キャリア開発計画 (PDP) とは?作成方法と具体例を紹介

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2024年2月21日
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概要

キャリア開発計画とは、現在持っているスキルを評価し、自身のキャリアの目標を立て、戦略を作成し、目標達成とスキルアップに必要なリソースを見つけるための資料です。この資料は常にアップデートしていく必要があります。この記事では、キャリア開発目標やキャリア開発計画の例をご紹介します。あなた自身の目標達成への進捗を追跡するために役立つツールを見つけましょう。

更新: この記事は、キャリア開発とは何か、そのメリットに関する記述を含めて 2023年 9月に改訂されました。

これまで一般的だった終身雇用という仕組みは変化を見せ、現在働き方は多様化しています。現代のナレッジワーカーには、新しい業種、職業、そして自己実現の方法などさまざまな選択肢があります。

チャンスが豊富にあることは素晴らしいことですが、同時に途方に暮れる場合もあるかもしれません。キャリア目標をすっきりと整理したいなら、キャリア開発プラン (PDP) を活用してみましょう。

キャリア開発プランとは、あなたの現在のスキルと知識、目標、そしてその目標達成に必要なステップを簡単にまとめた文書です。

この記事では、あなたの PDP を作成する 6 つのステップ、キャリア開発目標とキャリア開発計画の例、キャリア開発計画を進める上で役立つ追跡ツールをご紹介します。

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キャリア開発とは?

キャリア開発とは、ビジネスパーソン一人ひとりの特性や能力を把握し、中長期的な視点で向上させていくことを言います。

キャリア開発は厚生労働省も支援しており、従業員のキャリア形成を促進するためのキャリア開発研修実施にあてる「人材開発支援助成金」や、非正規雇用者に対するキャリアアップに取り組み、正規雇用された場合に支給される「キャリアアップ助成金」といった助成金制度があります。

こういった国からのサポートもあり、現在のビジネスシーンではキャリア開発に対する認識は高く、キャリア開発支援プログラムなどを実施し、従業員の適正に沿ったキャリア形成を支援する企業も多くあります。一方で、キャリアデザイン研修を実施したり、人材を募集する際に社内公募制度というシステムを採用している会社もあります。

キャリア開発のメリットとは?

企業が労働者のキャリア開発をサポートするメリットはさまざまです。たとえば、自分の現在の能力を把握し、将来を見据えたキャリアアップを会社が支援してくれることで、従業員の仕事に対するモチベーションは上がります。その結果、組織全体が活性化したり、生産性向上にもつながるでしょう。

また、キャリア支援を行うことで、優秀な人材開発、人材育成が可能となります。企業側としても、優秀な人材が育つという意味では、大きな利点です。

キャリア開発計画テンプレートを作成

キャリア開発計画を作成する 6 つのステップ

キャリア開発計画は、単発のプロジェクトではありません。目標や環境、優先順位の変化に合わせて常にアップデートが必要な文書です。

下の図は、キャリア開発計画のライフサイクルを表しています。

キャリア
開発計画
の作成

それでは、キャリア開発計画 (PDP) を作成するための 6 つのステップを詳しく見ていきましょう。

【ステップ 1: 自分自身を評価する】

キャリア開発計画 (PDP) の作成の土台であり、将来的に PDP を更新する際にも真剣に取り組むべき重要なステップが「自己評価」です。このステップでは、自分の個人的な興味、職業人としての関心、希望、計画、キャリア上の夢、さらに現在持っている知識やスキルセットの分析を行います。

まず、今持っているスキルや知識を基に、関連のテーマについて自分の立ち位置がどこなのかを確認する必要があります。そうすれば、キャリアアップしていく上で、改善や変更が必要な点が判明します。

自分自身を分析して評価するのは必ずしも簡単ではありません。これをスムーズに行うきっかけとして、自己分析のツールであるパーソナリティテストを利用することをおすすめします。人気のあるテストをいくつか挙げますので、試してみましょう。

  • ビッグファイブ

  • マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標 (16 性格診断)

  • DISC 性格診断

これらのテストは、あなたが自分自身と、人生やキャリアに何を求めているのかをよりよく理解する助けになってくれます。

記事: 8 つのステップでパフォーマンス評価テンプレートを作成する方法 (実例付)

【ステップ 2: 目標を設定する】

自分の現在の立ち位置とスキルを評価したら、目標を設定します。大きな目標をいくつかに分解するには、長期目標、中期目標、短期目標を設定するとよいでしょう。

  • 長期目標は、数か月後から数年後を見据えた目標です。

  • 中期目標は、2、3 週間程度から 2、3 か月の範囲で設定する目標です。

  • 短期目標 数日から 2、3 週間の範囲の目標です。

一般的に、1 つの長期目標を設定し、中期目標と短期目標に分割して取り組みやすくするのが効果的です。短期目標と中期目標の数は、どれだけ先のことを計画するかや、最終的な目標達成に必要なステップがいくつあるかによって変わります。

分野が違う場合は、当然、設定する長期目標が 2 つ以上になっても構いません。たとえば、キャリア、ダイエット、財政面についてそれぞれ 1 つずつ長期目標を立てるといった具合です。それぞれの分野で目標達成に向けて進捗があれば、互いに影響を及ぼすかもしれませんが、それぞれ独立した目標として、中期目標と短期目標を設定する必要があります。

長期目標を 2 つ以上設定する場合は、複数の目標が自分に及ぼす心理的な影響や身体的な負担を考慮してください。燃え尽き症候群にならないように、適宜スケジュールを調整しましょう。

長期、中期、短期に関わらず、目標を設定する際には、SMART な目標設定のテクニックを活用して、具体的 (Specific)、測定可能 (Measurable)、達成可能 (Achievable)、現実的 (Realistic)、かつ期限がある (Timebound) 目標を立てましょう。後半でこうした目標の例をいくつかご紹介します。

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【ステップ 3: 戦略を立てる】

目標に到達するためには具体的なプランが必要です。作成に当たっては、自分の能力を高める、新しいスキルを習得する、狙っていた地位に見事昇進するといった目標をどうすれば達成できるかを考えます。

現在のスキルセットや地位、目標を確認して、目標達成に必要なことを書き出します。知識を広げるために業界の会合に出席する、メンターを見つけて組織内で有力な人間関係を築く、ワークショップに申し込んでスキルを磨く、といった具合に、アクションプランを書き出すことで、目標に到達するためのステップが明確になります。

【ステップ 4: リソースを集める】

アクションプランを作成したら、成功するためにキャリアをどう発展させるかを考えましょう。あなたのキャリア開発に役立ちそうなリソースの例をいくつか挙げてみます。

  • スキルセットをレベルアップするセミナー、ウェビナー、ワークショップ

  • 知識を深める学習リソースや能力開発のリソース

  • 新しい仲間やメンターと出会うための職業的なネットワーク

  • 昇進に必要な学位を取得できる社会人向け教育機関

  • 職場以外でバーチャルチームとつながれる LinkedIn などの SNS プラットフォーム

思いつく限りのリソースをリストアップして、あなたの戦略や目標にマッチしたものに絞り込みましょう。

【ステップ 5: タイムラインを作成する】

目標達成のためにタイムラインと締め切りを設定し、それに沿って進めることは非常に有効です。また、これは SMART な目標の T (期限がある) に相当します。

自分に設定した目標のタイプに応じて、週や月、四半期など段階的に期限を設けるとよい場合もあります。目標達成に十分な時間をとりつつ、自分の能力を試すような適度なバランスを取りましょう。

あなたの大きな目標が、たとえば来年の初めに埋まるポジションに就きたいといったように、特定の日に結びついているなら、タイムラインによって短期目標や中期目標をきちんと守ることで、キャリアのチャンスを逃しません。

【ステップ 6: 進捗を追跡する】

タイムラインと SMART な目標を設定してあれば、進捗を追跡し、現状を評価するのは簡単なはずです。このステップで再びキャリア開発計画の最初のステップに戻ります。PDP は直線型ではなく循環型の計画なのです。

計画を進めながらキャリア開発計画を調整し、更新することで新鮮な状態に保ちましょう。そうして初めて、キャリア開発計画は、あなたが継続的に成長し、キャリアを高めていくためのツールとして効果を発揮します。また、進捗を追跡し、ほかの人たちとつながる機能のある、目標設定ソフトウェアで目標を管理することもおすすめです。

毎日の仕事につながるチーム目標・企業目標は何かを明確にし、パフォーマンス向上を目指しましょう。Asana なら、各指標の達成度や達成状況を一目で把握し、チーム全体でシェアできます。

効果的な目標を設定する方法

キャリア開発目標の具体例

すでに Asana では、仕事の目標を立ててキャリアアップすることをテーマにした記事ページがありますが、ここでは、キャリア開発目標に関する特に重要なポイントをいくつかまとめてみました。

キャリア開発目標は、自分のキャリアで達成したい具体的な目標です。これは短期、中期、長期の各目標の組み合わせで構成されています。これらの目標を設定することで、モチベーションを維持し、キャリアパスの途上で行き詰まることがなくなります。

キャリア開発目標の例

こうした目標の例をいくつか見ていきましょう。

“目標: 転職する”

  • 長期目標: 理想的なオファーを受けて、現在の仕事を辞める。

  • 中期目標: 非常に関心のある求人 5 件以上に応募する。

  • 短期目標: 週末までに、5 件の求人を見つける。

“目標: 会社の活動にもっと積極的に関わる”

  • 長期目標: 年末までに 1 つ以上の会社のイベントに参加し、運営をサポートする。

  • 中期目標: 興味の湧くグループや委員会に参加する。

  • 短期目標: ネットワーキンググループ、チャリティ委員会など、興味の持てそうな候補を 3 つ見つけて、月末までに参加について問い合わせる。

大きな目標を取り組みやすいように細分化すると、プレッシャーを感じることなく、一歩ずつ目標に近づけます。しかも、目標達成までの道のりで、小さな成功をお祝いする理由にもなります。

キャリア開発計画の具体例

キャリア開発計画は人によってさまざまですが、どのようなものかを大まかにつかむため、簡単な例をいくつかご紹介します。自身のキャリア開発計画の参考にしてみてください。

【自己分析】

  • 入社してからまだ 6 週間

  • チームに歓迎されていると感じるが、みんなが仲が良すぎるため、遠慮してしまい、なかなか輪に入っていけない

【目標】

  • 来年度までに、仕事以外のことでも交流できる仲間を少なくとも 3 人作る。

【戦略】

  • ミーティングで発言し、積極的に関与する

  • 業界の会合、ワークショップ、終業後のイベントに参加する

  • メンターを見つける

  • LinkedIn で同僚とつながる

記事: メンターを見つける前に尋ねる 10 の質問

【リソース】

【タイムライン】

  • 来週まで: LinkedIn で同僚につながりリクエストを送る。少なくとも 1 回は終業後のイベントに参加する

  • 来月まで: メンターを見つけて、2 週間に 1 回のミーティングを設定してもらう

  • 来四半期まで: 同僚と一緒に業界の会合やワークショップに出席する

  • 年度末まで: 仕事の後など、仕事に関係なく気兼ねなく付き合える同僚を 3 人以上見つける

こうした目標を追跡していくと、思っていたよりも達成するのが簡単だったり、難しかったりするかもしれません。そんな場合は、慌てずに目標やタイムラインを調整して進めてください。

この例なら、こうしたつながりを作ることで、気が付けばあなたはチームに歓迎され、居心地よく感じるようになるばかりか、チームのメンバーたちにリーダーの才能があるとみなされるようになる可能性もあります。そこからまったく新しいキャリア開発計画が生まれ、あなたは人としてさらに成長を続けていくことになるかもしれません。

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キャリア開発計画とリーダーシップ開発計画の違い

形としては、キャリア開発計画とリーダーシップ開発計画に大きな違いはありません。現在の状況の分析、現実的な目標の設定、進捗の追跡が必要なところはどちらも共通しています。

しかし、目標があなたのリーダーシップスキルの向上、あるいは組織におけるリーダーとしての昇進に関わるものなら、リーダーシップ開発計画を作成することによって、リーダーシップに関わる目標の実現に必要なスキルそのものに集中できます。

キャリア開発計画とリーダーシップ開発計画の違い

どちらも、キャリア上の自分の立ち位置を分析して、目標を設定するという最初の 2 つのステップは同じです。次のステップ 3 では、リーダーシップトレーニングを受けて、リーダーとしてのスキルを磨きます。このステップで、あなたのメンターになるほかのリーダーたちに出会います。いずれは、あなたはこうしたメンターたちと肩を並べることになるでしょう。

リーダーシップ開発計画の第 4 のステップは、ネットワーク作りと人々との交流です。尊敬される成功したリーダーになるには、同じ志を持つ人々とつながり、できるだけ彼らの意見を求めることが大切です。

最後のステップは、効果的なコミュニケーションや、心の知能対立の解決といったソフトスキルを習得し、磨き上げることです。これらは、リーダーとして成功するために不可欠なスキルであり、優秀なリーダーの決め手となる資質でもあります。

チームが追跡可能な目標を設定するサポートをするには?

キャリア開発とは何か、その定義とメリット、具体的なキャリア開発計画の作成方法と例をまとめました。

個人のキャリア開発計画を作成するにも、チームメイトのキャリア開発計画作成に手を貸す場合も、最も重要なのは、測定可能な目標を正しく設定し、進捗を追跡してマイルストーンの達成を祝えるようにすることです。

Asana を使って目標を追跡すれば、チームや組織の目標に沿った個人の目標を立てて、次々に更新されていく達成内容をいつも明確に把握することができます。

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