記録を取っていません。会議がようやく終わると、疲労感に襲われます。また、感情面で消耗を強いられ、苛立ちを覚えました。

このような状況に心当たりはありませんか?それもそのはず、これは万国共通の悩みなのです。

人々は不要な会議のために週に 3 時間近くを失っています。会議にひっきりなしに招待されるため、会議に対する感覚が麻痺しています。会議中に別の作業をする参加者は全体の半数を超え、実際に会議で発言しているのは 43% に過ぎません。これは致し方ありません。なぜなら、控えめに言っても、会議が非効率で、不要で、退屈なのですから。 

すべての会議が無意味だというわけではありません。時間をかけている割に、価値を得られていないのです。会議の数を減らせばよいのではなく、参加者全員にとって有益になるように、会議の質を高める必要があります。より効果的な会議を行えば、仕事を進めるために顔を合わせる回数を減らせるはずなのです。

ここで役に立つのが会議マネジメントです。

会議マネジメントとは?

会議マネジメントとは、費やす時間から最大限の価値を得るために、会議を調整し、実行するプロセスを指します。このなかには、議題の作成やアクションアイテムの割り当てなど、会議をスムーズに行うことを意図して、会議の開始前や会議中、会議の実施後に実施するアクションが含まれます。

会議マネジメントを適切に行うと、効率と生産性が高まります。参加者は、会議の目標を理解し、準備をした上で参加することになるため、集中して会議に臨め、可能な限り生産的に会議を進められるようになります。会議の効率を高めて、会議の目標を達成していけば、会議の数を減らせます。つまり、スケジュールを合理化し、貴重な時間をメンバーに返せるのです。

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そもそも、その会議は本当に必要ですか?

すべての会議が必要だとは言い切れません。不要な会議に頻繁に参加しているなら、視野を広げて、会議に対する「最後の審判」を行いましょう。物々しい表現ですが、最後の審判とは、会議の見極めを発展させたものです。チームのメンバーには、繰り返し行われる会議をスケジュールから削除してもらい、招待を見直してもらいます。実際に、Asana では、組織にメスを入れる専門家であり、起業家でもある Rebecca Hinds 氏を招いて、最後の審判を実施したばかりです。その結果、参加者は平均で月に 11 時間も節約することに成功しました。

9 つの簡単なステップで会議を管理する方法

少しの作業が、会議の効率アップの実現に向けて、大きな役割を果たします。以下の 9 つのステップに従い、会議の効果を高め、参加者全員にとって有益な会議を実施しましょう。

1. 会議を始める前: 会議の意図を明確にする

まずは会議を行う意図を理解する必要があります。意図とは、会議を成功に導くために、参加者が会議中に達成する必要がある目標です。たとえば、議論するべきトピックや下すべき決定などが意図に当たります。会議の意図を明確にする作業は、そもそも会議を実施する必要があるかどうかを判断する良い機会でもあります。議論のトピックがなかなか思い浮かばない場合や、口頭でなくても簡単に質問に答えられる場合は、非同期コミュニケーションを代わりに利用することを検討しましょう。

次の 3 つのステップに従って、会議の意図を明らかにしましょう。

  1. 達成可能な目標を定めて、チームがやるべきことに集中できる環境を作る。

  2. 会議の目標を達成する上で必要な議論するべきトピックをすべて挙げる。

  3. 会議の目標を達成する上で決定を下す必要があるトピックをあぶりだす。

たとえば、ブログのデザイン変更プロジェクトに対する予算を決めるため、会議を行っていると仮定します。この場合、次のようなやり方で会議の意図を明確にすることができます。

会議の目標: ブログのデザイン変更プロジェクトの予算を決定する。

必要なトピックと決定事項:

  • 予想されるその他のチームプロジェクトの予算と残りの資金。

  • その他のプロジェクトとの兼ね合いを鑑みた上での、デザイン変更の優先順位。必要な決定事項 — ブログのデザイン変更を優先して、他のプロジェクトから資金を移すべきか、もしくは残っている予算でやりくりするべきか?

  • ブログのデザイン変更プロジェクトに対する 2 とおりの予算のシナリオを見直す。必要な決定事項 — 必要最低限のデザイン変更に留めて出費を抑えるべきか、それともデザインを完全に変更するべきか

  • 予算の承認担当者。必要な決定事項 — 最終決定した予算を誰が承認する必要があるのか?

2. 会議を始める前: 参加者を決める

会議の意図を明確にしたら、つづいて会議に出席する必要がある (または必要がない) メンバーを決定します。会議の効率アップを図るため、絶対に参加する必要があるメンバーに限定し、必要最低限の人数に絞りましょう。決定を下す上で、そして、会議の目標を達成する上で、意見を出す必要がある関係者が会議に出席します。なお、情報を伝える必要はあるものの、意思決定のプロセスへの参加は必須ではない関係者には、会議終了後に会議メモを送信できます。

記事: RACI チャートのガイド (実例付)

3. 会議を始める前: 役割と責任者を定める

すべての出席者に役割を与えるべきです。会議を始める前に、出席者が何に対して責任を持ち、どのように準備をすればよいのかを明らかにするため、それぞれの役割と責任を明確に定めます。つづいて、出席者全員が事前に確認できるように、この情報を会議の議題に記載していきます。

何から手をつければよいのか迷う方は、以下に挙げる一般的な会議の役割を参考にしてください。

  • 進行役: 会議の司会を務めます。議題からトピックを取り上げ、出席者がやるべきことに集中できる環境を作ります。進行役は会議の主催者が務めることが多いです。

  • 記録係: メモや議事録を作成し、会議で記録を取ります。繰り返し行われるチームミーティングでは、同じメンバーが毎回記録係を押し付けられることがないように、交代制を採用しましょう。

  • 意思決定者: 会議の目標を達成するために、主要な決定を下します。

  • 情報提供者: 会議の目標を達成するために、近況報告や情報提供を行います。情報提供者はプレゼン資料を作成したり、プロジェクトの近況を報告したり、意見を発表したりすることもあります。

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4. 会議を始める前: 会議の議題を作成し、共有する

優れた会議の議題には 2 つの条件があります。それは「会議の計画と迅速な進行に役立つこと」「関係者が準備を行い、決定を下せる状態で会議に臨むために必要な情報を提供すること」です。事前に、遅くとも 24 時間前には会議の議題を共有することが重要です。

議題では、会議の目標は何か、何について議論するのか、どんな決定を下す必要があるのかを取り上げましょう。会議の意図をすでに明確にしているなら、議題を作成する上で必要な情報は揃っていると言えます。

以下に、会議の議題に含める必要がある情報を挙げます。

  • 会議の目標

  • 会議の出席者とその役割

  • 主要な決定など、会議中に議論するトピックを一覧にまとめた概要

  • 会議全体の時間と、議題の各アイテムに割り当てた時間

  • 事前に目を通しておくべき資料

[製品 UI] Asana のプロジェクトキックオフミーティングの議題 (タスク)

5. 会議を始める前: 会議の時間を決定する

会議の時間は生産性に大きな影響を与えます。とりわけバーチャル会議の場合は、なおさら大きな意味を持ちます。認知神経科学者の Sahar Yousef 博士は「30 分以上の会議を行うには、よほどの理由が必要だ」と指摘しています。事実、2020年の Microsoft の調査により、バーチャル会議の出席者は 30 分を経過するとビデオ会議疲れを経験することが明らかになっています。つまり、30 分を過ぎると集中するのが難しくなるのです。一方、対面で会議を行う際は、45 分から 60 分ほど集中力を保てます。

長時間の会議を行う場合、Yousef 博士は開始後 30 分が経過した時点で 1 分間の休憩を挟むことを推奨しています。こうすることで、脳を一度リセットして、次のセッションに臨むエネルギーを保てるようになります。

6. 会議を始める前: カレンダーの招待状を送信する

日程の決定に苦労することがあります。特に、複数のタイムゾーンをまたぐリモートチームの場合、この傾向は顕著に見られます。参加者のカレンダー上で会議を行う時間を検討する際は、以下の質問に留意しましょう。

  • 移動や機器の設定を考慮して、予備の時間を追加する必要はありますか?

  • どこで会議を実施しますか?会議室を予約する必要がありますか、それともバーチャル会議の招待状を送信する必要がありますか?もしくは、その双方を行う必要がありますか?

  • 出席者はどのタイムゾーンに属していますか?出席者全員の勤務時間に合わせて (または、少なくとも勤務時間に近くなるように) 予定を入れていますか?

7. 会議中: 会議の記録を取る

会議メモ (議事録) は、重要な決定事項やプロジェクトの最新情報、次のステップなど、重要な情報を記憶にとどめ、補足する際に役立ちます。また、会議メモはプロジェクトに関する情報を常に把握することを望む関係者にとっても有益です。会議に出席して耳を傾けるよりも、会議終了後にメモを読めば済むためです。

会議の記録を取る役割を任命されると、プレッシャーを感じるかもしれませんが、以下に、記録係として記録をつける際に留意したいヒントを挙げていきます。このヒントを知っていれば、プレッシャーから解放されるかもしれません。

  • 議題を会議メモの骨組みとして使用しましょう。議題には必要な情報がすべて記載されているため、改めて情報を整理し直す必要がありません。

  • 発言を一語一句書き取る必要はありません。アクションアイテムやプロジェクトの最新情報、主要な決定事項などの重要な情報を記録することに集中しましょう。

  • プレゼンを行わないバーチャル会議の場合は、会議メモを参加者が見られるように画面を共有します。こうすることで、重要な情報が欠けていると思った際に、チームメンバーに教えてもらえるようになります。

8. 会議の終了後: アクションアイテムの確認と割り当てを行う

次に何をするべきかわからない状態で、会議が終わってしまった経験がありますか?会議中に具体的なアクションアイテムを割り当てることで、このような混乱を予防することができます。アクションアイテムは、会議終了後に、「誰が」「何を」するのかを記録したものであり、以下の 2 つの重要な役割を持ちます。

  1. 次のステップに関して全員の足並みを揃え、仕事を確実に前進させます。

  2. 会議の議論のベースとなり、漠然としたアイデアではなく、具体的な実行計画に集中できます。

チームメンバーの歩調を合わせるため、会議中にリアルタイムでアクションアイテムを割り当てるべきです。アクションアイテムと担当者を記載し、「誰が」「何を」するのかを具体的に記録しましょう。チームが Asana のようなプロジェクト管理ツールを使用しているなら、会議の議題から直接タスクを割り当てられます。

[製品 UI] Asana の会議の議題例のテンプレート、スプレッドシート形式のプロジェクトビュー (リスト)

Asana と Zoom で行動につながるミーティングを

Asana を Zoom と連携させると、生産的な議論を行動につながる to-do リストに発展させることができます。この連携を用いることで、事前に会議の詳細や背景情報を共有して、会議中は議題に集中し、Zoom 内でアクションアイテムを記録できます。

9. 会議終了後: 会議メモを共有し、アーカイブする

会議メモを出席者と共有して、会議で話し合ったことを振り返りましょう。記録を共有することで、関係者は主要な決定事項とアクションアイテムを記憶しやすくなり、次回の会議までにメンバー全員が必要な情報を得ることができます。さらに、会議メモの共有は、プロジェクトの進捗状況を常時把握することを望むものの、会議に参加する必要はない関係者に対して非同期的に情報を提供する手法としても有効です。

最後になりますが、会議メモを、メンバー全員がいつでも容易にアクセスできる場所に保存し、アーカイブしましょう。Asana を使えば、メモの作成や共有、アーカイブを一か所で実行できます。また、関係者は会議メモに直接コメントを投稿したり、メモ上でコラボレーションすることも可能です。つまり、仕事が保存されている場所と同じ場所で重要な会話が行われるのです。

効果的に会議を管理するための 8 つのヒント

会議マネジメントは比較的シンプルな取り組みですが、適切に実施するためには実践を重ねる必要があります。トラブル回避に役立つ以下の 8 つのヒントを参考にして、会議マネジメントスキルの改善を目指しましょう。

  1. 事前に議題を用意する: 事前に議題を共有することで、関係者は準備を行い、アイデアを発表できる状態で会議に参加することが可能になります。この場合、状況を説明する必要はなく、すぐに重要なトピックの議論を始められます。

  2. 議題から脱線しない: 議題は会議の絶対的な指標です。議題には、話し合う必要があるトピックや決定事項、各トピックに割り当てられた時間など、すべての情報が盛り込まれています。会議中は、議題を中心に議論を進めて、時間管理と脱線防止を心掛けましょう。追加のトピックが発生した場合は、記録を取り、後ほど非同期的に補足するか、または別の会議で取り上げるべきです。

  3. 会議を長引かせない: 会議が長引けば長引くほど、集中力と参加の意欲は低下します。議題で必要な時間を決めておきましょう。また、すべての会議を 30 分や 60 分に定める必要がないことを忘れないでください。15 分でも 40 分でも、必要な時間なら何分間でも構いません。簡潔な会議を心掛けることは、特にリモートチームにとって重要です。ビデオ疲れが会議開始後 30 分前後で発生するためです。反対に、対面式の会議の場合は、通常は 45 分から 60 分ほど集中力を維持できます。

  4. 出席者の人数をできるだけ少なくする: 出席者の人数が少なければ少ないほど、効率アップが期待できます。招待する人数を少なくすることで、会議の生産性は高まり、出席者には発言する場所と時間を与えることができます。また、この方針は、あまり関係のないメンバーを会議に出席させて、時間を無駄遣いさせてしまう問題を回避する上でも有効です。招待するメンバーを決定する際は、情報共有ではなく、決定を下すことこそが、会議の成果であることに留意しましょう。関係者が情報を求めているなら、会議終了後に会議メモを送信しましょう。

  5. 時間通りに会議を始める: 数分程度であれば出席者が到着するまでの時間を計上しても構いませんが、それ以上の時間は会議の生産性に悪影響を及ぼす恐れがあります。たとえ誰かが間に合わなくても、毎回時間通りに会議を始める努力をしましょう。時間に遅れるメンバーが続出する場合は、会議の開始時に 5 分間のアイスブレイク質問タイムを設けて、遅れて到着した参加者が状況を把握できるように工夫しましょう。

  6. インタラクティブな会議にする: 創造性とエネルギーが満ち溢れている会議を目標にするべきです。会議に出席して、受動的に議論を聞いているだけではなく、積極的に議論に参加してもらいましょう。よりインタラクティブな会議を行うため、直接意見を求めたり、ブレーンストーミングの時間を確保したりするアプローチをおすすめします。

  7. 質疑応答用の時間を確保する: 議題に忠実に会議を進めることは重要ですが、柔軟に対応し、議論に関係のある質問をする時間を確保しておきたいところです。質疑応答の時間を会議の終了間際まで遅らせるのではなく、会議全体で質問を促すべきです。こうすることで、質問を忘れてしまう可能性は低くなり、また、適切な状況でそれぞれの質問に答えられるメリットもあります。

  8. 会議終了直後にフォローアップを行う: 出席者が会議の内容を覚えているうちに、すぐに補足を行うべきです。これには、メモの共有や次回の会議のスケジュール調整、アクションアイテムの割り当てなどが含まれます。

会議の意義を取り戻しましょう

「会議」イコール「時間の無駄」の構図を受け入れる必要はありません。この記事からは、「生産性の低い会議を何度も実施するよりは、生産性の高い会議を一度行うべき」というアプローチを心に留めておいてください。事前に少し計画をしておくことで、少ない時間で多くの成果を得られます。そして、集中できる時間も増やすことができます。

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